1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

住民税を毎月「4万円」支払っている姉。私は月に「2万円」ほどなのですが、これは年収が倍違うということなのでしょうか?

ファイナンシャルフィールド / 2025年1月23日 5時40分

住民税を毎月「4万円」支払っている姉。私は月に「2万円」ほどなのですが、これは年収が倍違うということなのでしょうか?

住民税は、その地域に住む人たちが、地域社会の費用を分担するものです。   総務省によると、市町村民税と道府県民税があり、1月1日にその市町村(都道府県)に居住する者に対して当該住所地団体が課税します。住民税の中でも所得割は納税義務者の所得金額に応じて一律10%の負担を求めるものです。   これを聞いて、今回の事例のように、姉は毎月4万円なのに自分は2万円だとすると、年収が倍違うのではないかと考える方もいるでしょう。   そこで今回は、住民税の税額と年収の関係について、住民税の計算方法なども含めて調べてみました。

住民税の計算方法

「住民税所得割の税率は10%」と聞いて、年収に対してそのまま徴収されると考える方もいるかもしれません。仮にそうであれば、今回のケースでは、毎月4万円を支払っている姉は年間で48万円の住民税を納めていて、年収は480万円、毎月2万円を支払っている自分の年収は240万円となり、年収は倍違うことになります。
 
しかし、実際に住民税の計算方法を調べてみると、年収に対してそのまま課税されるわけではないことが分かります。多治見市によると、大まかな住民税の計算順序は、以下の通りです。

・収入-必要経費または所得控除額=所得金額の合計
 
・所得-所得から差し引く金額(所得控除)=課税される所得金額(課税総所得金額)
 
・課税される所得金額(課税総所得金額)×住民税率10%=住民税所得割額
 
・住民税所得割額-税額控除=税額控除後の住民税所得割額
 
・税額控除後の住民税所得割額+均等割額=住民税額

上記から、年収に対してではなく、課税総所得金額に対して住民税率10%をかけること、さらに税額控除があることが分かります。
 

控除額が異なると税額が違う場合がある

控除額は人によって異なるため、同じ年収であっても税額は違う場合があります。例えば所得控除には以下のようなものがあります。

・配偶者控除、扶養控除
 
・社会保険料控除
 
・生命保険料控除、地震保険料控除
 
・障害者控除

税額控除は住民税所得割額から差し引く金額のことです。これには調整控除・配当控除・住宅借入金等特別控除などが含まれ、ふるさと納税など寄付金控除も同様です。
 
これら所得控除や税額控除は住民税の計算に大きく影響するため、同じ年収でも税額が異なる場合があります。自身の税額と姉の税額が倍違うからといって、年収も倍違うとは限らないといえるでしょう。
 

市町村ごとに税額は異なる?

住民税は市町村ごとに税額が異なるのではないか、と考える方もいるようです。そうであれば、住む地域が変わると住民税の税額も違うことになります。しかし、基本的に住んでいる市町村によって住民税が異なることはありません。
 
住民税の市町村民税と道府県民税は「均等割」と「所得割」の合計で税額が決まります。均等割は法律で税額が定められていて、市町村民税は3000円、道府県民税は1000円です。令和6年度からは森林環境税(1000円)が課税され、合計で5000円を支払うことになります。
 
所得割については、市町村民税で6%、道府県民税で4%とされていて、政令指定都市の場合はそれぞれ8%と2%にされています。いずれにしても合計10%となり、どの地域に住んでいても、所得金額や控除額などの条件が同じであれば、市町村民税と道府県民税を合計した税額は基本的に同じ金額です。
 
ただし、一部の市町村、道府県においては超過課税を実施しているようです。例えば京都市によると、京都府下に居住している人は、道府県民税の均等割に豊かな森を育てる府民税600円が上乗せされます。
 
また神奈川県の場合は、水源環境の保全・再生を目的として、令和8年度まで住民税のうち県民税分について、均等割300円、所得割0.025%の超過課税がされています。
 

住民税の税額が2倍だから姉の年収も倍違うとは限らない

会社員であれば毎月の給与から住民税が天引きされますが、自身の税額と比較して2倍の税額を天引きされている姉の年収が2倍であるとは限らないことが分かりました。住民税所得割の住民税率は年収に対してではなく、所得控除を差し引いた課税総所得金額にかけて計算します。さらに税額控除を差し引いて、均等割額を足した金額が住民税額です。
 
所得控除には配偶者控除や扶養控除、生命保険料控除、地震保険料控除など、さまざまな種類があり、ふるさと納税を含む寄付金控除など税額控除も住民税額の計算に大きな影響を与えます。
 
市町村ごとの税額は基本的に同じですが、地域によっては超過課税を実施している点にも注意が必要です。このように、住民税額で年収を単純に逆算できるわけではありません。
 

出典

総務省 個人住民税
多治見市 大まかな住民税の計算の方法を知りたいのですが?
京都市情報館 Q&A Q8 市町村民税の額は住んでいる市町村によって違うのですか?
神奈川県 水源環境を保全・再生するための個人県民税の超過課税について
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください