「資産運用って何だか難しそう」そんな初心者がおさえておくべき3つのこと
ファイナンシャルフィールド / 2019年7月19日 9時30分
「資産運用」という言葉から何か難しいこと、情報や知識がないと不利なこと、と想像され、敬遠されている方も多いかもしれません。しかし実は、資産の「資」には「生まれつき」という意味があります。 もともとの意味に従うなら、資産はお金だけではなく、性格、スキルも指していると考えることができます。ですので、これらをもとにお金を生み出すこと、いわゆる「仕事」も資産運用の一つですし、結婚や起業も同様です。そう考えると、人生は資産運用の連続だといえます。 そして誰もが平等に持つ資産が「時間」です。かのマザー・テレサもこう言っています、「時間の使い方はそのまま命の使い方」だと。「Time is Life」、資産運用とは「時間の有効活用」、と考えてみてください。
これだけ覚えれば大丈夫、3つのこと。 【1】時間軸を考える
まずは「いつ、いくらあれば安心か」、資産運用の目的を明確にして、時間軸を常に意識するようにしましょう。「一獲千金」の夢から離れて現実的にご自身のライフプランに沿って資産運用計画を立てます。今回は老後の準備について具体的に考えてみます。
まず、3つの期間に分けます。
(1)定年までの働いている期間
(2)定年後再雇用の期間
(3)無職期間
(1)の期間は安定した収入のある期間ですので積極的に増やします。子育てが終わったら教育費を丸々老後資金準備に回しましょう。
例えば、30歳で結婚し55歳で子供が独立したとして、定年までの10年間、教育費が月に5万円であったのであれば、5万円×12ヶ月×10年=600万円が原資とできます。
(2)の期間は(1)の期間と比べて減りはするものの収入はある期間ですので、増やしながら少しずつ使う期間といえます。75歳までの10年間はより安定的な運用を心がけます。
(3)の期間は無職の期間です。厚生労働省によると、2017年の75歳の平均余命は男性が12.18年、女性が15.79年です。あくまでも計算上の数字ではありますが、この10数年は収入がなく(年金のみ)、これまでの資産を取り崩しながらも安心して使えるよう、堅実な運用を行います。
これだけ覚えれば大丈夫、3つのこと。 【2】多彩な運用方法をシンプルに絞り込む
いろいろありすぎて、何がどう違うのかよく分からない、という声もよく聞きます。すべての商品を理解してから始めようとするとそれだけで大変な労力になりますので、最初から目的に応じた商品に絞り込んで余計な商品知識には触れないようにしましょう。
まず、レバレッジ(てこの作用)と呼ばれる自己資金以上の取引が可能な商品は避けた方がよいでしょう。確かにこれらの取引は短期間に大きな利益を得ることもありますが、逆に自己資金以上の金額を一瞬で失う(=負債を抱える)危険性もあります。人生設計には向きません。
次に為替リスクを含んでいるかどうかです。これは外国の商品を含んでいるかどうかです。せっかく運用益が出てもそのときの為替が円高であれば実質的にマイナスになるかもしれませんし、逆に運用がそれほどうまくいかなくても為替で利益が出ることもあります。
そもそも円高とか円安とかよく分からず不安であれば、最初から外国商品を含むものは除外しましょう。堅実な順に並べると、預金、国内債券、個人年金、金、投資信託、不動産投資、株式投資、といったところでしょうか。国内債券までが元本保証となります。
こう並べると株式投資が最もリスクもリターンも大きいように思えますが、株式には株主優待制度というものがあります。例えば、全日空の株主優待は保有株数に応じて運賃が半額になる優待券がもらえます。その分費用が浮くと考えるとありがたいものです。
保有している間に多少価格の上下があろうとも、その株式を持っているだけで恩恵を受けられることもあるのです。
これだけ覚えれば大丈夫、3つのこと。 【3】リスクを減らす運用方法
いずれの商品にも価格の上下はもちろんあります。その都度一喜一憂するような短期の運用はやめ、長期の運用を心がけましょう。
ただ長く保有しておけばいいわけではありません、価格の上下はありますから、高いときには少なく買い、安いときには多く買うこともポイントです。期間の分散投資といいます。毎月1万円ずつ、など定期的に同じ額ずつ購入することでリスクを分散できます。
期間だけでなく購入する商品を分散することもリスクヘッジです。政治や経済の動きによって値上がりする商品や値下がりする商品があります。それらを組み合わせて購入することでリスクを分散するのですが、自分で考えるのは難しいかもしれません。
そういうときはプロが複数の商品を組み合わせてセットを作った商品があります。これが投資信託です。私は毎月一定額ずつ投資信託商品を買い増しています。これを「るいとう」と呼びます。その他、株式投資には、NISAといった税制優遇制度もあります。こちらもしっかり活用するとよいでしょう。
資産運用は思っているほど難しくはありません。世間に必要とされ、応援する企業の価値が上がると同時に商品の価格も上がります。まずはご自身の好きな会社、応援したい会社から始めると興味をもって取り組めるといいのではないかと思いますよ。
出典
厚生労働省「主な年齢の平均余命」
執筆者:園田経人
株式会社SFPコンサルティング 代表取締役
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