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子どもの中学が、インフルエンザで「学級閉鎖」に! 通えなかった期間の「給食費・学費」は返金されないの? 返金できない理由とは

ファイナンシャルフィールド / 2025年1月26日 5時30分

子どもの中学が、インフルエンザで「学級閉鎖」に! 通えなかった期間の「給食費・学費」は返金されないの? 返金できない理由とは

子どもの学校がインフルエンザなどで学級閉鎖になったとき、「給食が提供されない期間の給食費は返金されるべきでは?」と感じる保護者もいるでしょう。特に、自分の子どもは元気なのに、学校に通えず給食を食べられないといった場合には、なおさらそう感じるのではないでしょうか。   こうした際の対応は自治体ごとに異なり、一部返金対応を行っている自治体がある一方、多くの自治体では学級閉鎖時の給食費の返金は行っていないケースが多いのが現状です。   本記事では、その背景や理由を知り、どうしても納得がいかない場合にどのような行動を取れるのか、一緒に考えてみましょう。

多くの学校で学級閉鎖を理由とした給食費の返金は行われていない

学級閉鎖があったとしても、「給食費の減額(返金)は行わない」と明記している自治体は少なくありません。例えば、千葉県木更津市、千葉県八街市、神奈川県横浜市などが挙げられます。
 
また、全てを返金するのは無理でも、千葉県習志野市のように一部期間だけ返金することを明記する自治体もあります。このように自治体ごとに対応が異なる現状を知ることは、保護者にとって、自分の自治体に意見を伝えたり、次の行動を考えたりする上で重要な手がかりとなるでしょう。
 

返金できない理由は食材の調達・調理の事情

返金できない最も大きな理由は、食材費に関する問題です。神奈川県横浜市では、市民からの給食費返金を求める声に対し、「当日および翌日の給食分は、すでに食材調達や調理が行われており、キャンセルができない」と説明しています。
 
これは、食材費がすでに発生しているためであり、前日や当日では発注数の変更が行えないことが背景にあります。給食費を返還するとしたら、「このキャンセルにかかった費用をどこから負担するのか」という問題が生じるのです。
 
さらに、千葉県八街市が公式サイトで明言しているように、多くの自治体では学校給食の食材購入には、保護者が負担する学校給食費の全額を使用しています。このため、余剰分がなく、キャンセル費用を補填(ほてん)する余裕がないのが現状です。
 
このような背景から、給食が提供されなかった場合に給食費を返金することは現実的に困難といえるでしょう。
 

学級閉鎖後、一部の給食費を返金するケースも

千葉県習志野市では、「閉鎖が決定した日から3日後以降の未提供分について減額(返金)を行う」としています。2日後までの給食費が返金されない理由については明言されていませんが、食材のキャンセルが間に合うのが3日後以降だと考えるのが妥当でしょう。
 
食材キャンセルの実務的な制約と保護者の不満解消の両方に配慮した、バランスの取れた対応といえそうです。
 

学級閉鎖で給食費が返金される学校もある

埼玉県さいたま市や兵庫県岸和田市(2025年1月から給食費無償化)では、学級閉鎖となった日数分の給食費を減額(返金)しています。ほかの自治体との違いは何でしょうか?
 
大阪府岸和田市では「学校給食費公会計化(市の予算化)により、食材発注に係る予算が安定したため」と説明しています。公会計化とは徴収した給食費をそのまま使うのではなく、いったん自治体の歳入(自治体のお金)とした上で、給食にかかる費用を予算計上し、その中から自治体が歳出する仕組みです。
 
なお、前記したさいたま市も給食費を公会計化しています。公会計化によって費用を柔軟に使うことができるという面があり、それが学級閉鎖時の返金を可能としているともいえそうです。
 

給食費を返金できるかどうかは学校が決めることではない

給食費の扱いについては、学校単位ではなく学校給食費徴収規則など自治体が定めた規則によって決まります。そのため、学校に直接返金を求めても対応は難しいのが現実です。
 
特に、公会計化が導入されていない自治体では、学校が直接給食費を管理している場合が多く、給食を実施しなくても発注済みの食材に対する費用が発生しているため、返金できるお金が残りません。保護者への返金は現実的ではないのです。
 
一方、給食費の仕組みを変えることで返金を実現している自治体もあります。そういった自治体の例を知ると、「なぜ自分の自治体は対応してくれないのか」と不公平感を抱くこともあるでしょう。
 
こういった状況を打破するためには、市町村に直接意見を伝えたり、選挙のときに関連政策を掲げる候補者を支持したりすることが有効かもしれません。
 

給食費返還の考え方は自治体によって違う

学級閉鎖時の給食費に関する対応は、自治体ごとに大きく異なります。その背景には公会計化の有無といった複雑な問題が絡んでおり、学校単位では対応できないのが現実です。
 
しかし、自分の自治体の方針に疑問を持った場合、保護者が声を上げることで状況を変えるきっかけになるかもしれません。現状のルールと問題点を理解し、必要であれば改善を求める行動を取ることが、より良い制度の設計につながるはずです。
 
執筆者:浜崎遥翔
2級ファイナンシャル・プランニング技能士

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