確定拠出年金の自動移換ってなに?分かりやすく解説
ファイナンシャルフィールド / 2019年8月1日 9時50分
![確定拠出年金の自動移換ってなに?分かりやすく解説](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_52779_0-small.jpg)
確定拠出年金には、「企業型」と「個人型(=イデコ)」の2種類があります。 「企業型」を導入している会社に勤めていた60歳未満の方。会社を辞めた後、「確定拠出年金なんて、ほったらかし」という方、いらっしゃいませんか? ひょっとしたら「自動移換者」という扱いになっているかもしれませんよ。
確定拠出年金の「自動移換者」とは
そもそも自動移換者になってしまった場合、ご自身の確定拠出年金の資産は「現金のまま寝かせた状態」になってしまい、利息が付かないどころか運用することもできません。
加えて、自動移換者の扱いになるときに4269円が、一度だけ確定拠出年金の資産から差し引かれます。さらに自動移換者となってから4ヶ月がたつと、1ヶ月当たり51円の管理手数料がかかります。なお、管理手数料は1年に1回、3月末にまとめて確定拠出年金の資産から差し引かれます。
つまり、お勤めだったときに運用して築き上げた確定拠出年金の資産が、自動移換者になった途端、どんどん目減りしていってしまう期間でもあるのです。
さらに、自動移換者でいる期間というのは、確定拠出年金の老齢給付の受給要件の一つである「通算加入者等期間」に通算されません。なので将来、確定拠出年金の老齢給付を受け取り始める年齢が、遅れてしまう可能性だってあるのです。
なお、自動移換者から「企業型」を導入している企業に「転職」もしくは「個人型(=いわゆるイデコ)」に「加入」し、自動移換となった資産を確定拠出年金に引き継ぐ手続きを行う場合にも1080円の手数料がかかります(いずれも手数料は消費税率8%時のもの)。
2018年4月までに「企業型」を導入している企業」を、60歳前に退職された方
「企業型」を導入している企業を辞めたときに確定拠出年金の手続きをせず、ほったらかしのままですと、確定拠出年金の自動移換者という扱いになってしまいます。
しかし自動移換者にはなったものの、すでに「転職」もしくは「加入」のいずれかに該当し、かつ本人情報が一致している方ならば、2018年5月から自動移換となった資産が「転職」後の「企業型」、もしくは「加入」後の「個人型(=イデコ)」の、それぞれの資産に引き継がれるようになりました。
ですが、「転職」または「加入」のいずれかに該当していない方や、本人情報が一致していない方の場合は、自動移換者という扱いのままになります。
2018年5月以後に「企業型確定拠出年金を導入している企業」を、60歳前に退職された方
「企業型」を導入している企業を辞めたときに、確定拠出年金の手続きをせずほったらかしのままでも、その後「転職」もしくは「加入」のいずれかに該当し本人情報が一致する方は、自動移換者を経ることなく、退職する前に築き上げた確定拠出年金の資産が「転職」後もしくは「加入」後の、それぞれの確定拠出年金に引き継がれます。
また、6ヶ月を超えて「転職」もしくは「加入」のいずれかに該当し、本人情報が一致する方については、一度は自動移換者の扱いになるものの、「転職」後、もしくは「加入」後の、確定拠出年金に引き継ぎがなされます。
しかし「転職」もしくは「加入」もしていない方、あるいは「転職」や「加入」をしても本人情報が一致しない方は自動移換者となります。
本人情報とは?
本人情報とは、以下の4点のことです。
「基礎年金番号」
「生年月日」
「性別」
「カタカナ氏名」
結婚などの事情でお名前が変わった場合は「本人情報が一致しない」と見なされる可能性があるのです。
自動移換者の方はほったらかしのままにせず、手続きを
そもそも「私は自動移換者なのか否か?」という疑問をお持ちの方もいらっしゃると思います。確定拠出年金法に定める記録関連業務を行う企業から、自動移換者となったときに「自動移換通知」、そしてその後は毎年「定期通知」が届くことになります。
そして、「企業型」を導入していないお勤め先の方(公務員の方を含む)や主婦(主夫)の方、(国民年金の免除や猶予を受けていない)自営業者の方が、運営管理機関にて手続きを行い「個人型(=イデコ)」に「加入」すれば、自動移換となった資産を引き継ぎ、掛け金を拠出しながら運用を続けることができます。
また「企業型」を導入している会社に「転職」の方も、「転職」先で手続きを行えば、自動移換となった資産を引き継ぎ、掛け金を拠出しながら運用を続けることができます。
あるいは、「企業型」を導入していないお勤め先の方(公務員の方を含む)や主婦(主夫)の方、(国民年金の免除や猶予を受けた方を含む)自営業者の方は、運営管理機関にて手続きを行い「個人型」の運用指図者となることで、掛け金の拠出を行わず、自動移換となった資産の運用だけを行うという選択肢もあります。
(ここでの運営管理機関とは、「個人型」の「加入者」の窓口のような役割を担っている企業のこと。銀行などの金融機関、生命保険会社、損害保険会社、証券会社などが運営管理機関の業務を行っています。運営管理機関はご自身で選んでいただくことになります)
なお、国民年金の免除や猶予を受けた方で、その他の要件を満たす方は脱退一時金を受け取るという方法もあります。
確定拠出年金は自己責任が強く求められる制度です。いずれにせよほったらかしということがないように注意しましょう。
執筆者:大泉稔
株式会社fpANSWER代表取締役
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