農地は自由に転用できない?自己所有の農地を駐車場にするのはどうすればいいの?

ファイナンシャルフィールド / 2019年5月25日 10時30分

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自己所有の土地は自由に処分できることが原則ですが、法令により一定の範囲において制限を受けることがあります。   そのような制限の一つとして農地法による制限があります。   農地を農地以外の土地へ転用する場合、農地法においてはどのような規制がなされているのでしょうか。  

農地を駐車場に変えたいAさん

Aさんは農地を所有しているものの、その農地は放置され荒れ放題になっていました。
 
Aさんはこのまま放置しておくくらいなら、いっそ駐車場に転用して有効に活用しようと考えました。
 
Aさんはこのまま農地を駐車場に転用してしまっても大丈夫でしょうか。
 

農地の転用には許可が必要です

結論として、Aさんは農地を駐車場に変えてしまう前に、都道府県知事などから許可を得なければなりません。
 
なぜなら農地法4条において、農地を農地以外に転用する場合は都道府県知事(一定の場合には市町村長)の許可を得なければならないとされているからです。
 
農地の転用とは、簡単にいうと農地を農地以外の土地にすることをいいます。
 
たとえば、今回の事例のように農地を駐車場にすることや、農地の上に住宅を建築するために宅地とすることなどが該当します。
 
今回、Aさんが行おうとしている農地を駐車場に変える行為はまさに転用にあたります。
 
その土地が事実上農地としての役割を果たしていなくとも、手入れすることで再び農地として利用できる可能性があれば、それは農地として扱われます。
 
以上のような理由から、Aさんが自己所有の農地を駐車場に変えるには、都道府県知事などの許可を得なければならないという結論が導かれるのです。
 
では、仮に期間を定めて(たとえば、Aさんが農地を半年だけ駐車場に変えて、その後農地に戻す場合)一時的に転用するという場合はどうでしょうか。
 
そのような場合も基本的には農地の転用にあたるため許可が必要となります。
 
期間を定めて行う転用であっても、農地が農地以外の土地に変わってしまうことに違いはないからです。
 
また、農地法によって転用が規制されるのはあくまで農地です。
 
採草放牧地(農地以外の土地で、主として耕作または養畜の事業のための採草または家畜の放牧の目的に供される土地)は農地ではないため、採草放牧地を転用する場合は農地法4条による規制の対象外となります。
 

許可を得ないとどうなる?

許可を得ないまま農地を転用してしまうと、工事の差し止めなど一定の処分の下される可能性があります。(農地法51条)
 
それだけでなく、3年以下の懲役または300万円以下の罰金に処される可能性もあります。(農地法64条)
 
また、仮に許可を得ていたとしても、その許可が不正な方法や偽りによって得たものである場合、許可を得ていない場合と同様の処分が下される可能性もあります。
 

農地についての取り扱いは慎重に

農地や採草牧草地については、農地法により一定の保護がなされています。
 
当該法令などに違反してしまうと懲役や罰金といった重い罰則が科されることもありえます。
 
農地についての何らかの処分を考えているのであれば、農業委員会や専門の行政書士などへ相談するようにしてください。
 
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
 
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