お金のない若者からもローンを組ませてだまし取る。詐欺の手口とは
ファイナンシャルフィールド / 2019年4月3日 10時0分
少し前までは、詐欺に狙われるのはお金がある人でした。したがって、お金持ちでなければ、詐欺に合うこともないだろうと思いがちです。 しかし今の詐欺は、ローンを組ませることで、お金がない人からも容易にお金を巻き上げています。ローン業者とグルの場合もあるので、注意しなければなりません。
人の「欲求」を巧みに利用する
人はニーズ(Needs)とウォンツ(Wants)とを天秤にかけて、何にお金を使うかの意思決定をしています。
ニーズとは、必要なもの、例えば「食べる」「寝る」など生きるために必要なものの欲求です。マズローの欲求5段階説によると、「生理的欲求」「安全の欲求」の部分にあたります。
それに対し、ウォンツとは、欲しいもの、例えばゲームや高級ブランド品などです。その欲求を満たすことで、生活をさらに快適にしてくれるかもしれませんが、生きていくためにはなくても困らないもの、に分類されます。
勧誘してくるのは、大抵ウォンツの方なのですが、それをあたかもニーズであるように装って、言葉巧みに買わせるのです。
若者の気持ちをくすぐる魔法の言葉
「お得感」や「格安でいいものが手に入る」も、若者に限らず、つい乗せられてしまう言葉ですよね。「無料サービス」「ちょっと見るだけ」も危ないですが、さらに怖いのは、「あなただけに特別に教えます」です。
ちょっとキレイなお姉さん、大人っぽいお兄さんに誘われると、断れないどころか、自分からはまってしまう若者がいます。
小さな頃から「知らない人についていってはいけません」と教えられてきたけれど、恋愛感情を感じていると「知らない人じゃないし」「彼氏(彼女)がいうのだから」と、相手を簡単に信じてしまいます。
友情を感じて断れない若者も多いのですが、その友人とはどこで知り合ったのか、よく思い出してみてください。ネット上で知り合った場合は、要注意です。初めからSNSなどであなたの周辺情報を入手して、ターゲットとして狙ったのかもしれません。
本当の友人は、相手が嫌がること、無理強いはしませんし、「気がのらない」と断ったくらいで、本当の友情は壊れないはずです。本当に信頼できる相手なのか、一呼吸おいて考えると、少し見えてくるかと思います。
「欲しい」「買いたい」気持ちが、借金をさせる
本来お金を借りられるのは、お金を返す能力がある人だけです。お金が返せるということは、当然収入があることが前提になります。したがって、通常学生はお金を借りることはできません。
しかし、クレジットカードのキャッシングや学生専用ローンなどは、借りられる可能性があります。ただし「年収の3分の1を超えた貸付はしてはいけない」という総量規制がありますので、通常は借りられても少額になります。
にもかかわらず、ローンが組めるというのは、おかしな話なわけです。十分注意して、見極めるようにしましょう。
執筆者:黒澤佳子(くろさわよしこ)
CFP(R)認定者、中小企業診断士
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