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老後資金を自分で作るなら?つみたてNISAと掛金延長予定の確定拠出年金、どちらが得か

ファイナンシャルフィールド / 2019年6月4日 23時15分

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昨年より審議が重ねられているという話は聞こえていましたが、ついに確定拠出年金の掛金の延長をはじめ、制度を見直すことになりそうです。平成31年4月15日に開催された有識者会合で、根本匠厚労相が発表。2020年の通常国会に関連法案の提出を目指すそうです。   確定拠出年金は「確定拠出年金法」という法律で詳細が定められています。ですから、改正の手続きには時間を要します。  

掛金の延長によるメリット

現行、確定拠出年金の掛金の積立は60歳で終了です。それが65歳に延長となる予定です。仮に月々5万円×12ヶ月、年間60万掛金を支払っている人がいたとすると、5年延長で300万円の掛金が上乗せできます。
 
また確定拠出年金は、加入者が投資信託で運用をした場合には、運用成果によりプラスアルファーの資産が老後資金として形成されます。
 
確定拠出年金相談ねっと認定ファイナンシャルプランナーとして、この制度の相談を多くいただく私としては、この「5年延長」は本当に良かったと思います。なぜなら、皆さん真剣に老後のお金に関して考え始めるのは、50歳を過ぎてからなのです。
 

なぜ50歳を過ぎると「老後の資産形成」を真剣に考えるの?

皆さんのお手元に「ねんきん定期便」というハガキが届くのをご存知ですか?日本年金機構から送られてきます。誕生日の2ケ月前に作成し、誕生月にお手元に届くように送られてきます(1日生まれの人は誕生月の3ケ前に作成し、誕生月の前月に届きます)。
 
この「ねんきん定期便」は、「50歳未満の人」と「50歳以上の人」と2種類あり、様式が変っています。
 
50歳未満の人は「これまでの加入実績を基に計算した老齢年金の額」が標示されています。ですから、老後に受け取る公的年金額は予測しづらいのです。もちろん、働き方次第では大きく変更の余地もあるので、この様な表示になっているかと思います。
 
50歳以上の人は、公的年金の支払い期間も残り少なくなり、公的年金を受け取る側により近くなるわけです。ですから「現在加入している年金制度に、60歳まで同じ条件で加入し続けたものと仮定」して計算をした「老齢年金見込額」が標示されています。かなり確実な数字をみるわけです。
 
そこで、慌てた人たちは「どうにかしないと」ということで、確定拠出年金加入のご相談にきますが、55歳位の方は「どうしよう・・」と悩まれている方も多くいます。
 
もう5年しか積立期間がないので、加入した方が良いか否か。しかし、誰よりも切実ですから、最近は「つみたてNISA」をその代わりにオススメしていました。
 

つみたてNISAと確定拠出年金はどちらが得なの?

「確定拠出年金」も「つみたてNISA」もどちらも税制優遇があり、国が推奨する制度です。しかし「老後の自分年金作り」で考えると、「確定拠出年金」がお得でしょう。それは、税制優遇の幅が「つみたてNISA」より大きいからです。
 
以下、平成29年度の金融庁説明資料から引用した図表です。御参考にしてください。
 

 
特に確定拠出年金は「掛金全額所得控除の対象」というところがポイントではないでしょうか。
 
例えば、年間60万円の掛金の方。所得税10%住民税10%の方だと、年間12万円の節税効果が、所得税20%住民税10%だと年間18万円の節税効果があります。その節税分をさらに資産形成の元金にまわせば、より豊かな老後資金が築けるのではないでしょうか。
 
もちろん受け取り時も、税制優遇のある「退職金制度」または「年金」として受け取れます。「老後の自分年金作り」でしたら、「つみたてNISA」より「確定拠出年金」の方がお得でしょう。
 

積立投資は分散と長期がポイント

今回の掛金延長の最も大きな効果は、5年間延長による「長期投資」のメリットを受ける人が拡大することでしょう。金融庁が発表したエビデンスは以下の通りです。
 
積立・分散投資をした場合の平均リターンは4%、5年以上の長期・分散・積立投資をした場合の結果は下図の通りです。保有期間が5年ですと、ばらつきがありますが、20年以上ですとキュッとまとまり、収益率は2~8%に収まっているのです。
 
これは、長い「時間的分散」の中で、値下がりをしたときほど、積立投資では数量を購入することになるから起こる現象です。この方法を「ドルコスト平均法」といい、大きく資産を増やすコツなのです。
 

 
今回の掛金延長で、65歳までに20年以上ある45歳以下の方は迷わず開始、50代の方も、ぜひ前向きに検討してみてください。年金はもらうものから「自分で作るもの」に代わってきています。人生100年時代、常に楽しく賢く生きてまいりましょう。
 
執筆者:寺門美和子(てらかど みわこ)
ファイナンシャルプランナー、相続診断士
 
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