103万円の壁が「123万円」に上がるらしく、妻の年収が「100万→120万円」に! 会社員で「年収600万円」の夫にはどんな影響がある? 引き上げの影響を解説
ファイナンシャルフィールド / 2025年2月3日 4時30分
所得税が発生する年収の壁として知られる「103万円の壁」の改定に関する議論が本格化しています。2024年12月に令和7年度税制改正大綱が閣議決定され、123万円に引き上げられることが明記されました。 年収の壁が123万円に上がることによって影響を受けるのは、現在103万円以下に収入を調整しているパートやアルバイトの人だけだと思ってはいないでしょうか。実際は年収103万円を超える多くの人に影響があります。 本記事では、103万円の壁が123万円に引き上げられる具体的な内容や、それによる影響について解説します。
103万円の壁は所得税が発生する年収額
103万円の壁は、所得税の支払いが発生し始める年収が103万円であることに由来しています。103万円から所得税の支払いが発生する理由は、所得を算出するときに収入から差し引く控除が関係しています。
控除の内容は扶養親族の有無など、さまざまな要素で人によって変わりますが、多くの給与所得者には少なくとも次の2つの控除が認められています。
●給与所得控除:55万円
●基礎控除:48万円(所得2400万円以下の場合)
給与所得控除と基礎控除の合計である103万円を収入が上回ると所得が発生し、所得税の納税が必要になります。
103万円の壁はどう変わる?
103万円の壁の123万円への引き上げについて、1月の通常国会で審議される予定です。審議予定となっている具体的な引き上げの内容は次の通りです。
給与所得控除
給与所得控除は、55万円から65万円へ10万円の引き上げが見込まれています。ただし、今回の引き上げは、年収162万5000円までの人の控除額55万円が65万円になるにとどまります。
図表1をみると、給与所得控除について年収額に応じて控除額が変わることが分かりますが、給与所得控除額が55万円となっているのは年収162万5000円までとなっています。このため、年収162万5000円超の人は影響がありません。
図表1
国税庁 No.1410 給与所得控除
基礎控除
基礎控除は、48万円から58万円へ10万円の引き上げが見込まれており、給与所得控除と違って多くの人が控除額10万円の引き上げによって変化が起こります。
ただし、厳密には全員が影響を受けるわけではありません。今回の引き上げは年間の合計所得金額が2350万円以下の人に限られ、2350万円を超える所得がある人は影響を受けません。
基礎控除の引き上げでどれくらい減税になる?
所得税の税率は、年間の課税所得金額に応じて5%~45%と税率が変わるため、基礎控除が10万円引き上げられる影響は、課税所得金額によって異なります。所得税の税率を図表2で確かめましょう。
図表2
国税庁 No.2260 所得税の税率
例えば、年間の課税所得金額が400万円の人の場合、控除額10万円に20%を乗じた2万円が減税の効果です。
103万円の壁の引き上げは自分にも関係する話題として注目しよう
103万円の壁が123万円に引き上げられる方向性で議論されていますが、これにより年収が103万円を超える多くの人にインパクトをもたらします。
具体的にいうと、年間の合計所得金額が2350万円を超える高所得者を除き、基礎控除が10万円引き上がることによって、課税所得金額に応じた所得税率によって4000円~5万円の減税効果が見込まれます。具体的に自分の減税効果を計算したい場合は、自分の課税所得金額に該当する税率で計算しましょう。
出典
財務省 令和7年度税制改正の大綱
国税庁 No.1199 基礎控除
厚生労働省 『年収の壁について知ろう』
国税庁 No.1410 給与所得控除
国税庁 No.2260 所得税の税率
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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