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国家公務員よりも年収が高い?「地方公務員」の平均年収はどのくらい?

ファイナンシャルフィールド / 2025年1月22日 3時40分

国家公務員よりも年収が高い?「地方公務員」の平均年収はどのくらい?

「国家公務員」と「地方公務員」では、どちらの方が平均年収が高いのか、気になる方もいるでしょう。そもそも、平均年収に大きな差はあるのでしょうか。   そこで本記事では、公表されている資料を基に、国家公務員と地方公務員の平均年収を計算しました。両者の仕事内容や年収の比較をしていますので、ぜひ参考にしてください。

地方公務員と国家公務員の違い

まずは、地方公務員と国家公務員の違いを解説します。
 

地方公務員とは

地方公務員は、都道府県庁や市役所・区役所、町役場などの地方公共団体に勤務している人で、特別職と一般職に分かれます。
 
「特別職」は都道府県知事や副知事、市区町村長や副市区町村長、地区公営事業の理事長や理事などを指し、それ以外はすべて一般職です。
 
地方公務員の具体的な勤務先には、以下のようなものがあります。

・都道府県庁
 
・役所や役場
 
・警察署
 
・消防署
 
・公立の学校
 
など

地方公務員の仕事は、地域の生活を支えるために欠かせません。
 

国家公務員とは

国家公務員は、国の行政機関や特定独立行政法人などの国家機関に勤務する人です。国の機関は、立法・司法・行政の3つに分けられ、国家公務員もそれぞれの機関ごとに異なる仕事をします。
 
国会は立法を担当し、議院運営などをサポートする事務局職員や法制局職員、国立国会図書館員といった職業があります。
 
裁判所は司法を担当し、裁判官以外で勤務している公務員は、各裁判所における裁判運営をサポートする裁判所事務官や裁判所書記官、家庭裁判所において調査を担当する家庭裁判所調査官などです。
 
なお、「立法」と「司法」以外の統治作用を行政と呼び、勤務先の一部には以下のものがあります。

・内閣府
 
・総務省
 
・法務省
 
・外務省
 
・財務省
 
・文部科学省

財政や労働、育児や教育など、国の施策にかかわる国家公務員の仕事も日本国民の生活には欠かせません。また、海外の大使館や領事館などで働く人も国家公務員です。
 

地方公務員と国家公務員の平均年収

まずは、公表されている資料から、地方公務員と国家公務員の平均給与月額を解説します。
 

地方公務員の平均年収

総務省の「令和5年地方公務員給与実態調査」による、職種別の平均給与月額(一部抜粋)を表1にまとめました。
 
表1

職種 平均給与月額
全職種 32万6506円
一般行政職 31万5159円
技能労務職 30万8339円
高等学校教育職 36万8729円
小・中学校教育職 35万661円
警察職 32万8653円
税務職 29万4348円

※総務省「令和5年地方公務員給与実態調査結果の状況」を基に筆者作成
 
地方公務員の全職種平均給与の月額は32万6506円でした。12ヶ月分で391万8072円となり、1年間の給与は約392万円です。
 
なお、ボーナスなどの手当の平均月額は8万7927円となっており、12ヶ月分で105万5124円です。391万8072円+105万5124円=497万3196円と、地方公務員の平均年収は約497万円となります。
 

国家公務員の平均年収

人事院給与局が調査した「令和5年国家公務員給与等実態調査 報告書」によると、国家公務員全体の平均給与月額は、41万2747円です。職種(俸給表)ごとの平均月収(一部抜粋)を表2にまとめました。
 
表2

職種(俸給表) 平均給与月額
全職種 41万2747円
行政職俸給表(一) 40万4015円
行政職俸給表(二) 32万9178円
専門行政職俸給表 44万6205円
税務職俸給表 42万8330円
公安職俸給表(一) 38万2749円
公安職俸給表(二) 40万9111円
教育職俸給表(一) 48万515円
教育職俸給表(二) 45万6832円

※人事院給与局「令和5年国家公務員給与等実態調査 報告書」を基に筆者作成
 
全職種の平均給与月額は41万2747円、12ヶ月分で495万2964円です。なお、内閣官房内閣人事局の公表によると、令和5年6月期に2.16月分、12月期に2.26月分の期末・勤勉手当(ボーナス)が支給されています。平均給与月額に当てはめると、6月期は89万1533円、12月期は93万2808円となります。
 
495万2964円に期末・勤勉手当を加算すると677万7305円、国家公務員の平均年収は約678万円となります。
 
全職種の地方公務員の平均年収は約497万円、国家公務員の平均年収は約678万円でした。この結果だけ見ると、国家公務員の平均年収の方が高いといえるでしょう。
 
しかし、職種や勤務年数などで平均給与月額は異なるため、これらの数字は目安に過ぎません。あくまで参考程度で見るようにしましょう。
 

地方公務員の平均年収は約497万円。職種によって差があるため、どちらが高いとは一概にいえない

地方公務員の平均年収は約497万円、国家公務員の平均年収は約678万円でした。この金額は、全職種の平均であるため、職種や勤務年数によっても変動します。一概にどちらの平均年収が高いといえないことは、覚えておきましょう。
 
地方公務員も国家公務員も、人々の生活にとって欠かせない仕事をしています。感謝の気持ちを持ちながら生活するよう、心がけましょう。
 

出典

総務省 令和5年 地方公務員給与実態調査結果の状況 第1表の1(23ページ)
人事院給与局 令和5年国家公務員給与等実態調査 報告書(2ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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