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「事実婚」でも扶養に入れるって本当? そもそも事実婚ってどのような制度なのでしょうか?

ファイナンシャルフィールド / 2025年2月1日 23時0分

「事実婚」でも扶養に入れるって本当? そもそも事実婚ってどのような制度なのでしょうか?

「法律婚」と「事実婚」の違いは、端的に言えば婚姻届を市区町村の役場に提出しているか否かの違いによります。よく「紙切れ1枚の違い」などと例えられるのはこのためです。当人同士が愛し合っていればそれでよしという結論であれば、他人がとやかく言うことでもないのかもしれませんが、両者には得られる権利などに違いがあるのが現状です。   そこで本記事では、あらためて事実婚の定義やメリット、デメリットなどについて確認していきます。

事実婚と認められる要件

事実婚とは、婚姻届を提出していない状態で夫婦と同様の関係を有し、共同成果を送る者、つまり「内縁関係」の状態を指します。ただし、事実婚と認められることで後述するさまざまな権利を得ることもできます。この点が、単なる「同棲」との違いです。一般的に事実婚の状態と認められるための主な要件には、以下のようなものがあります。
 

(1)住民票の続柄に「妻(未届)」「夫(未届)」と記載されている

婚姻の意思はあるが手続きされていない状態で、このように住民票に記載することで婚姻意思を示す有力な公的資料となり得ます。ほとんどの市区町村では役場で事実婚の意思を伝えれば、住民票への記載が可能です。ほかにも公的な手続きで婚姻意思を示す資料としては、「社会保険の第3号被保険者として登録する」「事実婚契約書を作成する」などが挙げられます。
 
事実婚契約書とは私的な契約書ですが、事実婚を始めるときに当事者間で取り決めなどをあらかじめ契約しておくもので、公正証書で作成する場合もあります。
 

(2)子どもを認知している

連れ子であっても、両者の間の子であっても、子どもを認知している場合や養子縁組していて自分の子どもとして養育している実績があれば、有力な要素となります。なお、事実婚の場合、子どもの親権は母親にあり、父親が親権を取得するためには認知の手続きが必要となります。
 

(3)共同生活をしている

生計を共にして同居し、共同生活していることも有力な要素となります。たとえ婚姻の意思が固くても、別居状態のままであれば事実婚と認められない可能性が高く、一般的には3年以上同居生活の実績があると認められやすいとされています。ただし、何年以上の同居であれば認められるかについては、明確な決まりはありません。
 

(4)お互いの婚姻意思が客観的に認識できる

「結婚式を行っている」「親族に生涯のパートナーであると紹介している」など、客観的にその意思を認識できる形で表していることも重要な要素とされます。
 

事実婚の主なメリット

事実婚を選択した場合の主なメリットには、以下のものがあります。
 

(1)社会保険制度では法律婚とほぼ同じ扱いとなる

前述のとおり、社会保険の被保険者の配偶者は、会社に届け出ることで第3号被保険者の登録をすることや、被扶養者となることができます。
 

(2)遺族年金を受給することができる

事実婚の配偶者も、受給要件を満たすことで遺族として遺族年金を受給できます。ただし、これまでの記載のとおり、戸籍以外の資料で事実婚ということを証明する必要があります。
 

(3)ほかにも法律婚と同等の権利を受けることができる

2021年には、不妊治療費の助成を法律婚と同様に受けることができるようになりました。また、別れた場合の財産分与の請求や不法行為による慰謝料の請求、子どもの養育費の請求なども可能となります。
 

事実婚の主なデメリット

一方、主なデメリットは以下のとおりです。
 

(1)子どもが非嫡出子となる

事実婚の状態で生まれた子どもは、法律上の婚姻関係のない非嫡出子となります。この場合には、父親が認知しないかぎり父子は法律上の親子関係とはなりません。そのため、父が亡くなった場合にその子どもは相続人とはならなくなります。認知の手続きが必要となることを覚えておきましょう。
 

(2)税法上の相続人や税法上の配偶者とはなれない

どれだけ長い期間事実婚の状態を続けていても、配偶者が死亡した場合に法定相続人となることはできないため、被相続人の財産を当然に承継することはできません。どうしてもパートナーに財産を残したい場合には、遺言書による遺贈や生前贈与などを計画的に進めることが必要となります。
 
また、配偶者控除、配偶者の税額軽減など税法上の優遇措置も基本的には受けることができません。
ちなみに、借地借家法では居住用建物の賃借人が相続人なくして死亡した場合、事実婚であった同居者は賃借人の地位を承継するとされているため、パートナーは住み続けることができる場合があります。
 

まとめ

事実婚を語るうえでは、同性カップルについての議論があります。最近では同性婚を認めないことは憲法に反するとの判決や、自治体ごとのパートナーシップ制度の施行などが話題となっています。夫婦という形が多様化していくなかで、法律上の戸籍の在り方も問われているような気がします。事実婚の場合には、たとえ2人が別れたとしても戸籍には何ら履歴が残ることはありません。
 
執筆者:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー

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