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勤務先へ報告しなくても「iDeCo」が使えるようになったって本当? 2024年12月改正により使いやすくなったポイントを紹介

ファイナンシャルフィールド / 2025年1月28日 10時0分

勤務先へ報告しなくても「iDeCo」が使えるようになったって本当? 2024年12月改正により使いやすくなったポイントを紹介

iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)は、老後の資金準備に活用できる国の制度です。本制度は2001年に創設されましたが、実は今までに何度も制度改正が行われています。   2024年12月以降に施行される改正では何がどう変わったのか、「iDeCoが使いやすくなった」というのは本当なのか、どんな影響があるのか、本記事でポイントを解説します。

何がどう変わった? 2024年12月改正のポイント

2024年12月以降、iDeCoは以下のように変わります。

【主な改正点】

・確定給付年金や共済に加入している人は、iDeCoの掛金上限が1.2万円→最大2万円にアップ
 
・勤務先への申請なしでiDeCoに加入できるようになる

今回の改正は、特に会社員や公務員の人にとってメリットのあるものです。いずれも、よりiDeCoを利用しやすくするための改正といえるでしょう。
 
それぞれの改正点について詳しく見ていきましょう。
 

iDeCoの掛金上限が1万2000円→2万円にアップ

これまで、勤務先が用意している企業年金のうち企業型確定拠出年金以外(確定給付年金や共済など)に加入している人や公務員は、iDeCoの掛金の上限が月1万2000円までと決められていました。
 
しかし、今回の改正によって上限が上がり、月2万円までとなります。iDeCoには掛金の全額が所得控除の対象になる(掛金額が多いほど税金が安くなる)というメリットがありますが、それをより活用できるようになるでしょう。
 
ただ、注意点としては、iDeCoの掛金と企業年金の掛金(勤務先が負担している分)の合計は月5万5000円までというルールがあります。そのため、企業年金の加入状況によってはiDeCoに拠出できる金額が月2万円を下回ることがあります。
 
なかには、今回の改正で掛金相当額の算定方法が変わった影響で、iDeCoに拠出できる金額が最低拠出額(5000円)を下回ってしまう人もいます。最低拠出額を下回った人については、条件を満たせば「脱退一時金」を受け取ってiDeCoを脱退できるようにする改正も、今回あわせて行われました。
 
なお、公務員を含め確定給付年金(DB)などの他制度に加入している人は、年1回の拠出ができなくなります。月1回(毎月定額拠出)に変更する手続きを行わない場合、2024年12月掛金(2025年1月引き落とし分)以降、iDeCo掛金への拠出が一時停止されてしまうので注意しましょう。
 

勤務先への申請なしでiDeCoに加入できるようになる

これまで、会社員や公務員の人がiDeCoに加入するときは、事前に勤務先に申請して「事業主証明書」を作成してもらう必要がありました。
 
「会社の人にiDeCoの利用を知られたくない」「勤務先があまり協力的でない」「面倒な手続きは避けたい」などさまざまな理由で、事業主証明書の準備がiDeCoを始める際のハードルの一つになってしまっている現状があったため、これは廃止されました。
 
現在は仕組みが変わり、事業主(勤務先)を通さなくても、国民年金基金連合会(iDeCoの実施機関)が企業年金の加入状況を把握できるようになっています。
 
今回の改正により、iDeCoに加入する本人にとっても勤務先にとっても、手続きの手間を省けるようになりました。
 

まとめ

これまで何度も改正されてきたiDeCoですが、2024年12月以降は、一部の会社員や公務員の掛金の上限がアップしたり、加入時の勤務先への申請が不要になったりするなどの改正が施行されています。
 
iDeCoに加入するか迷っている人やすでに加入している人は、今後の改正にも注意しつつ、どのように将来に備えた資産形成を行うのが自分にとって最も利益になるのか考えてみるのがおすすめです。よく理解したうえで、老後に向けた資金準備を着々と進めていきましょう。
 

出典

厚生労働省 私的年金制度(企業年金・個人年金)に関する今後の検討における主な視点(P7/12) 「iDeCoは2001年の制度創設以来、加入対象範囲の拡大などの累次の制度改革を行ってきた」
内閣府大臣官房政府広報室 政府広報オンライン iDeCoがより活用しやすく! 2024年12月法改正のポイントをわかりやすく解説
厚生労働省 確定給付企業年金制度の主な改正(令和6年12月1日施行)
厚生労働省 iDeCoの拠出限度額が1.2万円→最大2万円に変わります
国民年金基金連合会 iDeCo公式サイト 制度改正について 2022年・2024年の制度改正の概要 2024年12月1日からの改正
国民年金基金連合会 iDeCo公式サイト iDeCo(イデコ)をはじめるまでの4つのポイント 【ポイント1】 加入資格と掛金の上限を確かめる!
厚生労働省 iDeCoの掛金が月別指定 (毎月定額拠出以外) の場合、毎月定額拠出への変更のお手続きが必要です!
 
執筆者:馬場愛梨
ばばえりFP事務所 代表

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