ひとり暮らしを始め、同時に「奨学金」の返済も始まりました。実際に支払ってみるとかなりの負担で、自由に使えるお金がありません。返済を止めたり減らしたりする方法はありますか?
ファイナンシャルフィールド / 2025年1月23日 2時20分
奨学金を利用して、進学している人は多くいます。しかし卒業後、働きながら返済を続けていく場合、奨学金の返済が負担になるケースがあります。 もし、返済が難しくなった場合、返済を止めることができるのでしょうか? また、返済額を減らすことができるのでしょうか? そのようなケースの場合、どのように対処するべきか、考えてみましょう。
返済が難しくなったら、滞納する前に申し出ることが大切
奨学金に限らず、返済額が準備できない場合、何とかしようとギリギリまで金策に時間を費やしてしまい、返済期日を迎えてしまったという話を聞くことがあります。
一般的に会社員等で毎月給料を支給される雇用形態の場合、臨時にお金が手に入る確率はほぼゼロに近いといえるのではないでしょうか?
固定給で生活をしていて、経済的に返済が困難になっているときには、返済期日を迎える前に、奨学金の借入先に返済が難しくなってしまった旨を申し出ることが大切です。
返済が厳しくなってしまったときには、返済を待ってもらう(一時的に止める)、返済額を減らす方法がありますので、検討しましょう。
返還を待ってもらう
奨学金を扱っている独立行政法人の日本学生支援機構によれば、災害にあってしまった、傷病等で働けなくなり収入が限られてしまった、経済困難に陥っている、失業してしまった等の理由で奨学金の返還が難しくなってしまったときには、返還期限の猶予を申し出ることができます。そのことを、「返還期限猶予」といいます。
もし、そのような状態になってしまったときには、延滞する前に手続きを行うことが必要です。
ただし誰もが返還期限の猶予があるわけではなく、事前に猶予が必要なのか審査が行われます。そして審査によって承認された期間については、返還が猶予されます。つまり、返済を止めることができるのです。なお、返済期限の猶予は通算で10年(120ヶ月)と決まっています。
また、指定された返還猶予の適用期間が終わると、返還が再開される仕組みになっています。その際には、猶予期間相当分、返還終了年月も先送りされます。
ここで注意しなければならない点としては、申し出たからといって、必ずしも猶予が承認されるわけではないという点です。猶予が認められない場合には、今までどおりの返還を続けていかなければなりません。
なお、この返還期限の猶予という制度は、一定期間返還期限を先送りする制度です。返還すべき元金や利子が免除されるものではない点についても、理解しておく必要があります。
月々の返還額を少なくする
災害にあってしまった、傷病等で働けなくなり収入が限られてしまった、その他経済的理由で奨学金の返還が困難になってしまった場合で、当初約束した返還額である割賦金を減額すれば返還可能である人を対象とした、返還額を減額する制度のことを「減額返還制度」といいます。
ただし、誰もが減額できるわけではありません。減額を受けるためには証明書を提出しなければなりませんが、一定の要件に合致しなければ減額は受けられません。
減額返還制度では、1回の申し出について減額適用期間は12ヶ月ですが、最長で15年(180ヶ月)まで延長が可能と決まっています。
また、注意すべき点としては、すでに延滞している場合は、申し出の対象外となってしまうという点です。減額返還制度を利用したいなら、延滞する前に手続きを行うことが必要です。
返還を待ってもらうことも、返還額を減額することも、奨学金の返還をしている人にとっては有効な制度となります。しかしながら、経済的に困難になっているのなら、根本的な原因に目を向けることも大切です。
まずは家計の見直しをして、無駄遣いはないかの確認をする、さらに家賃の低い家に住み替える、毎月の返還額を除いた金額で生活できるのかのシミュレーションをすることも並行して実行していきましょう。
出典
独立行政法人日本学生支援機構 返還を待ってもらう(返還期限猶予)
独立行政法人日本学生支援機構 月々の返還額を少なくする(減額返還制度)
執筆者:飯田道子
ファイナンシャル・プランナー(CFP)、海外生活ジャーナリスト
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