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投資信託を選ぶ際の毎月分配型は悪!という論調にちょっと待った!

ファイナンシャルフィールド / 2019年3月5日 9時10分

投資信託を選ぶ際の毎月分配型は悪!という論調にちょっと待った!

投資信託を選ぶ際、毎月分配型は複利効果が働かなくなるため良くないという論がありますが、果たしてそうなのでしょうか? 毎月分配型の特徴を分析した上で考えていきましょう。  

毎月分配型投資信託とは?

まず毎月分配型投資信託とはどのようなものか解説します。「投資信託」というくくりでは全く同じですが、毎月決算をして利益または損失を確定させ、受益者(=投資家)に分配金を支払うものです。
 
この分配金には2種類あり、「普通分配金」と「元本払戻金(特別分配金)」があります。具体的に図で説明します。
 

 
(1)普通分配金
まず、「普通分配金」とは、図の左のように利益が発生し、それを元に支払うものを指します。図の左では利益が500円発生し、それをすべて分配金とした例ですが、分配金を250円とした場合では、分配後の基準価額が1万0250円になる仕組みです。
 
(2)元本払戻金(特別分配金)
一方、「元本払戻金(特別分配金)」は、利益が発生していないもしくは損失の状態で分配金を出した場合や、利益は出ていても利益以上に分配金を出す場合に発生します。
 
図の右では利益0の状態から分配金を500円とした例です。この場合、分配後の基準価額は9500円になります。もし、損失が発生している状態で、例えば、分配前の基準価額が9800円であった場合で分配金500円としたときは、分配後の基準価額は9300円となります。
 
(3)両方が発生する例
上記2パターンが同時に発生する場合もあります。図の左のように利益が500円出ていて分配金を600円出すような場合です。この場合は、500円が「普通分配金」、100円が「元本払戻金(特別分配金)」ときっちり切り分けられて分配されます。
 

毎月分配型の注意点

(1)複利効果が働かない
毎月分配型の注意点の1つとして、図の左のように毎月利益が発生してもそれを分配してしまうことで、利益に対しての複利効果が働かないという点があります。
 
確かにこれから資産を増やそうという場合には分配金が発生することはデメリットとなり得ます。一方で資産を取り崩すステージであった場合はどうでしょう?
 
増やすことより使うという観点では毎月分配の方がメリットといえますし、分配後でも基準価額は下がらない(=普通分配金を出している)というものであれば、債券のような相対的にリスクの低い投資といえるでしょう。
 
(2)元本払戻金(特別分配金)
元本払戻金(特別分配金)が発生した場合は完全にデメリットのみといえるでしょう。ただ自分が投資した金額が戻ってくるだけであり、かつその後の運用も基準価額が下がった状態からとなるため、基準価額を復活するまでには時間がかかってしまいます。
 

まとめ

毎月分配型投資信託といっても投資信託の保有目的と、分配金の出方によっては十分検討に値するものであることがご理解いただけたでしょうか? 確かにこれから資産形成をしていく人々にとってはあまりメリットがないかもしれません。
 
一方で、これから資産を使っていくタイミングであれば定期的にキャッシュ化されるという仕組みを作れることは便利ですし、かつそのキャッシュが自動的に自分の元本ではなく利益から生まれるというものであれば非常に心強いものとなります。
 
ですので、毎月分配型だからといって選択肢から外すのではなく、ご自分の方針がどこにあるかを今一度お考えになってからそれにフィットするかどうかを考えてみてはいかがでしょうか?
 
毎月分配型でも基準価額が1万0000円近辺を推移しているものであれば、意外と掘り出し物が見つかるかもしれません。
 
執筆者:金澤佳也(かなざわ けいや)
トラスト 代表取締役
2級ファイナンシャル・プランニング技能士、AFP、2級DCプランナー
宅地建物取引士、証券外務員1種、2種メンタルヘルスマネジメント検定
 
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