ママの悩みは教育費。消費税アップでどうなる?
ファイナンシャルフィールド / 2019年5月9日 10時15分
![ママの悩みは教育費。消費税アップでどうなる?](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_43038_0-small.jpg)
これまで見送られてきた消費税が、いよいよ秋に10%に増税されます。人手不足の影響もあって、すでにじわじわとモノの値段も上がっています。節約志向の中で、これまでメスを入れにくいとされてきた教育費をママ達はどのように考えているのでしょうか。
消費税増税、増収の使い道
“また先送りされるのでは“と囁かれていた消費税の増税ですが、いよいよ実施に向かって進んでいます。景気が悪くなるのでは、と心配する人も多いのも事実です。
今回、消費税を8%から10%に増税することにより、約5.6兆円の増収になると見込まれています。その使い道は、大きく3つ。(1)国債の発行(国の借金)を減らすこと (2)年金生活者への支援 (3)子育て世代への支援 です。
「子育て世代への支援」の例として、10月から始まる幼児教育・保育の無償化があります。3~5歳児は原則として全世帯が対象で、幼稚園、認定こども園、地域型保育などの保育料が全額無料になります。0~2歳児は住民税が非課税の世帯が対象です。認可外の施設に関しては、対象者は上記と同じです。
3~5歳児は認可保育所における保育料の全国平均額である月額3.7万円まで、0~2歳児は4.2万円までの利用料が無償化されます。「無償化」というと負担ゼロのように思ってしまいますが、通園送迎費や行事費など保護者から徴収される費目もありますので注意ください。
この他にも、2020年4月から高等教育の無償化が実施されます。対象となるのは住民税非課税世帯及びそれに準ずる世帯で、大学・短期大学・高等専門学校・専門学校の学生です。
2020年度の在学生(すでに入学している学生も含む)が対象です。支援内容や詳細については、文部科学省のホームページを参照ください。
http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/hutankeigen/detail/1412286.htm
「貯め時」を意識して“おけいこ事”を選ぶ
「人生におけるお金の貯め時は3回」と言われてきました。3回とは、(1)独身時代 (2)子どもが小学生の時期 (3)子どもが独立して自分達が定年までの時期です。
(2)で小学生としているのは、未就学児の保育料が高いという前提があったからです。今回の無償化は、ママ達にとって朗報です。「貯め時」を繰り上げることが出来ます。
毎月3万円ずつ積み立てることが出来れば、3万円×12か月×3年=108万円。100万円以上が貯まります。将来かかる教育資金にゆとりを持つことも可能です。無駄遣いしないように別管理するなど工夫すれば、10年後に慌てる心配は無くなります。
「子どものおけいこ事に関する調査」を、2013年からアクサダイレクト生命が行っていますので、参考に見てみましょう。対象者は0~9歳児の子どもを持つ母親です。
習わせているおけいこ事の数の平均は、2013年が1.68であったのに対し2019年は1.56と減っています。今年の調査では61.7%が「おけいこ事の数は1つ」と回答しています(2013年は54.7%)。以前に比べ、おけいこ事を絞り込む傾向がみられます。
おけいこ費用の世帯年収に占める割合は、2013年は3.0%でしたが、年々減少し、2019年は2.6%になっています。10月からの消費税増税と保育料無償化に伴うおけいこ費用の調整の有無も調査しています。
幼稚園・保育園家庭:おけいこ費用を増やす19・8% 減らす5.0% 調整なし75.2%
小学生家庭:おけいこ費用を増やす8.3% 減らす10.3% 調整なし81.4%
やはり保育料が無償化になったので、そのお金をおけいこ費用に充てる家庭が多いことがこれで分かります。費用が膨れ上がらないように、くれぐれも注意して欲しいと思いました。
一方で「減らす」と答えた小学生家庭は、増税による家計負担の増加を意識していると考えられます。費用の削減方法としては、おけいこの数を減らす、通う回数を減らす、価格の安い教室に乗り換えるといった選択肢があります。
費用の捻出方法として、「パートに出る」と答えた人も増えています。これは人手不足により働く場所が増えたことや、フレキシブルな働き方がしやすくなったことが要因だと考えられます。
少子化対策や子育て支援に関連して、諸々の政策が進行中です。とは言え、教育資金は住宅資金・老後資金と並ぶ人生の三大資金で、かなりの金額が必要です。おけいこ事も“集中と選択”を的確に考えることが重要なポイントではないでしょうか。
執筆者:宮﨑真紀子(みやざき まきこ)
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士
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