あなたがまだ知らない「ETF」の魅力とは
ファイナンシャルフィールド / 2019年5月28日 10時30分
「日銀がETFをたくさん買っていると聞いたけど、ETFってどんなもので、誰でも買えるのかな? 」といった質問を聞くことあります。 実は、個人投資家にとっても、ETFは長期投資と分散投資にかなった魅力ある金融商品で、証券会社に口座を開設すれば誰でも購入することができます。
ETFとは
ETFとはExchange Traded Fundの略称で、日本語では上場投資信託と言います。株と同じように証券取引所に上場していて、取引時間中(9時~11時半、12時半~15時)なら自由に売買できる投資信託です。
一般の(上場していない)公募投資信託は、その日の終値をもとに基準価格が決まるので、買付・解約の申し込みはまだ価格が決定される前に行う必要があります。それに対してETFは、株と同じように証券取引所の価格を見ながらリアルタイムで売買できます。
また「指値注文」と言って、自分の好きな価格を指定して注文を出すことができます。さらに、信用取引を行って値下がり局面でも利益を出すことが可能です。
ETFは長期投資に向いている
公募投資信託を購入して資産運用するには、費用がかかります。購入時には購入手数料(0~3%前後)*、売却時には信託財産留保額(0~0.3%前後)*、保有しているときには運用・管理費用として信託報酬(0.1%前後~3%前後)*がかかります。
ETFはこれらの手数料が公募投資信託と比べて低く、特に信託報酬は、特殊なものを除き一般的に0.1%前後~0.3%前後と低く、長期投資に向いていると言えます。*注:( )内は一般的な値を提示。
ETFの購入は分散投資と同じ効果
ETFのほとんどは、特定の指数に連動するように運用されているインデックスファンドとなっています。
例えば、日経平均株価に連動する「日経225連動型上場投資信託」を購入すれば、日経平均株価を構成する銘柄全体に投資していることと同じであり、TOPIXに連動する「上場インデックスファンドTOPIX」などを購入すれば、東証一部に上場している銘柄全体に広く分散投資しているのと同じ効果があります。
ETFは少額から購入できる
多数の銘柄の株を直接購入するには多大な投資資金が必要です。その点ではETFは少額からの投資資金で済みます。株価指数に連動するETFは、最小購入単位として1万6000円台から2万2000円前後のものが多く、その他東証REIT指数連動型のETFでは2000円前後から購入できるものもあります。
いろいろな指数に連動したETF
ETFには、同じ株価連動型でも小型株や中型株などの規模別の銘柄を対象としたETFや、銀行株や電子機器株などの業種別の銘柄を対象にしたETFなど各種あります。
株価連動型ETF以外にもREIT(不動産投資信託)やコモディティ(貴金属や原油などの商品)の価格指数に連動したETFもあります。
また、日本の資産だけでなく、例えば海外の株式やREITに投資したい場合でも、それらの指数に連動したETFを購入すれば少額からでも容易に投資することができます。
ETFには配当がある
ETFは、現物資産を保有しているため、配当金がもらえます。ただし、貴金属や原油などの商品連動型ETFでは、もともと対象商品が配当や利息収入を生まないので配当金はありません。
株価指数やREIT指数などに連動しているETFは、税法上で配当や収益金から支払利子や信託報酬などの費用を除いた残りの金額すべてを投資家に分配しなければなりません。
株価指数連動型ETFでは、ほとんどが1.5%~3%の分配率があり、REIT指数連動型では分配率が3%~4%と比較的高いものが多くあります。
レバレッジ型やインバース型のETFには注意!
株価指数連動型ETFには、価格が日々の変動率の2倍に拡大されて上昇するレバレッジ型(ブル型とも言う)や下降するインバース型(ベア型とも言う)があります。
パフォーマンスが2倍になるため人気があるようですが、保有期間が長くなると複利効果のため、原指標の変動率との乖離が大きくなるので注意が必要です。
ETNって何?
ETFと似た金融商品としてETN(Exchange Traded Noteの略称)があります。日本語では上場投資証券または指標連動証券と言います。
ETFと同じように株価指数や商品価格指数に連動し、証券取引所に上場して売買する金融商品ですが、発行体(金融機関)がその信用力をもとに発行している債券で、実物の裏付け資産を持たないという特徴があります。
ETNは裏付け資産を持たないために、さまざまな指標を投資対象にすることができますが、発行体の倒産や財務状況の悪化によりETNの価格が下落したり無価値になったりするリスクがあります。
終わりに
ETFは株と投資信託の長所を併せ持ち、しかも個人投資家にとっての王道である長期投資と分散投資を少額から実現できる、魅力ある金融商品と言えると筆者は考えます。
執筆者:村川賢(むらかわ まさる)
一級ファイナンシャル・プラニング技能士、CFP、相続診断士、証券外務員(2種)
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