母の遺品整理中に「聖徳太子の1万円札」が出てきました。現在は「1万円以上」の価値はあるのでしょうか? 少額であれば申告せずもらって大丈夫ですよね?
ファイナンシャルフィールド / 2025年1月22日 2時20分
遺品整理は骨が折れる作業ですが、遺品整理をしている中で昔のお札が出てくることもあるかもしれません。 聖徳太子の1万円札は現在見かけることの少ない紙幣ですが、その価値はどの程度なのでしょうか? また、少額だからといってもらっても大丈夫なのでしょうか? 本記事では、聖徳太子の1万円札の価値と、遺品整理で見つけた際の注意点を解説します。
聖徳太子の1万円とは? その価値は?
今まで日本の紙幣には数多くの人物が登場していますが、中でも聖徳太子は日本のお札に最も多く登場した人物です。
聖徳太子は1930年に発行が始まった「乙百円券」に初めて採用されて以来、戦前2回、戦後5回の計7回もお札に登場しています。聖徳太子はいずれも発行当時の最高額券に採用されているため、「聖徳太子=高額のお札」というイメージの人も多いのではないでしょうか。
そんな聖徳太子の1万円札ですが、現在の価値はどれくらいなのでしょうか? 結論としては、基本的には額面通りの価値しかありません。銀行に持ち込めば、通常の現行紙幣と交換できます。
高値で取引される可能性がある聖徳太子の1万円札もある
聖徳太子のお札に限りませんが、一部の紙幣は収集家の間で高値で取引されることがあります。
例えば、お札の記番号が「100000」「500000」といったキリが良い「キリ番」や、「123456」などの「階段」、「666666」のようなぞろ目、「600006」のような「サンドイッチ」といった特徴がある場合、希少価値が高いとされ、高値がつく可能性もあります。
ほかにも、印刷ミスや印刷ずれも高値がつくことがあるようです。
相続財産としての扱いに注意
聖徳太子の1万円札が額面どおりの価値しかないとしても、相続財産であることを忘れてはいけません。遺品整理中に見つけた現金や貴重品の所有権は、全ての相続人にあります。そのため、相続人全員で情報を共有し、遺産分割協議を経て正式に分配することが求められます。
もし、相続人全員の同意を得ずに紙幣を勝手に換金したり売却したりすると、後々トラブルになるかもしれません。総額財産から見ると少額の1万円であっても、慎重な対応が必要です。
遺品として見つけた聖徳太子の1万円札はどうすれば良い?
聖徳太子の1万円札を遺品として見つけた場合、勝手にもらうことはせず、以下の手順での対応をおすすめします。まずは、相続人全員で紙幣の存在や枚数などの情報を共有します。誠実に関係者との情報共有を心がけましょう。
また、前記したとおり、聖徳太子の1万円札の状態次第では専門家に査定を依頼する価値がある場合があります。収集価値が高い場合、遺産としての分配方法を話し合うことが重要です。
具体的な価値が知りたい場合、古銭・紙幣専門店やオークションサイトを利用すると、紙幣の価値を正確に把握できます。また、相続手続きについては税理士や弁護士に相談すると安心です。
相続人全員の同意を得た上で、現金化するか保管するかを決定しましょう。
まとめ
聖徳太子の1万円札は、基本的には額面通りの1万円の価値ですが、特定の条件を満たす場合にはコレクター市場で高値が付くこともあります。
ただし、遺品整理で見つけた場合は相続財産として扱われるため、勝手に換金や売却をせず、相続人全員で情報を共有し、適切な手続きを踏むことが重要です。相続トラブルを避け、家族間で円満に遺産を分配するためにも、冷静かつ丁寧な対応を心がけましょう。
出典
日本銀行 お金の話あれこれ(3)お札に登場した人物、動物
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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