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友達が言っていた「複数の証券会社同士でも売却損と売却益があると相殺できる」ホント?

ファイナンシャルフィールド / 2019年2月21日 9時0分

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複数の証券会社で取引をしている方は、年間を通して一方の証券会社では株や投資信託など売却益が出ているけれど、一方の証券会社で売却損が出たという方もいることでしょう。そのようなケースでは、損益通算を行えば、支払い済みの税金が戻ってくるかもしれません。  

損益通算とは

上場株式や投資信託などで得たプラスの売却益とマイナスの売却損を相殺することを、損益通算と言います。売却して利益が出ると、その利益に対して税金がかかります。
 
しかし、他方で損失が出ているのであれば、その損失と相殺することで利益を小さくし税額も小さくすることが出来ます。
 
損益通算ができるのは、一般口座や特定口座等の課税口座です。iDeCoやNISA、つみたてNISAの口座では、そもそも売却益に対して税金はかかりませんから、損益通算の対象外です。
 
また、損益通算できる金融商品でも、組み合わせによっては、通算できないものもあります。例えば、上場株式の売却損と投資信託の売却益は通算できますが、上場株式の売却損とFXの売却益は通算できません。
 
損益通算ができるグループの例

 

異なる金融機関同士でも損益通算は可能

たとえば、A証券会社で国内株の売却益が50万円、B証券会社で投資信託の売却損がマイナス10万円あったとしましょう。A証券会社の国内株の利益に対しては、約20%の税金がかかります。50万円☓20%=10万円、税額は10万円です。
 
ところが、B証券会社にはマイナス10万円の損失がありますから、A証券会社の利益とB証券会社の損失を相殺することで、トータルの利益は50万円−10万円=40万円となります。その結果、納めるべき税額は、40万円に税率をかけた8万円となります。
 
税額は2万円少なくなりました。このように、損益通算は異なる金融機関同士でも可能です。
 

損益通算は、確定申告で

損益通算は、確定申告によって行います。しかし、必ずしも確定申告が必要とは限りません。たとえば、取引をしている金融機関が1社のみで、源泉徴収ありの特定口座で取引をしているなら、金融機関が損益通算をして税額を計算し、納税してくれるため、確定申告は不要です。
 
また、年収2千万円以下の会社員で、給与・退職所得以外の所得(株式などの所得含む)が年間20万円以下の場合も確定申告は不要です。この20万円という数字は収入の金額ではありません。所得(もうけ)が20万円以下であるということです。
 
株式の取引であれば、売却価格から購入価格、購入手数料や売却手数料を差し引いた後の金額になります。そのほか、ネットオークションやフリーマーケットなどで収入を得た場合などにも当てはまることがあります。
 
なお、20万円以下申告不要のルールは、年末調整を行った会社員に適用されるルールです。自営業者の方には適用されませんので、ご注意ください。
 
さらに、これは所得税にあてはまるルールで、住民税には当てはまりません。所得税の確定申告が不要であっても住民税は確定申告が必要です。こちらも注意が必要です。
 

正しく申告して税の還付を受けよう

確定申告は、(1)しないといけない人、(2)しなくても良い人、(3)したほうが良い人の3つのパターンがあります。金融機関で開設している口座の種類や取引によって異なりますから、まずは口座の種類を確認しましょう。
 
特定口座で取引をされている方であれば、1月から2月にかけて金融機関から、「特定口座年間取引報告書」が送付されます。
 
「譲渡区分」の「差引金額」欄を見れば、利益が出ているのか、損失が出ているのか、ひと目で分かります。損失が出ているのであれば、配当金・分配金や他の金融機関の取引で得た売却益と相殺できます。届いたらチェックしてみてください。
 
執筆者:前田菜緒(まえだ なお)
CFP(R)認定者
 
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