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年末調整で「生命保険料控除」を忘れたけど確定申告するのは面倒……。保険料が月額2000円なので控除してもしなくても、あまり変わらないでしょうか?

ファイナンシャルフィールド / 2025年1月20日 22時40分

年末調整で「生命保険料控除」を忘れたけど確定申告するのは面倒……。保険料が月額2000円なので控除してもしなくても、あまり変わらないでしょうか?

年収500万円会社員、年末調整で生命保険控除を忘れてしまったという方からのご相談です。保険料が月額2000円なので、控除してもしなくてもあまり変わらないなら、確定申告は面倒だといいます。生命保険料控除をしないとどのようなことが起こるのか、確認してみましょう。

年末調整の生命保険料控除とは?

会社は、給与や賞与の支払の際に概算の所得税を徴収して納付する源泉徴収を行っています。源泉徴収された所得税を、年末に再計算して過不足を調整するのが年末調整です。
 
所得税は、給与や賞与などの総額の年収に対してかかるわけではありません。会社員の場合は、年収から給与所得控除、所得控除を差し引いた金額に対して税金がかかります。生命保険料控除は所得控除の1つです。生命保険料、介護医療保険料および個人年金保険料を支払った場合には、合計で最高12万円の所得控除を受けられます。
 
生命保険料控除の金額は、表1の計算式により求められます。
 
【表1】

表1
 
表1
 

月額2000円の保険料の生命保険控除額は? いくら税金が戻る?

保険料が月額2000円なので、年間に支払う保険料は2万4000円です。新制度(平成24年1月1日以後に締結した保険契約等)として計算すると、生命保険料控除額は、2万4000円×1/2+万円=2万2000円です。
 
年収500万円の会社員ということで所得税税率10%とすると、戻ってくる所得税は、2万2000円×10%=2200円です。
 
さらに、生命保険料控除は所得税だけではなく住民税に対しても適用されます。住民税は前年の所得に対してかかるものなので、税金が戻るのではなく翌年の税金が軽減されます。
 
   
 
住民税の生命保険料控除額は、2万4000円×1/2+6000円=1万8000円です。住民税は10%なので、1万8000円×10%=1800円が翌年の住民税から軽減されます。
 

確定申告に挑戦しよう! 気を付けることとは?

年末調整で生命保険料控除を入れれば所得税が2200円還付され、住民税が1800円軽減され、実質4000円手取りが増えていました。手続きさえすれば手に入れられる4000円です。年末調整を忘れたのであれば、確定申告をしてはいかがでしょうか。
 
確定申告は、自宅でスマホとマイナンバーカードを使ってe-taxからできます。会社員で年末調整済みの源泉徴収票があれば、簡単に申告ができます。面倒くさいという思い込みで4000円を捨てるのはもったいないので、ぜひ確定申告に挑戦しましょう。
 
令和6年分の確定申告の期限は、令和7年3月17日(月)です。期限が近づくと、e-taxにアクセスが集中してつながりにくくなることがあります。早めに申告手続きをすると安心です。もしも確定申告の期限が過ぎてしまっていても、5年以内であれば所得税の更正の請求ができます。
 
ただし、注意点があります。ふるさと納税をして、ふるさと納税ワンストップ特例制度の申請をした後に確定申告を行うと、自動的にワンストップ特例制度の申請が無効になってしまいます。ふるさと納税をした方は、確定申告をするときに生命保険料控除だけでなく寄付金控除の申告も忘れずにしましょう。
 
執筆者:正田きよ子
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者

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