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疑うことが求められる局面!?米国の金融スタンスの変化

ファイナンシャルフィールド / 2019年3月23日 10時30分

疑うことが求められる局面!?米国の金融スタンスの変化

2018年末の株価急落から一転、2019年には急落の要因となっていたあらゆる懸念が見事に払拭されたかのような状況で、ほとんどの下げをとり戻しているような好調な値動きが続いています。こんな時は、立ち止まって真意の程を確認することも必要です。  

急落要因1:解決に向かっている米中貿易紛争

最大の要因であった米中間の貿易紛争です。
 
下落のきっかけは、中国に対する知的財産侵害として、2018年に総額500億ドル相当の製品に25%の追加関税を行う制裁を実施しましたことに加えて、さらに2,000億ドルもの製品に対して10%の追加関税を課す、第3の施策を発表したことに起因します。
 
当初は3月1日の交渉期限までに中国側の歩み寄りが見られない場合には、さらに25%に引き上げると強気の姿勢を加速させていました。
 
これは中国から米国への年間輸入規模の50%に及び、世界二大経済大国間での貿易紛争が全世界に及ぼす影響は計り知れないと懸念されたのです。
 
ところが、2019年に入ってから双方に歩み寄りが明らかになりついに、2月25日に関税引き上げの延期をトランプ大統領が明らかにしました。協議進展が明らかになるにつれて、強気ムードが相場を牽引していきました。
 

急落要因2:米国の金融スタンスの変化

2つ目は、米国FRB(連邦準備制度理事会)のスタンス転換です。
 
2018年では、着実な利上げと量的緩和で膨れ上がったバランスシート縮小に向けたマネーの吸い上げが積極的に行われていましたが、2019年になって一変。
 
柔軟に対応するとの意向を明らかにし、利上げ以上に懸念されていたバランスシート縮小も減速および先送りとなったことの安心感が相場を押し上げています。
 

急落要因3:中国の景気減速を阻止する政府の下支え

3つめは、中国の景気減速懸念を阻止する政府の取り組みを明確に打ち出したことです。報道によると、金融緩和や減税、約2000億ドル(約22.8兆円)規模のインフラ債発行によって、減速しつつある同国経済を再び活性化させようということです。
 
金融政策においては、預金準備率の引き下げ、また財政政策でも21兆円規模の減税と、国内インフラ投資も着手しています。
 
これらの政府の取り組みにより、中国の景気減速懸念も払拭、これは欧州にとって最大の輸出相手国の景気失速懸念がなくなったことにもつながり、強気相場へ転換のきっかけとなっています。
 

但し書き:これらはすべて期待レベル

しかしながらこれら3つは、すべて期待レベルであることに留意しなければなりません。なぜなら、株価を繁栄する企業業績は以前のような力強い伸張を見せていないのです。
 
各国中央政府が選挙前を意識しての民意指示をとりつけるためのリップサービスにとどまる可能性は否定できません。「蓋を開けてみれば」とならないように、冷静に情勢を見守る必要がありそうです。
 
執筆者:柴沼直美(しばぬま なおみ)
CFP(R)認定者
 
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