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高校3年生・保護者のための奨学金早わかりガイダンス(前編)

ファイナンシャルフィールド / 2019年5月18日 9時50分

高校3年生・保護者のための奨学金早わかりガイダンス(前編)

高校3年生(卒業年次)の5月~7月頃、高校を通じて、日本学生支援機構の奨学金の申込(予約)ができます。日本学生支援機構作成の奨学金案内などは、分量も多く、難しい言葉も多いので高校生にとっては理解が難しい内容になっています。奨学金の内容を十分理解せず、申し込んでいる生徒も少なくないと思います。   そこで、ここでは、日本学生支援機構の貸与奨学金について、ざっくりと最低限知っておいて欲しいポイントを2回に分けてお伝えします。後編と合わせてご覧ください。  

貸与奨学金の種類

無利子の第一種奨学金、有利子の第二種奨学金、有利子の入学時特別増額貸与奨学金があります。このうち、入学時特別増額貸与奨学金は低所得世帯が利用でき、他の奨学金と違い一時金です。また、単独では申し込めません。
 
第一種奨学金と第二種奨学金は入学後に毎月一定額が学生の銀行口座に振り込まれます。初回の振込は4~6月のいずれかになっています。9月(10月)の後期分の学費の支払に備えて貯めておきましょう。
 
奨学金を借りるには大きく2つの申込基準(学力基準・家計基準)を満たす必要があります。最も緩やかなのが第二種奨学金、続いて第一種奨学金、いちばん厳しいのが第一種奨学金と第二種奨学金の併用となっています。
 
例えば、第一種奨学金の学力基準は、高3の春に予約する場合、高1・2の成績の評定平均値が5段階評価で3.5以上あることが必要です(住民税非課税世帯を除く)。なお、以前は、第一種奨学金には採用枠があったため申込基準を満たしても採用されないケースがありましたが、現在は。原則、全員採用されるようになりました。
 

利率の算定方式

借りたお金に対する利子・利息の割合が利率です。利率の算定方式には、貸与終了時に決定した利率が返還完了まで適用される「利率固定方式」と返還期間中、おおむね5年ごとに見直された利率が適用される「利率見直し方式」があります。
 
意外に思われるかもしれませんが、有利子の奨学金の利率は申込時にはわかりません。貸与終了時(卒業時など)に決まるからです。そこで、利率が3%を超えても、それ以上の利率は課さないように利率3%が上限になっています。
 
では、実際の利率はどのくらいでしょうか。
 
平成31年3月の貸与利率をみると、利率固定方式は0.14%、利率見直し方式は0.01%となっています。なお、入学時特別増額貸与奨学金の貸与利率は、これらに0.2%を上乗せした利率になります。
 

貸与月額

第一種奨学金の貸与月額は、学校の種類、国公私の別、通学形態(自宅・自宅外)により決まります。例えば、私大自宅生の場合、貸与月額は5.4万円(最高月額)、4万円、3万円、2万円です。ただし、最高月額を借りることができるのは、一番厳しい申込基準(併用)を満たした場合です。
 
第二種奨学金の貸与月額は、2万円~12万円の間で1万円単位で選択できます。
 
入学時特別増額貸与奨学金(一時金)は、10万円~50万円の間で10万円単位で選択できます。
 
いずれの奨学金も入学前に振り込まれませんので、入学手続き時納付金には利用できません。なお、入学時特別増額貸与奨学金の採用候補者は、労働金庫(ろうきん)の入学時必要資金融資を受けることが可能です。
 

返還には保証が必要

保証制度には、条件に合う連帯保証人(父母)、保証人(おじ・おば等)を依頼し、その人による保証を受ける「人的保証」と、保証機関(公益財団法人日本国際教育支援協会)の連帯保証を受ける「機関保証」があります。この場合、保証料の支払いが必要となります(毎月の奨学金の振込から天引きされます)が、連帯保証人も保証人も不要です。
 
連帯保証人や保証人に奨学金返還を肩代わりする経済的余裕がなければ「機関保証」をお勧めします。
 
後編につづく。
 
執筆者:新美昌也(にいみ まさや)
ファイナンシャル・プランナー。
 
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