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父の死後「遺言書」を確認してビックリ! 妹が「5000万円」なのに、私はわずか「1000万円」…さすがに不公平ですよね!?“遺言書を無効”にすることはできませんか?

ファイナンシャルフィールド / 2025年11月29日 5時0分

父の死後「遺言書」を確認してビックリ! 妹が「5000万円」なのに、私はわずか「1000万円」…さすがに不公平ですよね!?“遺言書を無効”にすることはできませんか?

亡くなった人による遺言書は、家庭の財産を承継するための大切な意思表示です。一方、その内容が特定の相続人に有利である場合、相続人同士の対立のきっかけとなる可能性も考えられます。   今回は「遺言書」に対する基本的な考え方を解説するとともに、場合によっては従う必要のないと考えられるケースなどについても紹介します。

「遺言書」に従って遺産分割するのが原則

通常、遺産相続においては相続分に従って遺産を分割します。相続分には「指定相続分」と「法定相続分」があり、指定相続分は法定相続分より優先されるのが原則です。指定相続分とは、亡くなった被相続人が遺言によって相続分を指定したものです。これを正当な理由なしに後から無効にすることは、基本的にはできません。
 
ただし、次項で紹介するケースに該当した場合は、遺言書の内容に従う必要がなくなる可能性が浮上します。
 

「遺言書」の相続分に従わなくてもよい3つのケース

遺言書は、主に以下3つのケースにおいて「絶対」ではなくなる場合があります。
 

1. 遺言書に不備があり無効になった場合

遺言書は、民法にのっとって作成するのが原則とされています。そのため、民法で定められたものと異なる方式の遺言書は無効になるケースがあります。公証人が関与せず、被相続人が自筆で作成する場合、無効になる可能性が高くなるという見方もあります。なお、署名および押印がない証書も無効とみなされる可能性があります。
 

2. 遺言書の偽造が疑われる場合

遺言書が、被相続人以外の第三者によって偽造されたケースにおいても、民法の方式に従っていないという解釈から無効になるとされています。特に、偽造を試みたのが相続人である場合、相続人としての権利を失う「相続欠格事由」に該当する場合があります。
 

3. 相続人全員の同意が得られた場合

前記のとおり、遺言書に基づく相続分は「指定相続分」にあたり、原則としてその内容に従う必要があります。しかし、遺言書の内容と異なる遺産分割を実施することについて、すべての相続人が同意すれば、遺産分割協議の上で遺産を分けることができる可能性があります。
 
ただし、掲題の遺言のような「妹に5000万円」といった内容は特定の相続人に有利であるため、同意を得るのは難しいかもしれません。
 

遺言書が有効でも「遺留分」は受け取れる可能性

遺言書が有効であり、指定相続分に従って遺産を相続する際にも、「遺留分」は承継できる可能性が残されています。
 
政府広報オンラインにおいて、「遺留分とは、一定の相続人(遺留分権利者)について、生前の贈与又は遺言によっても奪うことのできない、亡くなった被相続人の一定の財産に対する一定割合の留保分」と説明されています。
 
民法では、被相続人の子などが該当する「直系卑属」の遺留分割合について「相続財産の2分の1」とされており、子が2人のケースでは1人あたり4分の1が遺留分割合となります。
 
今回の事例における相続財産が、5000万円+1000万円の6000万円であるとするならば、少なくとも1人1500万円は承継できる可能性があるようです。
 
ただし、相続財産には不動産など「すべての財産」が含まれることから、現金・預貯金以外の財産の取り扱いについては、遺言書の内容を踏まえたうえで別途検討する必要があるでしょう。
 

まとめ

ここまで紹介したように、遺言書は原則として優先的に従う必要があります。ただし、相続人全員の同意を得て遺産分割協議を実施する方法があるほか、一定の相続人には「遺留分」として一定割合の相続ができる可能性も考えられます。感情的な対立を避けるためにも、活用できる方法や制度について理解を深めておきましょう。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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