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デート商法の相談件数、10~20代が年々増加。詐欺に狙われる若者たち

ファイナンシャルフィールド / 2019年5月29日 10時45分

デート商法の相談件数、10~20代が年々増加。詐欺に狙われる若者たち

消費生活センターによると、「デート商法」に関わる相談件数のうち、約7割は10代~20代の若者からの相談で、この割合は年々増えているそうです。   2022年に成人年齢が18歳に引き下げられると、詐欺に狙われる若者がますます低年齢化し、増加するのではないかと懸念されています。  

恋愛?!友情?!好きな人に頼まれたら、あなたは断れる?

「あなただけに特別に教えてあげる」「困っているの。私を助けると思って・・・」「これ欲しい、買ってくれたら嬉しいなあ」こう囁かれて、きっぱり断ることができますか?
 
「目の前の人は、自分にとって、特別な人かもしれない」と思い始めているときに、自分を頼られるとつい期待に応えたくなります。
 
「嫌われたくない」という想いだけで、言うことをきいてしまう、その人の願いを叶えてあげようとする、しかしそこに純粋な恋愛感情はなく、「買わない」とわかれば手のひらを返すように、そっけなく離れていきます。中には、買うまでしつこく迫ってくる場合もあります。
 
「デート商法」は、「恋愛は自由」という人間の本質を悪用した悪質な詐欺です。
 

詐欺に合わないようするために、若者に消費者教育を!

甘い言葉に簡単にひっかからないようにするために、若者に対して消費者教育を行う必要性を強く感じます。
 
消費者庁は、2018年度~2020年度までの3年間を、消費者教育の集中強化期間としています。学生は大半を学校で過ごすことになるため、こうした消費者教育は、学校で行われるのが理想です。
 
しかし、学校の先生たちは、ただでさえ業務過多で社会問題になっています。健全な青少年育成のために、先生たちが疲弊しては意味がありませんし、まず教える側の先生たちも、消費者問題の正しい理解が必要になります。
 
では、外部講師が教えるか?悪くないとは思いますが、外部講師は学校教育現場や若者の生活環境をあまり知りません。生徒の立場や気持ちを理解した上でないと、こういった教育は難しいものです。
 
そもそも学校教育の中に、消費者教育を組み込む余裕がない、という実態もあります。時間割はすでに決まっており、特別授業の枠で教えるのだとすると、時間が足りません。こういった教育の実施、および、浸透し効果を発揮するにはとても時間がかかるからです。
 
家庭での教育ももちろん重要ですが、親の前提知識が必要なこと、年頃の子供とのコミュニケーションが難しい(特に恋愛に関して聞くとなると)、などの壁はやはり存在し、思ったようにはいかないことが現状のようです。
 

若者に合った、消費者教育のかたち

スマホ世代である今の若者への教育は、集合教育よりも個別に相談できる環境を作ってあげた方が効果的かもしれません。
 
消費生活センターの相談窓口は都道府県や市区町村にあり、また電話で「188」(消費者ホットライン)にかけると、相談ができるようになっています。しかし実際は相談できないでいる若者も、まだまだ多いと推察されます。
 
消費者庁では、LINEやSNSを使った相談窓口を検討しているようです。若者にとっては、一番使い慣れた環境で、自分の悩みを相談することができれば、早期解決、さらに未然に防ぐことにつながるでしょう。
 
また、国民生活センターが動画を制作し、公表しています。
http://www.kokusen.go.jp/douga/20190307_1_news/n-20190307_1_a.html
 
恋愛ゲーム仕立てで、わかりやすいと評判です。一編当たりの時間も30秒程度と短く、「キミならどうする!?」とケーススタディになっていて、若者には受け入れやすいのではないでしょうか。
 
大人が若者の行動を理解し、その上で対策を打つ、そんな社会が求められています。
 
執筆者:黒澤佳子(くろさわよしこ)
CFP(R)認定者、中小企業診断士
 
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