40歳の会社員。老後の準備のために今から始めるなら、個人年金保険かiDeCo、どっち?
ファイナンシャルフィールド / 2019年5月15日 23時0分
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老後のお金のことがいよいよ気になりだす40歳代にとって、かつては個人年金保険が代表的な準備方法でした。今では個人型確定拠出年金(iDeCo)が加わり、その選択肢が増えました。 似て非なるこの二つの『老後資金準備方法』について、比較整理してみたいと思います。比較のポイントは二つ、<積立期間中の節税> と <60歳からの受給額> です。 今回の設定は、40歳の会社員の方が月々1万円を60歳まで掛けるとします。
積立期間中はどっちが節税効果あるの?
個人年金保険とiDeCo、いずれもその掛金額に対して一定額の所得控除の適用があります。簡単に言うと、所得税と住民税の節税効果があります。
つまり、勤務先での毎年の年末調整の際、それぞれ控除証明書を勤務先に提出すれば、税金の還付が受けられ、結果として手取り額が増えるということです。
個人年金保険とiDeCo、それぞれ同じ月1万円を掛けた場合、その所得控除額、言い換えればその節税効果は一緒なのでしょうか?実は大きく違います。
掛金の全額が所得控除になるiDeCo。一方個人年金保険は?
毎月1万円を掛けた場合、iDeCoはその全額である年間12万円が除得控除となります。一方、月々同じ掛金額でも、個人年金保険の場合はその所得控除額は何と、年間たったの4万円です。この所得控除額が税金にどれだけ影響してくるのかを具体的に見てみましょう。
例えばこの会社員の方、月1万円の個人年金保険やiDeCoを始める前の課税所得が400万円だった場合、支払うべき所得税は37.25万円です。今回新たに月1万円の個人年金を始めた場合は、所得税は36.45万円。iDeCoを始めた場合は、34.85万円の所得税となります。その差、1万6千円。
つまり、個人年金保険にくらべ、iDeCoの場合は1万6千円の手取り額アップです。この違い、大きいですよね!?
仮に、月々2万円の掛金にした場合はどうなるでしょう?iDeCoの場合の所得控除額は年間掛金の全額である24万円に対し、個人年金保険の場合の所得控除額は年間たったの4万円です。
実は、個人年金保険の場合の所得控除額はこの4万円が上限で、どれだけ高い保険料を払っていても控除できる額は変わらず4万円なのです。
所得税額にしてみると、その差は実に4万円にもなります。老後の準備として毎月2万円を積み立てるにしても、積立場所を個人年金保険にするか、iDeCoにするかで年間の手取り額が毎年4万円も違ってくるのです。
60歳から受け取れる額はどっちが多いの?
某保険会社の個人年金保険でシミュレーションした場合、40歳男性が60歳まで月1万円を払い込んだ際の受取額は60歳から10年間、毎年約25万円です。
一方、iDeCoはどうでしょう?iDeCoの場合は、自分で運用・積立商品を選んで管理していきますので、選んだ商品によって60歳からの受給額にも違いが出てきます。
ここでは、投資信託商品を選び40歳から60歳までの積立期間中と、60歳から70歳までの受け取り期間中の2つの期間共に平均利回りが3%と仮定します。
その場合、60歳から10年間の毎年の受給額は約38万円です。平均利回りが1%の場合で、年間受給額は約28万円です。(いずれも、各種手数料は考慮せず)。つまり、個人年金保険の場合、平均利回りという視点で見てみると、1%以下ということになりますね。
毎年の節税額を比較しただけでも、選ぶべきはiDeCo
なじみの深さや手軽さで言うと、今までは断然、老後資金の準備=個人年金保険でした。30歳代以下に比べ、特に40歳代の方にとってはそういう感覚の方が多いことと思います。
しかし、当記事の前半で述べた<積立期間中の節税>の額の違いを見ただけでも、その効果の違いを実感していただけたのではないでしょうか。なじみがあって安心だし手軽だという理由で個人年金保険を契約する前に、是非、iDeCoという選択肢を検討してほしいと思います。
執筆者:平田純子(ひらた じゅんこ)
CFP(R)認定者
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