オリンピックの観戦チケットが家計を圧迫?観戦する前にもっておきたい心構え
ファイナンシャルフィールド / 2019年6月13日 3時0分
いよいよ来年と迫り来る東京五輪の公式チケットの販売抽選申し込みが開始され、5月28日に締め切られました。締切当日は12時間の受付延長が行われましたが、販売サイトへつながるまでに1時間以上の待ち時間が出るなど、購入を迷っていた人などの駆け込み需要も見受けられます。 どうせ当たるはずはないと高額のチケットを多数申し込んだ人、当たったことを想定して予算内で申し込みをした人、当選したらクレジットカードですべて購入する覚悟を決める人など様々ですが、五輪に対する考え方は人それぞれだと思います。 しかし、その熱い思いが高じて予想外の出費になり、家計を圧迫することになっては大変です。チケット購入とどう向き合うのか、抽選結果を楽しみに待ちながら考えてみましょう。
意外に高い、五輪チケット
オリンピックが日本で行われるのは、1964年以来ですので56年ぶりです。この間、ほかの地で五輪を観戦した人もいるでしょうが、宿泊代、航空券代などの費用を含めると、仮に観戦チケットが安い席であっても、費用は結構かかったと考えられます。
加えて仕事を休む場合は、有給休暇でなければ観戦に伴う休みの間に得られたであろう労働対価も含めると、高額と言えるかもしれません。
東京大会は、海外での五輪観戦に比べて明らかに宿泊代、航空券代は安くなりますが、どんな競技をいつどこで観戦するのかにより、観戦チケットの価格は大きく変わります。
どの競技も予選は価格が最も安く、準々決勝、準決勝、決勝になるにつれて価格は上がり、その価格差は2倍~3倍以上になります。すべてのチケットの中で最も高額なのは、開会式のA席30万円(一般)です。
その他人気種目や日本人選手の活躍が期待される競技は高額になる傾向があり、メダル授与式を伴う決勝はどの種目もその種目の中での最高額になります。
予選がねらい目?種目によっては手ごろな価格もあり
逆に最も安いチケットベスト5は以下の通りです。
開閉会式はもちろん、日本で人気の種目や日本人選手が活躍する競技は、かなりの確率でテレビ放映されるでしょう。一方、予選やあまりなじみのない競技は放映されないこともあるでしょう。
ですので、ある意味実際にナマでしか見られない競技こそが、チケットを入手して実際に足を運ばないと見られないといえます。
4年に一度の開催で世界の超一流選手がしのぎを削って出場を果たすオリンピックですので、各種目の世界大会と比較すると、予選といえども世界のトップレベルの選手が登場し、ベストを尽くすことが予想されます。
つまり予選でもハイレベルの戦いが見られる可能性があり、観戦チケットは最も安いので、お得感があるかもしれません。
好きな選手や種目があれば、無理して高額な決勝戦を買う、あるいは決勝戦の末席で遠目での観戦に甘んじるよりは、予選でよい席を陣取る方がよい記念になる可能性もあります。
チケットの購入は計画的に
すでにチケット購入抽選の申し込みが終わりましたので、万一当選した場合はどうするか、という問題になります。当選しないことを前提に高額チケットばかりを申し込んでいる人は要注意でしょう。
当選したすべてのチケットを買うか、すべて買わないかの二者択一になりますので、購入する金額が高額になる人は、その代金を実際に支払えるか、その代金を払ってまで本当に観戦したいのか、そのチケット代を払った後の生活費に支障はないか、をよく検証して購入をするとよいでしょう。
また、購入に関してビザカードを使って決済すると手数料が安くなるようですので、ビザカードを利用すること自体は悪くありません。
ただし、クレジットカードは引き落としが先送りされるために、実際に購入した金額を過小評価しがちになる、あるいはその後決済金額を忘れてしまい、他のショッピングをして使いすぎにつながるなどの恐れがありますので、注意が必要です。
カードでの決済金額をしっかりと把握し、数か月後の決済に備えた管理が大切です。
観戦する場合は、家族イベントの見直しも
開会式30万円の席を家族分買うとかなりの出費です。ですが、56年ぶりに日本での五輪はかけがえのないものと思う人もいるでしょう。五輪にいくらかけるかは、その人それぞれの価値観の問題ですので、個人によって違うでしょう。
重要なのは、観戦をしたらそのかわりに何かを我慢することが必要かどうかを見極めることです。
例えば、年の臨時出費を50万円と見積もり、毎年旅行に行っている家庭は、開会式のチケットで50万円使ってしまったら、その年のハワイは我慢するなどのやりくりをするとその後の家計も安心でしょう。
執筆者:岩永真理(いわなが まり)
一級ファイナンシャル・プランニング技能士
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