中小店舗で2%の消費税増税の後に買い物すると、5%のポイントで還元されるって本当?
ファイナンシャルフィールド / 2019年6月11日 9時15分
![中小店舗で2%の消費税増税の後に買い物すると、5%のポイントで還元されるって本当?](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_45245_0-small.jpg)
2019年10月から消費税率が現行8%から10%と2%上昇します。飲食料品(外食、ケータリング、酒類を除く)や新聞は軽減税率の対象となり8%に据え置かれますが、その他の生活必需品は10%になってしまいます。 ストックしておける必要な物は、税率が上がる前に買っておきたいもの。しかし、ちょっと待った!2%の消費税増税後の買い物が、5%分ポイントで還元されるとしたら、どっちがお得でしょうか?
キャッシュレス・消費者還元事業とは
駆け込み需要対策とキャッシュレス化に向けた国の政策として、『キャッシュレス・消費者還元事業』があります。消費税率が上げられる2019年10月から2020年6月までの9ヶ月間、駆け込み需要対策として行われます。
対象となる決済手段は、クレジットカード、デビットカード、電子マネー、QRコードなど、一般的な購買に繰り返し利用できる電子的決済手段です。事業の対象となる事業者は、一般の中小・小規模事業者です。キャッシュレス・消費者還元事業加盟店として登録します。
消費者が登録店舗でキャッシュレスにより決済すると、ポイントで消費者に還元されます。消費者への還元率は、一般の中小・小規模事業者の場合は5%、フランチャイズ等の場合は2%です。
中小・小規模事業者に国からの補助
中・小規模の事業者にキャッシュレス決済の導入を支援するための事業でもあるため、「キャッシュレス・消費者還元」対象事業者には、導入にかかる費用に国からの補助があります。
・消費者還元分5%は国から補助されます。そのため、事業者の利益は圧縮されません。
・キャッシュレスの決済手段の端末の導入を事業者の負担無し(国が1/3、決済事業者2/3)でできます。
・加盟店手数料3.25%以下の引き下げを条件に、国が1/3負担
(引用 経済産業省 キャッシュレス・消費者還元事業の概要)
消費者還元分・端末の導入は事業者の負担がありませんが、決済事業者への加盟店手数料2/3は事業者が負担しなければなりません。現金商売の場合は必要がないものです。
しかし、消費税増税後の9ヶ月間はポイント還元を求めて消費税還元事業の対象業者に消費者が集中します。自社で宣伝広告しなくても、ポイント還元できる業者と覚えてもらえます。
その後キャッシュレス化が浸透すれば、現金のみの商売では難しくなるでしょう。9ヶ月間キャッシュレス決済をしていた人が、ポイント還元が終わるからと現金決済に戻すことは考えしにくいからです。
一方、中小・小規模事業者のフランチャイズチェーン等の場合は、消費者に還元する2%の消費者還元分のみが補助されますが、設備導入についての補助はありません。
消費者還元は原則ポイント還元
消費者還元の方法は、決済事業者が決済額に応じたポイントまたは前払支払手段を消費者に付与するのが原則です。
やむを得ない事情があり、その理由を申告し事務局の承認を得られた場合に限り、例外として以下の方法を同等の方法としますが、キャッシュバック(現金還元)ではありません。
(1)店頭での購買時に、即利用可能なポイント・クーポン等を発行し、購買金額にポイント等相当額を充当する方法。
(2)キャッシュレス決済手段の利用金額に応じた金額を金融機関の口座から引き落とす際に、ポイント等を発行し、当該ポイント相当額を引き落とし金額と相殺する方法。
(3)少なくとも1ヶ月以内の期間毎に消費者の講座に発行したポイント等相当額を付与し、その後の決済に充当する方法。
(引用 経済産業省 キャッシュレス・消費者還元事業の概要)
ポイント還元事業、対象にならない取引は?
国や地方公共団体の公共法人、金融機関、風俗営業、保険医療機関、学校、暴力団体、宗教法人、保税売店、法人格の無い任意団体、その他、キャッシュレス・消費者還元事業の目的にそぐわないと経済産業省及び補助金事務局が判断する事業者は補助の対象外です。
また、補助の対象となる事業者でも、以下の取引は補助の対象外になります。
・有価証券等、郵便切手類、印紙、証紙、物品切手 等(商品券、プリペイドカード等)
・自動車(新車・中古車)の販売
・新築住宅の販売
・当せん金付証票(宝くじ)等の公営ギャンブル
・収納代行サービス、代金引換サービスに対する支払い
・給与、賃金、寄付金等
その他、キャッシュレス・消費者還元事業の目的・趣旨から適切でないと経済産業省及び補助金事務局が判断する取引は対象外です。
詳しくは、
・経済産業省 キャッシュレス・消費者還元事業の概要
・キャッシュレス・消費者還元事業
をご覧ください。
執筆者:林智慮(はやし ちりよ)
CFP(R)認定者
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
かかりつけクリニックの支払いは「現金」のみ対応。キャッシュレス未対応なのは、何か理由があるの?
ファイナンシャルフィールド / 2024年7月6日 2時0分
-
「新札」登場で現金派はどうなる? 券売機のコストがもたらす影響
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年7月1日 9時19分
-
【全国の男女900人に調査!】キャッシュレス決済のメリットだと感じることランキング
PR TIMES / 2024年6月27日 14時15分
-
JCBとナウキャストが提供する国内消費指数「JCB消費NOW」、中小企業庁の2024年版「中小企業白書」「小規模企業白書」にて活用
PR TIMES / 2024年6月27日 13時15分
-
審査・担保不要で「最大100万円」 PayPayの“借りない資金調達”は何がすごいのか
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年6月24日 8時25分
ランキング
-
1マクドナルドが「ストローなしで飲めるフタ」試行 紙ストローの行方は...?広報「未定でございます」
J-CASTニュース / 2024年7月17日 12時55分
-
2永谷園、MBO成立=今秋にも上場廃止
時事通信 / 2024年7月17日 20時36分
-
3申請を忘れると年金200万円の損…荻原博子「もらえるものはとことんもらう」ための賢者の知恵
プレジデントオンライン / 2024年7月17日 8時15分
-
4「7%だったら仕方ない」牛丼チェーン松屋が“深夜料金”を本格的に導入 人件費を価格に転嫁【Nスタ解説】
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年7月17日 20時37分
-
5「再配達は有料に」 ドライバーの本音は
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年7月17日 6時40分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)