共働き家庭のお財布はひとつにすべき?それぞれのメリット・デメリット
ファイナンシャルフィールド / 2019年4月25日 23時0分
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近年の社会の風潮や女性の働き方も変わり、夫婦共働きが一般的になってきました。そうなると、一家の大黒柱や家長という概念も希薄になり、家計のお財布も一つではなく、二つ存在している家庭が多くなります。 そのような場合はどう管理したらよいのでしょうか?
住宅ローンはどうする?
住宅ローンは、税金が安くなる「住宅ローン控除」を考えれば、所得税率の高い人、つまり税負担の大きい人が住宅ローンを組む方が、より多くの税金を支払わないで済むというのが一般的な考え方でした。
しかし、現在では所得額に男女差が少なくなり、住宅購入に支払う金額も半分半分という夫婦は多くなりました。
しかも住宅ローン控除で安くなる税金は、1年で40万円(住宅ローン残高4千万円)が最高額(長期優良認定住宅でない場合)になります。二人とも所得が高く、借入額も多いのであれば、それぞれが40万円の控除を受けた方がよい場合もあります。
1つ注意したいのは、住宅ローンに付加する団体信用生命保険です。ローンを組んでいる人が万一亡くなった場合に、借金がなくなる保険ですが、二人で共有しているローンの場合、一人が亡くなっても、当然もう一人分のローンの返済はしなければなりません。
お財布を一つにするメリット・デメリット
家計を一つにして管理する最大のメリットは、経済的な透明性が高く合理的に貯蓄することができるため、望む人生設計に最短ルートで近づくことができる可能性があることです。
ただし、お財布を一つにするデメリットは、お互いの所得が明らかになるため、自由にお金を遣いづらくなる、相手に管理されているような気になる、などもあります。
また、女性の所得の方が多い場合、多少であればよいですが、かなりの所得差があると夫婦関係までこじれることもありますので、その場合はそれぞれが決められた金額を持ち出して共同財布を作るようにするとよいかもしれません。
共同財布のメリット・デメリット
共同財布は、子供の教育費を含む家計に必要な費用をすべて二人で均等に負担する、あるいはいくらかの傾斜をつけて負担する場合に良い手法です。
メリットは、お互いに共同財布に出した以外の金額、いわゆる「ヘソクリ部分」は明らかにせずに済み、一つの財布を持つよりはそれぞれにとって自由度が高いでしょう。
子供の教育にかけるお金について夫婦間で意見が食い違うこともありますので、一方のヘソクリ部分から費用を持ち出すということで、解決されることもあるでしょう。
また、途中で離婚を考えることになった場合、別会計を持っていれば、離婚後の経済的な自立や清算の手間は、何もない場合に比べたら容易にできる可能性もあります。
一方、最大のデメリットは、家計全体の収支が見えないことです。一人が一生懸命貯蓄に励んでも、一人が浪費していれば、家計全体の収支は赤字になっているかもしれません。
もし、それぞれヘソクリ部分を残らず家計の貯蓄にしていれば、無駄遣いが減る、あるいは子供の教育費・住宅費などの共通の目的に、もっと多くのお金を遣うことができる可能性があることです。
共同財布へ互いにいくら出すか、金額の匙加減が難しいこともあるでしょう。
お互いに小遣い制にするメリット・デメリット
共同財布を作り、さらに自分の自由になるお金が持てるほどの経済的余裕がない場合は、いったんすべてを合算して、互いに同額ずつあるいは給料の金額の割合に応じて、お小遣いをもらう方法もあります。
家計は一つの財布になりますので、一つの財布のメリットがそのまま当てはまることになります。
デメリットは、お小遣いの金額にもよりますが、家計全体としての効率的な貯蓄ができない可能性があることでしょう。お小遣いの適正金額を決める際の基準が漠然としていると、互いに納得感が得られにくい場合もあります。
どれが自分に最適か?
長年やってきた夫婦が、例えば、出産や親との同居・介護など、生活パターンが変わったからと急にこれまでの方式を一気に変えようとすると、それまでなかった精神的な負担が増える場合に、生活そのものがうまく回らなくなる可能性もあります。
それぞれの家庭には、それぞれの考え方や事情があるため、どれが最適かは家庭によりますが、一つ確かなことは、初めが肝心だということです。
結婚当初、あるいは共同生活を始める段階でどのパターンがよいのか、お互いに納得する方法を決め、それに不満を感じるようであれば、できるだけ早い段階で修正するようにするとよいでしょう。時間が経てばたつほど、変更は難しくなることが多いようです。
執筆者:岩永真理(いわなが まり)
一級ファイナンシャル・プランニング技能士
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