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息子は「国立大学」志望だけど、すべり止めに「私立」も受験。合格発表前に「入学金20万円」払うのが正直厳しいですが、一度払った入学金は戻ってこないのでしょうか…?

ファイナンシャルフィールド / 2025年1月30日 4時40分

息子は「国立大学」志望だけど、すべり止めに「私立」も受験。合格発表前に「入学金20万円」払うのが正直厳しいですが、一度払った入学金は戻ってこないのでしょうか…?

大学受験シーズンが本格化する中で、国立大学を第1志望にしている受験生とその家族にとって悩みの種となるのが、併願する大学の「入学金」ではないでしょうか。   万一に備えて私立大学を受けるのは安心材料になりますが、国立大学の合格発表前に20万円以上もの入学金を支払わなければならないケースがあり、決して小さな出費ではありません。   本記事では、私立大学の入学金のルールを見ながら、負担を減らす方法はないのか考えていきます。

私立大学の入学金は返金されない

私立大学の場合、合格後の定められた期間までに、入学金もしくはそれ相当額の支払いをおこなった上で入学の仮手続きを行うのが一般的です。
 
例えば、早稲田大学の法学部は2月24日の合格発表後、3月4日までに第1次振込として登録料(入学金相当額)の振り込みを求めており、期限に間に合わない場合は入学できません。
 
横浜国立大学の合格発表は3月7日、東京大学は3月10日など、国立大学前期日程の合格発表の多くは3月6日以降です。つまり、国立大学の合格発表前に登録料を払わなければなりません。
 
また、早稲田大学の入学手続きの手引きには、「入学しない場合でも登録料の返還は行わない」と明記されています。したがって、仮に国立大学に合格し入学する場合でも、入学金相当額の支払いが必要なのです。
 
なお、2006年11月27日の最高裁判決によって、「入学金の納付は大学に入学できるという地位を取得するための対価として認められるため、入学辞退者に対して大学側は返金の義務を負わない」という見解が示されています。この仕組みは、法的にも正当性が認められているわけです。
 

授業料や施設設備費は原則返金される

ただし、文部科学省の指針では、「3月31日までに入学辞退の意思表示をおこなった人に対しては、授業料や施設設備費などの返還に応じること(ただし専願や推薦入試などの例外を除く)」を明確にするよう各大学に求めています。
 
前記した最高裁判決にて、「3月31日までに入学を辞退した場合には、大学は授業料や施設設備費などの返金義務を負う」と判断されたからです。
 
したがって、入学の権利を保持するために、入学金に加えてさらに多額の費用負担を求められることはありません。
 

私立大学の入学金を払わないためにできることはある?

私立大学の入学金を支払わずに済む方法としては、「入学金の振り込みが国立大学の合格発表後でも可能な大学を選ぶ」ことが挙げられます。
 
例えば、法政大学の「大学入学共通テスト利用入試C方式」は、国公立大学の合格発表を確認してから入学手続きができる入試方式です。このような配慮のある入試方式を採用している大学を調べ、併願することで経済的な負担を軽減できます。
 
また、私立大学を複数受験する場合も、日程調整が重要です。適切に調整しないと、複数大学の入学金の納付が必要となってしまいます。
 
例えば、国立に合格できなかった場合の、第1志望である私立A大学の合格発表が2月27日、第2志望の私立B大学の入学金振込期限が2月25日だった場合を考えましょう。
 
B大学に合格した場合は、A大学の合格発表前にB大学の入学金振り込みが必要です。さらにA大学にも合格すると、A大学にも入学金を振り込まなければなりません
 
そして、国立大学に合格した場合は、2大学分の入学金が無駄になってしまうのです。もし第2志望の選択肢に入学金振込期限が2月28日のC大学があった場合、こちらを選んだほうが費用負担を減らせます。
 
とはいえ、費用負担を減らすことを意識するあまり、本当にいきたい大学の受験を諦めるのも本末転倒です。費用と志望大学のバランスを考えながら、併願対策を考えるのが得策でしょう。
 

受験費用を見据えた計画を立てよう

私立大学を滑り止めにする場合、入学金が返金されないルールを踏まえた上での計画が重要です。併願校を適切に選べば、経済的な負担を軽減できます。
 
ただし、費用を優先しすぎて志望校を妥協するのは決して良い選択とはいえません。大学受験は将来に直結する重要な選択なので、費用面と志望校のバランスを考慮しながら、納得のいく受験計画を立てていきましょう。
 

出典

早稲田大学 2025年度入学試験要項
文部科学省 大学、短期大学、高等専門学校、専修学校及び各種学校の入学辞退者に対する授業料等の取扱いについて
 
執筆者:浜崎遥翔
2級ファイナンシャル・プランニング技能士

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