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年金保険料を納めたら、必ず老後に年金をもらえるとは限らない!?

ファイナンシャルフィールド / 2019年4月18日 23時15分

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2019年度4月1日より、国民年金のひと月あたりの受給額(満額)が前年度と比べ67円上がり、6万5008円となりました。一方、納付者の月額保険料も70円上乗せされ、1万6410円と変わりました。   少子高齢化の流れを受け、注目を浴び続ける公的年金制度。年金という言葉自体には馴染みがありますが、制度や仕組みは複雑で、正確に理解している人は少ないのではないでしょうか。   今回は、公的年金制度の土台とも言うべき国民年金の仕組みについて、一緒に見ていきましょう。  

年金保険料を納めたら、必ず老後に年金をもらえるの?

20歳になった全ての人が強制加入となり、60歳になるまで納め続ける国民年金。
 
「毎月の保険料を納め続けることで、自分が年老いた時に保険金を毎月受け取れる保険だ」という認識の方もいらっしゃるでしょう。
 
そういう側面も確かにありますが、大きな誤解が2つあります。
 
1つ目は、あなたの国民年金保険料は、将来のあなたのために保管され続けるわけではない、ということ。
 
助け合いの賦課方式とも言われ、20歳から60歳の加入者が納めた年金は、今、高齢である人や障害を抱えている人、また世帯主を亡くした遺族たちのうち受給条件を満たしている人に渡され、彼らの生活を支えています。
 
つまり、あなたが年金を受け取る頃、その時代の加入者が納める保険料が減っていたら、受け取る額も少なくなる、という仕組みです。
 
2つ目は、保険料を納めた全員が受給できるわけではない、ということ。
 
高齢になると受け取れる老齢基礎年金は、加入期間が10年以上無いと受給権は得られません。ちなみに受給額は総納付額により左右され、20歳から60歳になるまで毎月納め続けた人が満額支給となり、保険料を払っていない期間があればその分受給額も減ります。
 

会社員や専業主婦(夫)は国民年金を払っていないの?

あらゆる人が加入するはずの国民年金ですが、会社員や公務員になると、払っていないので国民年金はもらえない、と誤解している方がいらっしゃいます。
 
要件に該当する会社で働く会社員や、公務員の方は、給与や賞与の明細を見ても「厚生年金」としか書かれておらず、「国民年金」という文字が出てこないためです。
 
実は国民年金保険料は、この厚生年金の保険料に含まれているのです。国民年金に加入している人は、自営業や学生、失業中の方などで、厚生年金に加入している人は、会社員や公務員、そして正社員の方並みに働くパート社員も含まれます。
 
また、世帯主に扶養されている配偶者、いわゆる専業主婦(夫)も国民年金を払わなくてもいい、と言われたりしますが、あらゆるケースが該当するわけではありません。
 
厚生年金加入者の扶養になっている配偶者は納付の必要がありませんが、国民年金加入者の扶養であれば、配偶者自身も納付義務があります。
 

受給額を増やすこともできる!?

国民年金は、老後に受け取る場合は「老齢基礎年金」と言われます。受給開始は原則65歳ですが、前後5年間は早くもらうことも遅くもらうこともできます。
 
ただし、早くもらう場合は年間の受給額は65歳の時と比べ減額され、逆に遅くもらう場合は増額されます。65歳と比べ、60歳から受給開始にした場合は30%減額となり、70歳受給開始にした場合は42%増額となります。
 
人生100年時代と言われる昨今、ご家族のライフプランを考えたうえで、年金の受給開始年齢を何歳にするかを決めることができる点は、大きなメリットと言えるでしょう。
 

遺族なのにもらえないことがある!?

世帯主に先立たれた場合、世帯主が受け取るはずだった年金を遺族に支給してくれる点も公的年金の素晴らしい点です。
 
この場合、「遺族基礎年金」という名称になりますが、この「遺族」が何を指すかは一般的な感覚とズレがあります。
 
受給対象は「子のいる配偶者」か「子」となります。ここでの「子」とは高校生以下の子(もしくは障害のある20歳未満の子)を指します。子供が成長するために必要な保障、という考えが根底にあり、配偶者のみが遺族となる場合や、既に成人した子供は該当してこないとご理解ください。
 

基礎的な知識を押さえ、受給額の試算を。

いくらもらえるかが、状況や納付期間、家族構成によっても変わってくる年金。
 
長生きリスクへの備えとして、日本の公的年金制度は素晴らしいものです。しかし、将来の不安を解消するためには、まず国民年金(老齢基礎年金)や厚生年金(老齢厚生年金)の受給額を把握し、万が一、障害を抱えた場合はいくらもらえるのか、世帯主が亡くなった場合は遺族がいくらもらえるのかなど、専門家に相談し、一度試算してみることをお勧めします。
 
執筆者:国枝ゆたか(くにえだ ゆたか)
保険や投資信託等の金融商品を売らないファイナンシャルプランナー
 
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