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お金をもらって大学に行く。「給付奨学金」はどんな人が受けられるの?

ファイナンシャルフィールド / 2019年5月29日 10時30分

お金をもらって大学に行く。「給付奨学金」はどんな人が受けられるの?

前回までは、独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)における「貸与奨学金」についてお伝えしてきましたが、今回からは「給付奨学金」について触れていきたいと思います。  

「給付奨学金」とは

貸与奨学金は返す必要のある奨学金でした。それに対し、「給付奨学金」は返さなくてもいい奨学金です。ここが一番のポイントですが、国からお金をもらって大学などの高等教育を受けられるわけですから、それなりに理由がなければなりません。
 
貸与奨学金では、日本学生支援機構が指定する「家計基準」と「学力基準」がありましたが、給付奨学金でも同じく「家計基準」と「学力基準」があります。
 
ただし、平成31年度採用基準によると、給付奨学金の場合、日本学生支援機構が指定しているのは「家計基準」のみとなります。
 
「学力基準」については、日本学生支援機構が用意した学力基準のガイドラインにもとづき、大学などの高等教育機関が学力基準を策定し、推薦するようになっています。
 
それでは、参考までに、まず学力基準のガイドラインについて見ていきましょう。
 

日本学生支援機構が用意する学力基準のガイドライン

〇人物について
学習活動その他生活の全般を通じて態度・行動が給付奨学生にふさわしく、進学の目的及び進学後の人生設計が明確であり、将来良識ある社会人として活動し、将来的に社会に貢献する人物となる見込みがあること。
 
〇学力及び資質について
下記のいずれかの要件を満たすこと。
 
(1)各学校の教育目標に照らして十分に満足できる高い学習成績を収めている者。
(2)教科以外の学校活動等で大変優れた成果を収め、各学校の教育目標に照らして概ね満足できる学習成績を収めている者。
(3)社会的養護を必要とする生徒等であって、特定の分野において特に優れた資質能力を有し、又は進学後の学修に意欲があり、進学後特に優れた学習成績を収める見込みがある者。

 
(※より引用)
 
貸与奨学金では明確な成績の基準、例えば5段階評価で3.5以上や平均以上といった数値基準がありましたが、給付奨学金は大学などの高等教育機関に委ねられています。この点が大きな違いですね。
 
家計基準については、(1)住民税非課税世帯の人、(2)生活保護受給世帯の人、(3)社会的養護を必要とする人となっていますが、(1)の住民税非課税世帯の人の場合、収入に上限額があります。
 
例えば、給与所得者のケースでは、収入の目安は以下のようになっています。 ※平成31年度採用基準による
 

 
このように、家計的には成績優秀者というのが前提にはなっていますが、特に住民税非課税世帯の年収目安に幅があるため、適用を受けられる人が広いと言えるかもしれません。
 
経済的には難しくても、優秀な人材には高等教育を受ける機会をしっかりと提供していくという国の方針がうかがえます。そう考えると、給付奨学金は「人的投資」という意味で国の経済政策でもあると言えるでしょう。
 
次回は、給付奨学金の支給額についてお伝えしていきます。
 
出典:
※独立行政法人日本学生支援機構「給付奨学生採用候補者の推薦に係る指針 (ガイドライン)(平成30年5月11日)」
 
執筆者:重定賢治(しげさだ けんじ)
ファイナンシャル・プランナー(CFP)
 
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