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年収400万円の会社員が「月2万円」を企業年金に積み立て! 社会保険料が「5万円」下がり喜んでいたら、「将来の年金額も下がる」と聞いて不安に。ほかにもデメリットはあるのでしょうか?

ファイナンシャルフィールド / 2025年1月20日 4時30分

年収400万円の会社員が「月2万円」を企業年金に積み立て! 社会保険料が「5万円」下がり喜んでいたら、「将来の年金額も下がる」と聞いて不安に。ほかにもデメリットはあるのでしょうか?

将来の貯金や節税のために企業年金を活用する人が多くいます。企業年金は節税になる一方で、掛け金を多くしすぎてしまうと将来の年金額や社会保障で支給される金額に影響を及ぼします。   本記事では、企業年金の活用で社会保険料が下がる理由と、将来受け取れる年金額やその他社会保障に関わってくる影響について解説します。

企業年金とは

日本の年金制度は「基礎年金」と「被用者年金」、そして「企業年金」という3階層で成り立っています。
 
・基礎年金
1階部分にあたる基礎年金は一般的には「国民年金」と呼ばれています。日本国内に住む20歳以上60歳未満の、全ての人が対象です。
 
・被用者年金
2階部分は「厚生年金保険」です。民間企業の従業員や公務員などを対象に、報酬比例年金が基礎年金に上乗せされます。
 
・企業年金
3階部分の企業年金は「確定給付企業年金」「企業型確定拠出年金」「厚生年金基金」の3つに分けられます。運用方法や拠出方法などは、それぞれで異なります。
 
基礎年金・被用者年金が公的年金と呼ばれるのに対して、企業年金は企業・個人の任意で上乗せされるため、私的年金と呼ばれています。また、企業年金に加入できるのは2階部分の厚生年金保険に加入する人に限られます。
 
企業年金に加入する大きなメリットは、基礎年金・厚生年金の上乗せができ、将来受け取れる年金額が増えることにあります。それに加えて、企業年金に加入することで翌年の社会保険料・税金が下がり、節税となる可能性があります。
 

社会保険料・税金が下がる仕組み

では、なぜ社会保険料・税金が下がるのでしょうか?
 
企業年金に掛けた金額は、全額所得控除の対象となるため、給与額から企業年金の掛金分を引いた額面が社会保険料・税金の対象となります。
 
例えば、年収400万円の人が毎月2万円を企業年金に積み立てると、年間24万円が給与から引かれる計算となります。税金・社会保険料の対象となる年収が400万円から376万円へと下がるため、年間で支払っていた社会保険料が4万円近く下がる可能性もあります。所得税・住民税の負担も軽減します。
 

なぜ年金額に影響するのか

前述の通り、拠出する掛金は全額が非課税となり、社会保険料の負担が軽減します。
 
厚生年金において、受け取る年金の総額は保険料を納めた期間と金額によって異なります。同じ期間社会保険料を納めていても、途中で納める金額が少なくなるとその分将来受け取れる年金額が少なくなる可能性があります。
 

年金額以外に影響が出る手当とは

もしもの際に支給される手当や年金の中には、在職中の給与額に応じて金額が決まるものがあります。企業年金に掛けている金額分は控除されるため、手当額が減ってしまう場合があります。
 
支給額に影響する手当・年金の代表例は以下の通りです。
 
・傷病手当金
業務外でのけがや病気で休業した際に受け取れる手当です。給与額の3分の2ほどの金額が支給されるため、企業年金に多く掛けているとその分給与が減る計算となり、支給額が下がります。
 
・出産手当金
出産のために会社を休んだ際に受け取れる手当です。こちらも傷病手当金同様に給与額の3分の2ほどを支給する計算のため、支給額が下がります。
 
・障害厚生年金
病気やけがで就業が困難になった際に支給される年金です。厚生年金額に応じて支給されるため、納める社会保険料が下がると厚生年金と同様に支給額が下がります。
 
・遺族厚生年金
亡くなった際に遺族に支給される年金です。こちらも障害厚生年金と同様に厚生年金額に応じて支給されるため、連動して支給額が下がります。
 

節税になる分、支給される各種手当にも影響が出る可能性がある

企業年金は、掛け金の全額が所得控除となり将来の貯蓄に加えて節税対策もできる制度です。社会保険料が下がるのはうれしいですが、納める保険料が減り、社会保険料・税金の対象となる給与額が下がることで、万一の際に支給される手当・年金の金額が減る可能性があることも覚えておきましょう。
 
いくらまで掛けるべきか、どの程度なら影響が出ないかについては、一人ひとりの給与や加入する健康保険、扶養家族の有無などによって異なります。企業年金に加入する際は、将来の年金や各種保障を踏まえた上で掛け金を決めましょう。
 

出典

企業年金連合会 企業年金制度
全国健康保険協会 令和6年度保険料額表(令和6年3月分から)
 
執筆者:田中美有
2級ファイナンシャル・プランニング技能士

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