年収200万円の会社員です。一人暮らしの母が貯金もなく毎月「6万円の年金のみ」なので支援したいのですが、自分も余裕がありません……生活保護を申請するしかないでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2025年2月1日 1時50分
自分の親が年金を十分にもらっておらず、生活費のやりくりが難しい状態の場合、親孝行として支援したいと考える人も多くいるでしょう。ただし、自身の生活を考えるとなかなか十分な支援ができないこともあります。そのような場合に、親に生活保護を申請してもらうのがよいかどうか迷うことがあるかもしれません。 本記事では、65歳以上の一人暮らしにかかる平均的な生活費を紹介するとともに、生活保護やほかの支援制度について解説します。生活が困窮している親を支援するのが難しいと感じている人は、ぜひ参考にしてください。
65歳以上の一人暮らし世帯にかかる平均的な生活費
総務省統計局の「家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要」を基に、65歳以上で一人暮らしをする無職世帯の1ヶ月の生活費を表1にまとめました。
表1
食費 | 4万103円 |
住居費 | 1万2564円 |
光熱・水道費 | 1万4436円 |
家具・家事用品費 | 5923円 |
被服・履物費 | 3241円 |
保健医療費 | 7981円 |
交通・通信費 | 1万5086円 |
教養娯楽費 | 1万5277円 |
その他の消費支出 | 3万821円 |
消費支出合計 | 14万5430円 |
出典:総務省統計局「家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要」を基に筆者作成
65歳以上の一人暮らし世帯における1ヶ月の生活費は、平均で14万5430円です。公的年金が月6万円程度であれば、毎月約8万5000円の不足が生じることになります。差を埋めるためには、働きに出て年金以外の収入を得たり、家族に支援してもらったりするなどして、生活費を確保する必要があるでしょう。
生活保護とは
生活保護制度とは、資産や能力などすべてを活用してもなお経済的に困窮している人々に対し、健康で文化的な最低限度の生活を保障するための制度です。最低限必要な生活費を支給するとともに、生活再建や経済的自立に向けた支援を行います。高齢者の場合、年金収入だけでは生活が成り立たない状況であれば、生活保護を申請することが可能です。
生活保護の申請が認められるかどうかは、その世帯の収入や資産状況などによって決まります。厚生労働省によれば、例えば、東京都区部等に住む68歳の高齢者単身世帯の場合、令和5年10月1日時点の生活扶助基準額は7万7980円です。
ただし、生活保護申請時には、年金や保険金、相続資産、預貯金、不動産などの所有状況が考慮されます。申請を行う際は、これらの条件を踏まえ、住んでいる地域を所管する福祉事務所の生活保護担当に相談しましょう。
年金暮らしの高齢者を支援する「年金生活者支援給付金制度」とは
年金暮らしの高齢者の生活を支えるために設けられた「年金生活者支援給付金制度」は、公的年金などの収入金額やその他の所得が一定基準を下回る方に対して、年金に上乗せして給付金が支給される制度です。消費税率が10%に引き上げられた2019年10月に導入されました。
厚生労働省によると、「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金」の対象となるのは、65歳以上で老齢基礎年金を受給しており、同一世帯の全員が市町村民税非課税である人です。ただし、受給するためには「前年の公的年金等の収入金額」と「その他の所得(給与所得など)」の合計が基準額を下回っている必要があります。
基準額は以下の通りです。
・1956年4月2日以降生まれ:88万9300円以下
・1956年4月1日以前生まれ:88万7700円以下
なお、1956年4月2日以降生まれで78万9300円超88万9300円以下である方、1956年4月1日以前生まれで78万7700円超88万7700円以下である方には、「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。
給付金の支給額は、国民年金の保険料を納付した期間や免除された期間に応じて変動します。年金生活者支援給付金は年金収入の少ない人にとって重要な生活支援となるでしょう。
生活保護以外にも「年金生活者支援給付金制度」といった公的支援制度もある
生活保護制度は、資産や能力などすべてを活用してもなお生活に困窮する人に対する重要な支援策ですが、それ以外にも年金暮らしの高齢者の生活を支援する制度として、年金生活者支援給付金制度があります。
公的年金などの収入が一定基準額以下の高齢者に対して、年金に上乗せして給付金を支給することで、月々の生活を支える制度です。生活の支援を受ける際の選択肢として把握しておくとよいでしょう。
出典
厚生労働省 生活保護制度 「生活保護制度」に関するQ&A Q.5 具体的にはどれくらい保護費が支給されますか。(3ページ)
厚生労働省 年金生活者支援給付金制度について
総務省統計局 家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要 II 総世帯及び単身世帯の家計収支 <参考4> 65歳以上の無職世帯の家計収支(二人以上の世帯・単身世帯) 表2 65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)及び65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)の家計収支 -2023年-(19ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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