注目が集まる確定拠出年金の仕組みと私的年金の在り方
ファイナンシャルフィールド / 2019年4月19日 9時0分
![注目が集まる確定拠出年金の仕組みと私的年金の在り方](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_42212_0-small.jpg)
人生100年時代と言われるなかで、確定拠出年金への注目が集まっています。 そこで今回は、確定拠出年金のしくみと、私的年金の在り方についてお伝えします。
確定拠出年金とは
確定拠出年金とは、掛金を運用しながら積み立てを行い、原則60歳以降に運用した金額を受け取ることができる制度です。
また、いくら積み立てるか、どんな金融商品で運用するか、どのように受け取るかなど、すべてを自分で決めることができるのが確定拠出年金の強みです。金融商品については、定期預金や投資信託、保険商品などさまざまなものが用意されているので、自分の価値観に合った商品を選ぶとよいでしょう。
掛金については、2018年1月より年単位で積み立てを行うことができるようになったので、ボーナスを利用して一度に掛金を積み立てることもできます。
・運用金額は毎月5000円から1000円単位で決めることができる
・確定拠出年金によって定められた商品のなかから好きな商品を選ぶことができる
・60歳以降に、一時金と年金方式のうちどちらかを選択して受け取ることができる
2つの確定拠出年金
確定拠出年金には『個人型確定拠出年金(iDeCo)』と『企業型(DC)』が用意されています。
個人型については2018年1月より対象の範囲が広がり、原則、誰でも入れるようになりましたが、企業型については確定拠出年金が導入されている企業でないと加入ができないので注意が必要です。
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確定拠出年金は私的年金として運用するものです。
そのため、ご自身が加入している国民年金部分と厚生年金部分の金額を知ったうえで、ご自身が必要だと感じている老後資金に対して自助努力で準備したい金額を、さまざまな上乗せ部分を用いて運用するといいでしょう。
もし運用に対して不安があるのなら、会社に制度があれば確定給付年金を利用するのもよいかと思います。
上限金額について
確定拠出年金は個人型と企業型のどちらも、毎月積み立てることができる上限金額が決まっています。ご自身の職業(被保険者部分)に応じて上限金額が異なりますので、確認をお願いします。
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確定拠出年金のメリットとデメリットとは
ここからは確定拠出年金のメリットとデメリットをお伝えします。
確定拠出年金の最も優れた点は、将来の老後資金を準備しながら節税に繋がることです。
年間で27万6000円を積み立てている人なら、積み立てた金額27万6000円がそのまま所得から控除されます。そのため、老後資金を準備するために一般の投資信託で商品を運用するよりも、節税効果が期待できる確定拠出年金のほうが優れていると言えます。
また、会社に勤めている人が確定拠出年金を利用した場合には、給与から積立金額が天引きされるので、貯金が苦手な人でも続けやすいですよね。
●確定拠出年金のメリット
・老後資金の準備に最適
・積み立てた金額の全額が控除される
・分配金などの運用利益が全額非課税
・会社員なら給与から天引きで積み立てをすることができる
確定拠出年金の最大のデメリットは、原則60歳以降まで引き出せないことにあります。
貯金が苦手な人にとってはメリットという見方もできますが、老後資金だけでなくさまざまな資金を準備する際に、投資信託などで資金を運用したいと考えている人は、窮屈な印象を持つかもしれません。
また、10年以上加入していない場合などは60歳になっても老齢給付金を受け取ることができないので、加入する年齢にも注意が必要です。
●確定拠出年金のデメリット
・原則60歳まで引き出すことができない
・加入時期によっては60歳になっても受給できない場合がある
・運用する商品によっては元本を下回る可能性がある
・各種手数料が必要になる
メリットとデメリットを理解していれば、確定拠出年金はすごく魅力的
2019年4月1日になって、約4年ぶりに国民年金の基礎部分の金額が上がりました。従来の約77万9300円から約78万100円となりました。
とはいえ、果たして国民年金の基礎部分だけで生活をしていける人がどれだけいるだろうかと不安を覚えることもあります。厚生年金の保険料を納めていない人たちは、自助努力が必要不可欠だと感じています。
いわゆる公的年金の上乗せ部分と呼ばれる私的年金については、さまざまなものが用意されていますが、老後資金を準備することが目的ならば、確定拠出年金が一番魅力的な制度だと思います。
今回は確定拠出年金についてお伝えしましたが、他にもさまざまな運用商品は用意されているので、自分の価値観や目的に合ったものを選ぶのが一番だと思います。生きていくうえで必要となるお金との付き合い方を、この機会に考えてみてはいかがでしょうか。
執筆者:中西雅也(なかにし まさや)
酒井FP綜合事務所/お金工房わなび所属
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