定年後、再雇用だと月給が「10万円」下がるので転職を考えています。60歳以降で転職するのは珍しいですか?
ファイナンシャルフィールド / 2025年1月26日 8時40分
定年後に再雇用された場合は、定年前よりも給与額が減る傾向にあります。 再雇用の際には、雇用形態や労働条件の見直しが行われるため、月給が10万円下がるといった状況も考えられます。給与が大幅に下がるのを避けるために、転職を検討する方もいるでしょう。しかし、60歳以降で転職をしている人は、どのくらいいるのでしょうか。 そこで今回は、60歳以降の転職事情について調べました。転職を成功させる方法もご紹介しますので、参考にしてください。
60歳以降も働く人は多い
人生100年時代といわれる昨今、定年退職後も仕事を続ける人も少なくありません。内閣府の「令和5年版高齢社会白書」によると、令和4年における高齢者の就業率は以下の通りです。
●60~64歳:73.0%
●65~69歳:50.8%
●70~74歳:33.5%
●75歳以上:11.0%
同調査で60歳以上男性の就業状況を見てみると、60~64歳で83.9%、65~69歳で61.0%となっており、定年退職後も仕事を続けている人が多いようです。
また、仕事で収入を得ている60歳以上の人のうち約4割が、「働けるうちはいつまでも働きたい」と回答しています。さらに、「70歳またはそれ以上になっても働きたい」と回答した人も含めると、約9割が就業意欲を持っていることが分かりました。
60歳以降で転職している人はどのくらい?
定年を迎えたあとも、同じ職場で再雇用されるケースは少なくないですが、給与は下がる傾向にあります。仕事内容はそれほど変わらないのに「月給が10万円も下がる」など、大幅に減給される場合は、転職を考える人もいるでしょう。
厚生労働省の「令和5年 雇用動向調査結果の概要」によると、60~64歳の転職入職率は男性で13.5%、女性で7.6%です。さらに65歳以上の場合は、男性で12.6%、女性で6.6%となっています。
なお、男性の転職入職率は、19歳以下が最も高く16.6%です。女性の転職入職率は、25~29歳の19.1%が最も多くなっています。数値的に見た場合、60歳以降の転職は決して難しくないといえるでしょう。
転職入職率を就業形態別に見ると、男性の場合、パート労働者は60~64歳で28.5%、65~69歳では19.7%となっています。一般労働者はそれぞれ10.8%と6.7%のため、転職後はパートで働く人の方が多いことが分かります。
定年後は、転職によって収入を上げたり、現状を維持できたりするわけではないため、注意してください。
60歳以降の転職を成功させる方法
60歳以降の転職も決して難しくないとはいえ、30代・40代と比較すると、難易度は上がるでしょう。転職を成功させるためには、以下のポイントをおさえることが大切です。
●自分の市場価値を把握する
●60歳になる前に転職活動を開始する
60歳以降は、専門知識を持っている人や、即戦力になれる人が求められるでしょう。自分の市場価値を客観的に把握することで、スキルや経験を生かせますし、仕事探しの方向性も定めやすくなります。
飲食業・清掃業・警備職など、慢性的に人手不足で、シニア世代の求人がある職種も候補に入れましょう。定年後の転職では、選択肢を増やすことが重要です。
また、60歳になってから仕事探しを始めると、年齢ゆえに転職活動が長期化するリスクがあります。定年退職後すぐに再就職先が見つからず、焦って賢明な判断ができなくなる可能性もあるでしょう。60歳になる前に転職に向けて動き出すことで選択肢が広がり、焦らずに転職活動を進められます。
60歳以降でも転職入職率は6.6〜13.5%! 自分の市場価値を把握して早めに行動を
60歳以降も働く人が増えており、60代後半でも半数以上は仕事をしていることが分かりました。60歳以降に転職をする人は、男性で12.6〜13.5%、女性では6.6〜7.6%いるようです。
ただし、転職入職率は、パート労働者の方が一般労働者よりも高い傾向にあります。そのため、転職によって収入レベルが維持されるわけではないでしょう。
転職を成功させるには、今までの自分の経験やスキルを棚卸しして、市場価値を客観的に把握する必要があります。また、60歳になってから転職活動を始めた場合、年齢ゆえに長期化するリスクがあるため、50代のうちから転職に向けて行動するとよいでしょう。
出典
内閣府 令和5年版高齢社会白書(全体版)令和4年度 高齢化の状況及び高齢社会対策の実施状況 第2節 高齢期の暮らしの動向(6)就業状況
厚生労働省 令和5年 雇用動向調査結果の概要 3.転職入職者の状況
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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