【債券投資の基礎知識】株式投資との違いって?メリット・デメリットは?
ファイナンシャルフィールド / 2019年2月18日 9時30分
よく資産運用では、「株式と債券を組み合わせて分散投資を!」というフレーズを耳にすることがあるかと思います。 ですが、実際のところ「債券」を保有するとなると、個人型国債か、債券が主体となった投資信託を購入することが一般的で、さまざまな債券を直接購入する方は少ないのではないでしょうか。 今回は債券投資とは何か?という基本的な部分について解説します。
債券とは?
最近は、郵便局に行くと、「KOKUSAI(国債)には愛がある」といったキャッチフレーズを目にすることがあるかと思います。そもそも国債も含めた「債券」とは何なのでしょうか。
「債券」は、少し硬く言えば発行体が資金を調達するために発行する有価証券、分かりやすく言えば借用証書ということになります。債券の仕組みは、債券を購入後、満期までの利払い日毎(半年に1回が一般的)に定められた利息が支払われ、満期日に額面金額が償還されるというものです。
また、割引債といって、当初の購入時に利息分が割り引かれており、当初の購入価格と償還金額の差が利息という仕組みのものもあります。
債券の市場規模
株価が上がった下がったといったニュースはよく耳にするかと思いますが、債券に関しては、あまりニュースなどで取り上げられません。ですが、市場規模は株式よりはるかに大きいということをご存じでしょうか?
例えば、日本国債の最大の保有者は日本銀行であることや※1、米国債の約20%は米国以外の国が保有していること※2を考えれば、株式よりはるかに債券市場の方が大きいことが分かると思います。
きわめて簡単な理由としては、株式は民間企業が発行するものですが、債券は企業に限らず国・地方自治体なども発行できるためです。
債券投資の注意点
債券は購入時から満期時までの保有が基本です。ですが、市場があるので中途での売買もできます。その際の注意点をいくつかあげます。
(1)利率
債券投資で一番重要なのは「利率」です。同じ発行体(例えば国)が、同じ額面で利率「3.0%」と利率「1.0%」の2種類を出した場合は、もらえる金額が多くなる「3.0%」の方が需要は高くなりますよね?
ですので、新たに発行された債券の「利率」が下がると、相対的に「利率」の高い債券の値段は上がり、逆に「利率」が上がると債券の値段は下がります。
債券は株式と違って、個別の国や企業の業績には関係なく、市場の金利動向と同じ方向に向かう性質があるという点には注意が必要です。
(2)残存期間
満期までの残り期間=残存期間も重要です。
「額面100万円、利率3%」と同じ債券で、残存期間が1年と2年の2通りあったとします。これがどちらも97万円で取引されていた場合、満期まで保有した場合の受取総額を比較すると、残存期間1年=103万円、残存期間2年=106万円と利子1年分の差になります。
このように取引価格と残存期間を見て、リターンがどのようになるか、計算をすることが重要になります。
まとめ
非常に簡単にですが、債券投資の基本を説明しました。
自分で債券投資を行いたい場合は、各証券会社でさまざまな債券の取り扱いがあるので、そこで購入するのが一番の近道です。注意点にも配慮したうえで、ご自分の投資方針に沿っていれば、債券投資も資産形成の一つの手段と言えるでしょう。
ただし、債券の中でも「仕組債」と言われる、比較的リスクの高い債券もありますので、しっかりと知識を得たうえで投資に臨むようにしてください。
出典
※1 財務省 国債等保有者別内訳
※2 The balance Who owns the U.S. national debt
執筆者:金澤佳也(かなざわ けいや)
トラスト 代表取締役
2級ファイナンシャル・プランニング技能士、AFP、2級DCプランナー
宅地建物取引士、証券外務員1種、2種メンタルヘルスマネジメント検定
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