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「年金」は株式などで「運用」されているって本当?株価が上がった場合、将来の年金額が増えるのでしょうか?

ファイナンシャルフィールド / 2025年2月6日 23時0分

「年金」は株式などで「運用」されているって本当?株価が上がった場合、将来の年金額が増えるのでしょうか?

「年金は株式などで運用されている」ということを聞いたことはないでしょうか。私たちの年金の財源を確保するため、財源の一部は運用されています。では、この運用で上がった利益がどのように使われているかをご存じでしょうか?   本記事では公的年金をテーマに、「年金の財源はどのようなものか?」「株価が上がった場合、将来の年金額が増える可能性はあるのか?」について解説します。ぜひ最後までお読みください。

年金の財源はどのようなものか?

公的年金は、以下の収入を財源としています。


(1)保険料収入
(2)国庫負担
(3)積立金(元本の取り崩し・運用収入)

現在の公的年金制度は、今後(おおむね100年間)、年金の財政が均衡するよう(年金の給付と上記の財源がバランスを取れるよう)設計されています。
 
例えば、(1)の保険料収入と(2)の国庫負担のみでその年の年金給付が賄え、かつ保険料収入に余剰がある場合、そのお金を将来世代のために(3)の積立金として運用に回します。
 
一方、(1)の保険料収入と(2)の国庫負担のみでは年金給付の財源を確保できなかった場合、(3)の積立金で賄います。この場合であっても、積立金で賄うのは全体の1割程度です。
 
このように年金給付と財源のバランスを取ることにより、現役世代が減少(=保険料収入の減少)するなかにあっても、年金の財政が破綻しないような仕組みになっています。
 

株価が上がった場合、将来の年金額が増える可能性はあるのか?

年金の財源の一つである積立金は、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)によって運用されています。この積立金は最低限のリスクで運用することとされており、国内外の債券や株式に広く分散投資されています。
 
ちなみに、第4期中期目標期間(2020年4月1日からの5ヶ年)における、基本ポートフォリオ(資産構成割合)は以下のとおりです。


・国内債券:25%
・外国債券:25%
・国内株式:25%
・外国株式:25%

積立金の収益は、先述のとおり、将来の年金給付を下支えするために使われます。したがって、株価が上がったからといって将来の年金額が増えるということはありません。株価が上がったことに対する認識としては、「年金の財源の確保に寄与する」と捉えるべきでしょう。
 

まとめ

本記事では公的年金をテーマに「年金の財源はどのようなものか?」「株価が上がった場合、将来の年金額が増える可能性はあるのか?」について解説しました。各問いに対する回答は、以下のとおりです。


・年金の財源は(1)保険料収入、(2)国庫負担、(3)積立金である
・積立金の収益が年金受給額に影響を与えることはない

現在の公的年金制度は、今後おおむね100年間を見通した財政計画によって成り立っています。その財源のほとんどは保険料収入と国庫負担によって賄われ、今後100年間の平均でみると、積立金が占める割合は財源全体の1割程度です。
 
積立金の運用で得た収益は、将来の年金の財源として生かされます。年金受給額が増えるわけではありません。
 
株価が上がっても年金額が増えないと知ってがっかりしたでしょうか? 100年の財政計画があると知って安心したでしょうか? できれば後者の見方をしたうえで、老後の資金計画を立てていただければと思います。
 

出典

厚生労働省 厚生年金、国民年金の財政
厚生労働省 [年金制度の仕組みと考え方] 第2 公的年金制度の財政方式
年金積立金管理運用独立行政法人 年金財政における積立金の役割
年金積立金管理運用独立行政法人 基本ポートフォリオの考え方
年金積立金管理運用独立行政法人 よくあるご質問 Q 年金積立金の運用収益が積みあがっているなら、私がもらう年金は増えますか。
 
執筆者:中村将士
新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー

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