ドルコスト平均法?よく分からないけどどんな時にドルコスト平均法は必要なの?
ファイナンシャルフィールド / 2019年3月3日 9時15分
よく長期投資をする場合、「ドルコスト平均法を使って平均単価を下げましょう」という説明を耳にされたことがあるかと思います。 このドルコスト平均法は一体何が強いのか? その点を解説していきたいと思います。
ドルコスト平均法とは?
名前では「ドルコスト」と呼ぶため、外貨に関するイメージと結びつきやすいですが、外貨以外でも値動きのあるもの(株式や投資信託等)を購入する場合にはすべからく適用できます。
非常に単純化すると「定額購入」という方がイメージしやすいと思います。一方で対義語は「定量購入」といえ、ドルコスト平均法を語る上で対比して用いられます。
以下に定量購入とドルコスト平均法の例を示します。
定量購入は「購入口数」を固定して積み立てる一方、ドルコスト平均法では「投資金額」を固定して積立を行っていきます。その結果、投資金額に対する購入口数が多くなるため平均単価が下がる仕組みです。
ドルコスト平均法のポイント
(1)値段が上下することが大切
完全に値段が上がり続ける、または下がり続けていくものに対してドルコスト平均法は全く意味を成しません。
一度も値段が下がらず上がる場合は一番初めに全額投資すること、下がり続ける場合は投資不適となります。
しかし、実際にそのような値動きのものは存在せず、株や投資信託は長期的には上昇、下降トレンドではあってもその中で短期的に上昇下降を繰り返していきます。また、為替であれば、基本的には上昇し続けることや下降し続けることはなく、大きく上下を繰り返す値動きです。
ですので、ドルコスト平均法は投資商品には向いているといえる方法なのです。
(2)値段の上下幅が大きいことが大切
上記のように完全に値段が上がり続ける、または下がり続ける=値段の上下幅がないということです。ドルコスト平均法の利点として挙げられることに高いときは少なく買い、安いときには多く買うというところがあります。
つまり、短期的な振れ幅が大きければ大きいほど、値上がり時の購入量が絞られ、値下がり時の購入量はより多くなるため利点が大きくなります。
ドルコスト平均法のメリット
ドルコスト平均法を使うことで驚くべきメリットは下の表のように、最終的には値下がりした値動きでも、利益が発生することがあるという点です。
1⇒10の1口の値段の動きとしては1万円⇒8000円とマイナスです。しかし、そのマイナスに向かう状況であってもその間の上下動をドルコスト平均法はキャッチアップしていくため、最終的利益を発生することができるのです。
まとめ
ドルコスト平均法の強みは「値段」×「数量」にあります。ベストなパターンは長期的に上昇するものでその間の値段の上下が大きいことですが、長期的に下降する場合でもその間の値段の上下があることで最終的にプラスのリターンになることがご理解いただけたかと思います。
長期的に上昇の場合は「値段」が強く作用し、下降の場合は「数量」が強く作用するため全体的なトレンドがどちらであっても利益に結びつくのです。
このことを理解しておけば、何か短期的な要因での値下がりはむしろ歓迎すべきものというイメージが持てるのではないでしょうか?
長期投資をする上で大切なのは、市場から退場しないことです。そのためにドルコスト平均法を活用して資産形成につなげていきましょう。
執筆者:金澤佳也(かなざわ けいや)
トラスト 代表取締役
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