金(ゴールド)などに分散投資してリスクを低減させる方法
ファイナンシャルフィールド / 2019年7月27日 9時0分
個人投資家の王道は長期投資と分散投資です。その代表格が「iDeCo」や「つみたてNISA」ですね。これらは、老後に備えて毎月決まった金額を積立投資していく投資方法で、時間分散あるいはドルコスト平均法と言います。 分散投資の方法としては、時間分散以外にも値動きの異なる複数の金融商品に投資する方法があります。これを「ポートフォリオを組む」と言いますが、今回は株式と債券に加えて、J-REITや金(ゴールド)へ投資することで、よりリスクを低減させる方法をご紹介します。
バランスファンドにみるポートフォリオ
バランスファンドとは、ファンドマネジャーが債券や株式など値動きの異なる複数の金融商品に投資して、リスクをなるべく抑えながら、目的とするリターンを得るように運用するファンド(公募投資信託)です。
ここでは、つみたてNISAでも人気がある8資産均等型バランスファンドを見てみましょう。これは8つの異なる値動きをする金融商品に均等に投資をしているファンドです。国内や海外の株式や債券に加えて、REIT(不動産投資信託)に投資してリスク分散をはかっています。
J-REITに投資することでリスクを低減させる
REITとはReal Estate Investment Trustの略で、前にJ-が付いているのは日本の不動産に投資するREITの意味です。つまりJ-REITとは、日本の株式市場で売買されている上場不動産投資信託を意味しています。
J-REITは、投資家から集めたお金を日本のオフィスビルやホテル、マンション、商業施設などに投資して、その賃料収入や売却益を投資家に還元させる仕組みです。
したがって、株式や債券の値動きとは違った値動きをするので、投資対象としてポートフォリオに加えることでリスクを分散させることができます。
また、J-REITは配当率が高く、平均配当率で比べると株式(東証1部)の2.48%に対して約1.5倍の3.86%(2019年6月現在)あり、信託報酬なども比較的低いことから長期保有に適した金融商品と言えます。
J-REITは株式の売買と同様に証券会社を通して売買でき、銘柄によっては2万円程度からの投資が可能です。また、東証REIT指数(東京証券取引所がREIT全銘柄を対象にREIT市場の状況を把握するために算出した指数)に連動したETF(上場投資信託)やファンドを購入する方法もあります。
金(ゴールド)に投資することでリスクを低減させる
金に投資する方法には、金貨や金地金などを直接購入する方法もありますが、一度に拠出する金額が大きく、購入するタイミングや購入した後の保管も難しいので初心者にはハードルが高いと思います。
その点では、純金積立は少額から手軽にでき、投資リスクを分散させる手段として良いと筆者は考えます。
純金積立とは、毎月一定額を積み立てて金を買い付ける方法です。月額千円~3千円から購入可能で、貴金属商、商社、銀行、証券会社など広く扱っておりますが、手数料が比較的安く年会費も無料なネット証券を筆者はおすすめします。
純金積立では、毎月一定金額を積み立てるほかに、いちどきにまとまった金額を売買するスポット取引ができます。さらに特定の金重量まで積み立てが達成したら、金そのものとして引き出すことも可能です。やはり実物の金を持ちたいという投資家には魅力ですね。
次に純金積立以外の金投資として、金ETFとゴールド・ファンドについて説明します。金ETFとは金価格に連動するETFで、証券会社を通して株の売買と同様に売買することができます。
1口や10口単位で購入ができ、数千円~数万円単位で投資が可能です。他の金投資と比べて売買手数料が安く、信託報酬も低いのでかかるコストが少なくてすむというメリットがあります。ただし、ほとんどの金ETFは金そのものに交換して引き出すことができません。
ゴールド・ファンド、あるいはゴールド・インデックスファンドや純金ファンドなどといった、金価格に連動するファンドを購入する方法もあります。基準価格が1万円前後のものが多く、1万円程度から投資ができます。
また、証券会社によってはこれらのファンドに積立投資することができます。毎日や毎週、毎月など細かく設定ができ、100円から積み立てを可能としているところもあります。
金は、世界中で共通の価値がある実物資産で、その価値がゼロになることはありません。
またテロや戦争、経済危機などの有事の際には株価は下落しますが、金価格はむしろ上がる性質があります。デメリットとしては、円建て価格としては為替の影響を受ける点と、利息や配当を生まない点などがあります。
終わりに
資産運用で株式や債券への投資ばかりではなく、J-REITや金投資をポートフォリオに加えることで、リスクをさらに分散させながら資産運用されてはどうでしょうか?
出典
一般社団法人不動産証券化協会 東証REIT指数と東証株価指数(TOPIX)の推移
楽天証券 東京金(ゴールド)ロングチャート
三菱UFJ 銀行 交付目論見書「つみたて8資産均等バランス」
執筆者:村川賢
一級ファイナンシャル・プラニング技能士、CFP、相続診断士、証券外務員(2種)
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