医療機関にかかったときの医療費補助だけでない。健康保険で受けられるサービスとは

ファイナンシャルフィールド / 2019年6月6日 22時30分

写真

日常生活においてなくてはならない健康保険制度。健康保険加入者が疾病、負傷、出産、死亡した際に必要な保険給付、つまり医療費を補助してくれるありがたい制度ですが、具体的にその内容はどういったものなのでしょうか?   今回は利用者が受けられる主な給付サービスを紹介します。  

1.療養給付

代表的なものとして既に多くの人はご存じかと思いますが、自分や家族(被扶養者)が病院で診療を受けて入院した場合、病院でかかった医療費のうち一定の額が健康保険から支払われ残額を自分で支払います。
 
この自分が負担する分を「一部負担金」といいますが、その割合は次の表の通りです。
 

 
つまり、かかった医療費の7割~9割については健康保険から補助されます。
 

2.高額療養費

1で説明した通り療養の給付によって自分で支払う医療費は本来の医療費より少なくて済みます。
 
ところがそれでも重い疾病(がん、脳梗塞、心臓病、糖尿病など)にかかり手術や長期の治療、または寝たきり状態での介護を必要とするケースでは一部負担金がそれなりにかかってしてしまいます。
 
そこで、健康保険において一部負担金が一定額を超えるとその分をさらに健康保険から費用を負担してくれる制度が高額療養費です。
 

3.所得補償~傷病手当金、出産手当金(健康保険のみ)

傷病手当金は傷病のために就労することができず、報酬が得られない場合に生活保障として一定の金額を支給するものです。
 
また、出産手当金は出産により産前産後の休養を行いその間報酬が得られない場合、同様に一定の金額を支給するものです。支給額はそれまでの給与額(過去12ヶ月間の標準報酬月額※2の平均額)の約2/3となります。
 
支給期間ですが、傷病手当金は支給開始日から1年6ヶ月、出産手当金が出産前42日~出産後56日の間となります。なお、休業期間中に会社から報酬の全部または一部が支払われる場合は、どちらの手当金も支給されません(手当金の額の方が多い場合は差額分を支給)。
 
また、所得補償という性格上、サラリーマンや公務員など給与所得者を対象としている健康保険のみに適用されており、国民健康保険には適用されていません。
 

4.出産育児一時金

出産育児一時金は出産にかかる費用の保障として支給されます。正常分娩だけでなく、死産、流産、人工妊娠中絶の場合も適用されます。
 
上記(2)の出産手当金が出産による休業期間中の所得補償を目的としているのに対し、出産育児一時金は出産そのものの費用の補助を目的としています。
 
金額は1児につき42万円です(産科医療補償制度に加入されていない医療機関等で出産された場合は40.4万円)。また、家族(被扶養者)が出産したときも家族出産育児一時金として同額が支給されます。
 

5.埋葬料(埋葬費)

埋葬料は被保険者が死亡した場合、埋葬に要する費用を補填する目的でその遺族に支給されます。遺族といっても法定相続人のような立場でなく被保険者により生計を維持していた親族や、実際に埋葬を行った他人でも支給の対象となります。
 
金額は健康保険の場合、一律5万円です。国民健康保険では「葬祭費」として給付され、自治体にもよるものの、こちらも5万円というところが多いようです。
 
いかがでしょうか? 医療機関を利用して保険証を提示すれば誰でも療養給付を自動的に受けることができます(会計時に一部負担金のみ支払う)が、傷病手当金や出産にかかわる給付については自分で申請手続きしないと支給されない場合もあります。
 
また、申請手続き前に会社を退職して受給権を失ってしまうなど手続きのタイミングも重要ですので、こうした知識は身に付けておきたいものです。
 
※2:標準報酬月額とは、健康保険における保険料や保険給付の額を計算するためにあらかじめ決められた金額です。加入者の実際の給与額はその額に近い標準報酬月額におきかえられて計算されます。
 
執筆者:蓑田透(みのだ とおる)
ライフメイツ社会保険労務士事務所代表
 
関連記事
■「健康保険」のしくみをおさらい!年齢や職業によって何が違う?
■健康保険の傷病手当金ってどんな制度?どんなときに使えるの?
■高額な医療費、窓口で提示すれば自己負担限度額までになる「限度額適用認定証」とは
■私に万が一のことがあった時に、社会保険から子どもに何かありますか?
■出産のときの時に支給されるお金「出産育児一時金」ってなに?
 

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング