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来年定年を迎え「退職金1800万円」をもらう予定です。分割よりも「一括」受け取りのほうが節税できるでしょうか?

ファイナンシャルフィールド / 2025年2月4日 4時30分

来年定年を迎え「退職金1800万円」をもらう予定です。分割よりも「一括」受け取りのほうが節税できるでしょうか?

退職金を受け取る際、会社によっては分割か一括かで選べるケースがあります。自分で退職金の受け取り方を選ぶときは、できれば税金負担が少ないほうがよいと考える方もいるでしょう。   退職金にかかる税金を知っておくと、決めるときの参考になります。今回は、退職金の受け取り方による税額の違いや、税額の計算方法などについてご紹介します。

退職金の受け取り方は2種類

退職金の受け取り方は、一括と分割の2種類です。会社によってどちらを採用しているかは異なり、退職金のうち一部をまとめて受け取り、残りを年金形式で分けて受け取る場合もあります。
 
受け取り方による違いのひとつは、税金の扱いです。一括で退職金を受け取ると「退職所得」として、他の所得とは分離して退職金のみを基に税額を計算します。
 
一方、分割で受け取った場合の退職金は「雑所得」です。退職年金や老齢年金などの雑所得と、アルバイト収入などのほかの所得と合算してから税額を計算するため、場合によっては一括で受け取るよりも税額が高くなる可能性があります。
 

退職金を受け取ったときの税額は?

退職金1800万円を一括で受け取ったときと、10年に分けて受け取ったときの税額を比較しましょう。
 

一括で受け取ったとき

一括受け取りの場合、まず退職所得控除額を差し引きます。退職所得控除の金額を求める際は、勤続年数によって計算式が変わるため注意しましょう。退職所得控除額を引いたあと、退職所得の計算式に当てはめ、所得額から税額を求めます。
 
今回は、以下の条件で税額を計算しました。

●勤続30年で退職
●1800万円を一括受け取り
●東京都在住

国税庁によると、勤続年数が20年を超えているときの退職所得控除額は「800万円+70万円×(勤続年数-20年)」です。勤続30年のときは「800万円+70万円×(30年-20年)」で1500万円が税金の計算時に控除されます。
 
退職所得の金額の計算式は「(収入金額-退職所得控除額)×2分の1」であるため、150万円です。150万円だと所得税の税率は5%のため、復興特別所得税も合わせて、7万6575円が課されます。住民税は税率が10%のため、15万円です。
 

分割で受け取ったとき

分割で退職金を受け取るときは、ほかの所得と合計して計算する必要があります。今回の条件は以下の通りです。

●退職金を月に15万円、年180万円で10年間受け取る
●公的年金は年110万円
●ほかの収入はなし
●東京都新宿区在住の65歳
●退職後は働いておらず国民健康保険と介護保険のみを利用
●保険料率や基礎控除、社会保険料控除などの控除額は令和6年度の計算方法を使用
●適用される控除は社会保険料控除、基礎控除のみ

まずは、「公的年金等に係る雑所得」を求めましょう。国民年金だけでなく、会社員などが加入する厚生年金も、公的年金等として扱われます。
 
今回のケースだと、収入の合計は年290万円です。国税庁によると、65歳以上で公的年金等の収入金額の合計額が110万円超~330万円未満までは、「収入金額の合計額-110万円」で計算します。よって、公的年金等に係る雑所得は180万円です。
 
新宿区によると、新宿区在住で65歳の方の場合、各保険料額は以下の通りです。

●国民健康保険料は年22万3013円
●介護保険料は年9万5040円
●社会保険料合計:31万8053円

所得金額から社会保険料を引いた148万1947円を税金の計算に使用します。
 
所得税は基礎控除48万円を引いたあとに1000円未満を切り捨ててから計算するため、100万1000円が課税される金額です。国税庁によると、税率は5%なので、復興特別所得税を合わせて、5万1101円が課されます。
 
住民税は基礎控除が43万円のため、105万1947円が課税される金額です。住民税の税率を基に計算すると、税額は約11万195円になります。今回は、退職金を10年分割で受け取るため、所得税および復興特別所得税の5万1101円と住民税の11万195円が10年にわたって課されます。
 
そのため、今回の条件では、一括で受け取ったほうが税金は安いといえるでしょう。
 

退職金にかかる税額は一括で受け取ったほうが安い可能性がある

税金負担の面で考えると、退職金は分割で受け取るよりも一括で受け取ったほうが控除額が多く、税金が安くなる可能性があるでしょう。もしも、分割で受け取るときは老齢年金などほかの所得とも合算してから計算するため、人によっては税額が高くなる場合があります。
 
どちらの方法で受け取るとお得かを考えるときは、税額だけでなく老後のライフプランとも照らし合わせて考えることが大切です。
 

出典

国税庁 パンフレット「暮らしの税情報」(令和6年度版) 退職金と税
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.1600 公的年金等の課税関係
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.2260 所得税の税率
新宿区 保険料の計算方法について 保険料率等について 【令和6年度の保険料率等】
新宿区 介護保険料の決まり方 65歳以上(第1号被保険者)の方の介護保険料(令和6年度~令和8年度)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
 
監修:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー

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