会社員の税金が戻ってくる?保険の見直しポイント
ファイナンシャルフィールド / 2019年6月5日 23時0分
![会社員の税金が戻ってくる?保険の見直しポイント](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_44910_0-small.jpg)
生命保険などで保険料を支払っているなら、所得税や住民税が安くなるというメリットがあり、これが生命保険料控除です。会社員や公務員の方なら年末調整で生命保険料控除証明書を提出することで控除を受けている方が多いかと思います。 「保険の見直し」(新規加入も含め、以下見直しで統一)をする場合、適正な保障に変更するために、また保険料の変更のための見直しが多いかと思いますが、ここでは「税金が戻ってくるための見直し」である保険料控除を最大限に活用した見直しを、という観点で見ていきたいと思います。
新制度の生命保険料控除とは?
現在、控除の種類は3つあります。死亡保険ならば「一般生命保険料控除」、医療保険、ガン保険、介護保険なら「介護医療保険料控除」、個人年金保険料税制適格特約が付加された年金保険なら「個人年金保険料控除」に該当します。
健康祝い金付や支払った保険料が戻ってくるタイプの医療保険は、主契約の部分など介護医療保険料控除の対象にならない場合もありますので詳細はご確認ください。
生命保険料控除は、2012年(平成24年)の契約分より生命保険料控除の控除金額が変更となりました。
2011年(平成23年)12月末以前の契約分の旧制度では、生命保険料控除、個人年金保険料の2つしかありませんでしたが、新制度では控除される枠と控除額が増えたので、3つの控除を最大限に活用する保険の見直しや加入をすれば、結果的に支払い税金が安くなるというメリットになり、節税にもなります。
新旧の保険料の控除枠
旧制度と新制度で保険料の控除額が変わってきます。2012年(平成24年)から「介護医療保険料控除」が増設されました。よって控除額も拡大しました。
【旧制度】
一般生命保険料控除と個人年金保険料控除ともに所得税が最大5万円、住民税は3万5,000円までで、合計の最大控除額が「17万円」でした。
【新制度】
一般生命保険料控除・介護医療保険料控除・個人年金保険料控除のそれぞれが最大4万円、住民税は2万8,000円(7万円が上限)になり、合計の最大控除額が「19万円」になって2万円増えました。
![](https://financial-field.com/wp/wp-content/uploads/2019/06/75e53d4448e1e2458319d198b7c42715-9.jpg)
保険料控除を最大限に活用したら、いくらの税制優遇になるの?
保険料控除枠が拡大されたことで、年末調整で税金がいくら戻ってくるのかを見てみましょう。所得税は、税金が課税される所得(課税所得)によって税率が分かれます。所得が上がれば上がるほど税率も上がっていきます(累進課税)。
よって、ご自身の所得税率を把握することが必要です。会社からもらう源泉徴収票で自分の課税所得から税率がいくらかを調べることができます。一方、住民税率は一律10%です。
下記の図表をご覧ください。保険料によって控除される所得は違ってきますが、最大枠の所得控除で考えた場合、「年額でいくらの税金が戻ってくるか」を表しています。
右側が所得税と住民税の合計額です。
会社員の場合、所得税の方は年末調整で給与と一緒に12月か1月に還付されるので“見える化”ができます。住民税は、翌年の給与から調整され、実際には還付されないので実感しにくいですが、実質的には、保険の見直しでの節税ができるのです。
![](https://financial-field.com/wp/wp-content/uploads/2019/06/b21aa6e7a5229bdbdbdb6524b66d20f0-8.jpg)
控除を最大限に活用するには?
保険の見直しで、税金の還付まで意識して見直しをしている人や、控除枠を最大限に活用できている人は、実際には少ないかもしれません。
なかには税制の理解が難しく、所得税で4万円、住民税は2万8,000円など、控除される金額(図表1)が還付される金額と誤解されている方もいるかもしれませんが、所得控除には上限があり、税率に応じて還付される仕組みになっています。
控除枠を最大限に活用するには、「保険料を負担した人が対象」になるので引き落とし口座やクレジットカード支払いの場合は、契約者の変更を行うことでより控除枠を上げることが可能かもしれません。
保険料控除を最大限活用した保険の見直しをすることで、「保障内容と税金還付」の両方のお得な見直しになるかもしれません。
執筆者:末次祐治(すえつぐ ゆうじ)
FP事務所 くるみ企画 代表
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