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社会人1年目だからこそ知っておきたい 給料明細はお金の教科書

ファイナンシャルフィールド / 2019年3月24日 23時0分

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新社会人が知っておきたいことのひとつに、給与明細の見方があります。   社会人の先輩方の中には、給与をもらったら銀行口座の残高を確認するだけで、意外と給与明細の中身までは詳しくチェックしません。給与明細から天引きされている社会保険料や税金の計算は全て会社がやってくれるからです。   しかし、給与明細は情報の宝庫です。無頓着でいるのはもったいないです。新社会人になって、はじめて給与明細を受け取ったら、天引きされている社会保険料や税金の種類や内容、金額をチェックしましょう。  

給与明細のしくみ

給与明細は、「勤怠」「支給」「控除」の3つから構成されています。勤怠欄には、1か月の勤務日数、出勤日数、欠勤日数、残業時間、有給休暇日数などが記載されています。
 
支給欄では、基本給や通勤手当、家族手当、残業手当、住宅手当などの各種手当が記載されています。家族手当や住宅手当など福利厚生的な手当は会社により対応が異なります。
 
控除欄には、必ず控除されるものとして、社会保険料と税金が記載されています。その他、財形制度がある場合は、財形の金額も記載されています。会社の団体保険に加入している方は保険料も記載されている場合があります。
 
個人の家計収入から、支払いを義務づけられている税金や社会保険料などの非消費支出を差し引いた金額のことを可処分所得(いわゆる手取り額)といいます。新社会になって、初めて給料が振り込まれた時、思ったより金額が少ないと感じるのは、税金や社会保険料の負担が大きいからです。
 

5つの社会保険料

会社員が加入する社会保険には、健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険、介護保険があります。このうち、給与から控除されるのは、労災保険以外です。なぜなら、労災保険の保険料は全額会社が支払うからです。
 
また、介護保険は40歳から加入しますので、新入社員の給与から控除される社会保険は、健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料ということになります。健康保険に加入していると、業務外の病気やケガで診療を受けた場合に、診療費用の給付があります。
 
例えば、病院にかかった場合、健康保険証を窓口で提示すれば、医療費の3割負担の支払で済みます。
 
また、窓口負担が高額の場合は、家計の負担を軽減できるように、1か月の医療費の自己負担額が一定の金額(自己負担限度額)を超えたときに、超えた部分が払い戻される「高額療養費」の制度もあります。
 
事前に手続きをし、「限度額適用認定証」を入手し、窓口で提示すれば、窓口での支払いを自己負担限度額までとすることも可能です。
 
また、業務外の病気やケガや出産で働けない場合で給与が支給されないときなどに出産手当金や傷病手当金の給付があります。これらの手当金は給与の補てんなので、自営業者などが加入する国民健康保険の給付にはありません。
 
なお、業務中や通勤時にケガを負ったり、業務が原因で病気になったりした場合の給付は、健康保険ではなく労災保険からの給付になります。この場合、日本的に、従業員の負担はありません。
 
厚生年金保険は、老後の所得補償(年金)というイメージが強いですが、これ以外に障害や死亡など万一のときにも給付があります。なお、厚生年金の加入者は、同時に国民年金にも加入しています。したがって、国民年金だけに加入している自営業者やフリータ―などに比べ保障が厚くなっています。
 
健康保険料と厚生年金保険料は、原則として4月から6月までの給与額の平均が基準となります。したがって、この間に、残業などが多いと、保険料が高くなります。
 
また、健康保険・厚生年金保険では、毎月の給料などの報酬の月額を区切りのよい幅で区分した標準報酬月額と3月を超える期間の賞与から千円未満を切り捨てた標準賞与額に対して一定の率をかけて保険料を算出し、会社と従業員で折半します。
 
例えば、月給が19.5万円以上21万円未満の標準報酬月額は20万円となります。介護保険の保険料も同様です。給料そのものに保険料率をかける訳ではありません。
 
雇用保険は、失業した場合の失業給付だけではなく、育児や介護で収入が少なくなる方や60歳以降給与が減額した場合の給与の補てんもあります。また、一定の職業教育訓練を受けた場合の受講料の支援もあります。キャリアアップにぜひ活用したいものです。
 
介護保険は、40歳から加入なので新入社員には関係ありませんが、40歳以上65歳未満は16種類の特定疾病で要介護認定を受けた場合、65歳以上は、原因を問わず要介護認定を受けた時に、原則1割負担で介護サービスを利用することができます。
 

2つの税金

所得税(国税)は、所得に応じて課税されます。所得が大きいほど税率も高くなる累進課税(5~45%)です。所得と収入は違います。この区別は重要です。
 
所得は収入(額面金額)から必要経費を差し引いた金額をいいます。給与所得の場合、給与の金額から必要経費に当たる給与所得控除額を差し引いて求めます。さらに、社会保険料控除や生命保険料控除などの各種「所得控除」を差し引いた「課税所得」に税率をかけて所得税を求めます。
 
会社では、毎月、所得税の概算額を源泉徴収します。これは概算額ですので、年末に納付すべき正確な税額を求め、過不足を調整します(年末調整)。医療費控除など一部の所得控除は年末調整できないので確定申告することで税金を軽減できます。
 
住民税(地方税)は、前年の所得に対して課税されます。したがって、徴収は入社2年目からとなります。住民税は所得に関係なく一律10%です。
 
執筆者:新美昌也(にいみ まさや)
ファイナンシャル・プランナー
 
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