新NISA開始から1年! 運用の中心となる「投資信託」って、そもそもどのような投資商品なのでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2025年1月23日 22時20分
2024年1月から「新NISA」が始まり、1年が経過しました。NISAのときと同様、新NISAでも運用の対象の中心は投資信託です。 さらに新NISAだけでなく、同じ節税商品というiDeCoでの資産運用も投資信託が中心となっています。資産運用において、投資信託は今や欠くべからざる存在ということができます。 この記事では、投資信託の仕組みと運用の方法について、基本的な解説をしたいと思います。
株式投資のリスク
投資信託の運用対象は、例えば株式、債券、金などの貴金属があります。なかでも主要な投資対象先は株式といえます。
事実、金融庁が2017年に公開した資料によれば、公募投資信託のうち株式に関係するものは90%以上を占めています。ここでは投資信託の仕組みを解説するに当たり、株式投資との類似点、相違点の比較を行いたいと思います。
株式投資は、市場に上場されている株式を売買して、キャピタル・ゲインやインカム・ゲインを狙います。「キャピタル・ゲイン」とは株式を売却して得られる売却益をいい、「インカム・ゲイン」とは株式を売却しなくても得られる、配当金や分配金のことをいいます。
株式投資とは基本的に、会社の株式を1社ごとに買って投資することです。そのため購入時は、市場に上場されている無数の会社の株式の中から、1社を選ばなければなりません。
しかし、1社に集中して投資をすると、分散投資ができないことになります。自力で複数社に投資して自分なりの管理をすることはできますが、管理の手間を考えると現実的ではありません。
投資した当時はどんな優良会社であっても、将来どうなるかは分かりません。投資した会社の業績が向上すれば株価も上昇するかもしれませんが、経営に失敗したり、不況によって業績が低迷したりすれば、株価が下落するリスクがあります。
また、市場全体が上昇傾向にあっても、投資した株価は大きく下落するリスクがあります。さらに、その会社が倒産すれば、株価はゼロになります。
リスク分散の手段としての投資信託
投資信託のメリットは、上記の「1社に集中して投資するリスク」を回避することにあります。投資信託の場合、複数の会社の株式にまとめて投資できるので、銘柄のリスクを緩和することができます。
例えば、アメリカのハイテク製品を扱っている会社数十社や、高配当をしている会社に投資できる商品、はたまた、アメリカの「S&P500指数」に連動するインデックス投資信託などがあります。
一定の条件を満たした銘柄を多数組み込むことにより、成長力のある業界やアメリカ・日本など一定の国のインデックスに投資をすることが可能になります。すなわち、1銘柄のみに投資するリスクを分散することができるのです。
銘柄のリスクを分散すると、投資信託を構成する会社のうち1社が倒産しても、投資信託の価格がゼロになることはありません。さらに、投資信託の運用会社が、倒産した会社を他の業績の良い会社に入れ替えてくれることもあります。
そう考えると、「資産運用において、投資信託は便利で画期的な投資手法である」ということができます。ただし注意点として、投資信託には「手数料」というコストがかかることを忘れてはいけません。
投資信託の仕組みとそれにかかるコスト
このような便利な投資信託を、長期間にわたり運用するためには、さまざまな関係先がいろいろな仕事を分担することが必要です。投資信託の運用管理に関係する会社は、以下の3社です。
運用会社……投資家から集めた資金(信託財産)について、運用の指図を行う。
管理受託会社……運用会社からの指図に基づいて、有価証券の売買およびその保管を行う。
販売会社……投資信託の募集・販売のほか、受益者へ分配金・償還金などの支払いを行う。
これらの関係先が分担しながら資産運用をしているので、投資信託にはかなりのコストがかかります。
それらのコストは、「信託報酬手数料」という名目で、投資の成果である運用益から差し引かれます。最も多いもので年間2%程度になります。
まとめ
この記事では、新NISAやiDeCoの運用で中心的な存在となる投資信託について、その仕組みやメリットを解説しました。
特に、リスク分散の仕組みや運用会社の役割、そしてコストである「信託報酬手数料」に注意する必要性を紹介しました。投資信託は便利な資産運用の手段ですが、コストを理解し、自分に合った商品を選ぶことが重要です。
出典
金融庁 家計の安定的な資産形成に関する有識者会議 説明資料
執筆者:浦上登
サマーアロー・コンサルティング代表 CFP ファイナンシャルプランナー
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