介護が不安…介護経験者から実態を学んでおこう(4) 保険の利用状況は?

ファイナンシャルフィールド / 2019年6月5日 9時30分

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将来、親や配偶者の介護をすることになったらどうしよう?と不安に感じている人は多いかと思います。   公的な介護保険が頼りになりますが、私的にもある程度は準備をしておきたいところです。介護に対する漠然とした不安を少しでも解消するために、介護経験者におこなった調査から、今回は公的介護と民間の介護保険の利用状況について確認してみました。  

80%超の人が介護の時に公的介護保険を利用している

介護が必要になった時は公的な介護保険サービスを利用できます(一部を除く)。また、民間の保険会社が取り扱っている私的な介護保険に加入すれば、その保険から給付金を受け取ることもできます。
 
2018年12月に損害保険ジャパン日本興亜株式会社が実施した介護費用に関するアンケートをもとに、まずは介護を経験した人の介護保険の利用状況をグラフにしてみました。
 

 
介護を経験した人で公的介護保険を利用した人は全体の83.4%(公的介護保険利用と公的・民間介護保険両方利用の計)であり、かなり多くの人が公的介護保険を利用しています。
 
※公的介護保険で介護サービスを受けることができるのは、65歳以上の人(第1号被保険者)が要支援・要介護認定を受けた時と、40歳から65歳の医療保険加入者が特定の疾病で要支援・要介護認定を受けた時で、全員が介護サービスを受けられるわけではありません。
 
民間の介護保険を利用している人は10.2%で、公的介護保険の利用者より割合はかなり低いですが、加入者数の違いを考えれば当然とも言えます。
 

民間介護保険からの給付金額は7割が20万円以下

続いて民間の介護保険に加入していた人が、介護によって受け取った給付金額の状況をグラフにしてみました。
 

 
最も多かった回答は10万円以下で全体の半数強、次が10万円超~20万円で、ここまでで全体の70%を占めています。受け取った給付金額の中央値が10万円であることから、比較的少額のケースが多くなっています。
 
その一方で100万円を超える給付金を受け取っているケースも一定割合あり、平均値を押し上げています。加入している保険が介護保障を主たる契約としているのか、特約の一つとして契約しているのかの違いもありそうです。
 

公的介護保険の給付金額には半数以上が満足している

最後に公的介護保険や民間の介護保険から給付金を受け取った人にとって、その額が十分だったかを確認するため、受け取った給付金額に対する感想をグラフにまとめてみました。
 

 
公的介護保険には半数強が十分(「十分であった」と「まあ十分であった」の計)と回答しています。やや不足と感じている人が30%程度いますが、不足と感じている人は10%程度しかいないことから、比較的満足度は高いと言えるのではないでしょうか。
 
民間の介護保険は半数強が不足(「やや不足していた」と「不足していた」の計)と回答しています。十分と感じるほど受け取った人は10%にも満たないことから、まだまだ加入の規模が小さいのではないでしょうか。
 
公的介護保険も民間の介護保険も、給付金を受け取る前に保険料を払っています。特に民間の介護保険では、多くの給付金を受け取るには多くの保険料を払う必要があります。
 
介護が必要になった時に困らないよう加入したはずですが、結果として不足と感じている人が多いということは、加入した保障が想定よりも小さかったと言えます。
 
これから介護に備える人、介護を経験する人にとっては、介護を経験した人の回答はとても参考になるはずです。将来の自分のためにも安心できる準備をしておきましょう。
 
執筆者:松浦建二(まつうら けんじ)
CFP(R)認定者
 
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