え? 未成年でも「確定申告」が必要? どんなときに必要になるのかを解説
ファイナンシャルフィールド / 2025年1月29日 9時20分
所得が発生したときは、税金を計算して税務署(国)へ確定申告が必要になる場合があります。この確定申告は未成年であっても必要になるのか、本記事で解説します。
そもそも確定申告とは?
確定申告は、毎年1月1日から12月31日までの1年間に発生した所得金額に対して、所得税などを計算して税額を確定させる手続きです。
確定申告が必要になる税金には、所得税、消費税、法人税などがあります。一般的に「確定申告」と呼ぶ際は、所得税の確定申告を指すことが多いようです(本記事でも、以降は所得税の確定申告について「確定申告」と呼びます)。
確定申告の手続き期限
所得税の納付を含む確定申告の手続きをする期限は、原則として確定申告対象年の翌年2月16日から3月15日までとなります。ただし、期限の開始日・最終日が土日の場合は、翌営業日に繰り越します。
令和6年(2024年)分の確定申告の期限は、令和7年(2025年)2月17日(月)から3月17日(月)までとなります。
なお「還付申告」については、2月15日以前でも行えます。還付申告は、本来確定申告する必要のない人が、納め過ぎた税金の還付を目的に行う確定申告です。還付が発生する年の翌年1月1日から5年以内であれば還付申告ができます。
確定申告が必要な人
確定申告が必要かどうかは、申告する人自身で判断をする必要がありますが、基本的には以下に該当する人などが対象となります。
・給与所得や退職所得以外にも、副業などの所得が20万円を超える会社員
・給与収入が2000万円を超える会社員
・48万円を超える事業所得がある自営業者やフリーランスなどの個人事業主
・所得が公的年金などに係る雑所得のみの人で、所得金額から所得控除を差し引いても残額がある人(※)
※公的年金などの収入金額が400万円以下で、その公的年金などの全部が源泉徴収の対象となる場合には確定申告不要
確定申告をしたほうがよい人
確定申告の必要(義務)はなくても、確定申告をすることで税金の還付を受けられる可能性がある人は、確定申告を検討するとよいでしょう。
寄附金控除や医療費控除などを利用したい人は、確定申告が必要となります。多くの控除を申告することで、税金が還付される可能性は高くなります。
ただし、年末調整を受けている会社員などが確定申告をする場合は、20万円以下の副業などによる所得の申告も必要になります。そのため、それらの所得も含めると、税金が還付されない可能性もあることに注意が必要です。
未成年でも確定申告は必要?
確定申告に年齢は関係ありません。未成年であっても年間所得が48万円を超えると、確定申告が必要になる場合があります。未成年でも確定申告が必要になるケースには、次のようなものがあります。
アルバイトといった給与所得がある場合
アルバイトの年収が103万円を超える場合、給与所得控除後の給与所得は48万円を超えるため、確定申告が必要になります。ただし、アルバイト先の年末調整によって納税が完結する場合は、申告不要です。
またアルバイトの掛け持ちなどをしていて、2ヶ所以上の会社などから給与をもらっているような人は、年末調整されなかった給与所得とそれ以外の所得の合計が20万円を超える場合も、確定申告が必要になります。
事業所得や雑所得がある場合
SNSから広告収入を得るといった個人事業主(フリーランス)の活動をしている場合、その所得は事業所得や雑所得に該当します。これらが年間で48万円を超える場合は確定申告が必要になります。
資産運用での収益がある場合
株式などの譲渡所得や配当所得が一定額を超える場合には、確定申告が必要となります。ただし、株式や投資信託などを金融機関の特定口座に預けていて、確定した利益に対する税金を源泉徴収扱いにしている場合は、確定申告不要となります。また、NISA口座に預けている場合も、運用益は非課税となるため、確定申告不要となります。
なお、暗号資産(仮想通貨)の売買で得た利益は、雑所得として確定申告が必要となる場合があります。
医療費控除や寄附金控除などを受けたい場合
未成年であっても、医療費控除や寄附金控除といった控除によって、税金の還付を受けることができる場合があります。このような控除を利用したい場合も、確定申告が必要です。
未成年の確定申告に関する注意事項
本来確定申告の必要な人が申告をしないと、無申告加算税や延滞税といったペナルティーが科せられます。これは、年齢に関係なく未成年でも同様ですので、自身で確定申告が必要かどうかしっかり確認しましょう。
なお、該当者が未成年の場合は、その親が代理で確定申告の手続きをすることが可能です。ただし、親が手続きをする場合でも、税金は子どもの財産から納めなければならないことには、注意が必要です。親が税金まで代わりに支払うと、金額によっては、子どもに贈与税がかかります。
まとめ
所得税は年齢に関係なく、未成年でも一定以上の所得があれば、確定申告をする必要があります。確定申告が必要かどうか迷う場合は、住んでいる地域を管轄している税務署、もしくは税理士に相談するようにしましょう。
出典
国税庁 No.2020 確定申告
国税庁 確定申告が必要な方
執筆者:小山英斗
CFP(日本FP協会認定会員)
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