10円玉だけど50円以上の価値があるかも!硬貨にプレミアムが付くレア度とは?
ファイナンシャルフィールド / 2019年8月6日 9時30分
令和の時代が始まって3ヶ月。今年9月~11月のラグビーワールドカップ2019日本大会、来年7月~9月の2020東京オリンピック・パラリンピック、2025年5月~11月の大阪万博など、新しい時代の国際イベントも今後たくさん予定されています。 そして、2024年度には1万円、5千円、千円の各紙幣が刷新されます。それに先立って、2021年度には500円硬貨のデザインが一新される予定です。 また、今年7月11日には「令和元年」の刻印が入った500円、100円の製造が始まりました。50円、10円、5円、1円も含め、6種類が出そろうのは今年10月頃になる見通しのようです。
旧デザインの硬貨もいろいろです
そして、現在発行されていないが通用力を有する通常貨幣(硬貨)として、[旧デザインの、500円、100円、50円、10円、5円の延べ8種類]があります。初発行以来デザインが変わらないのは1円硬貨だけです。
なお旧デザインでも、現在発行されているものとの違いが、5円硬貨(穴あり)で「文字の書体等が異なる」、10円硬貨で「側面にギザが付く(線が細かく刻まれている)」など、そう大きく変わらないといわれるものもあります。
額面の5倍以上の評価がされた10円玉……
ところで、モノの価値(値段)を鑑定するテレビ番組「開運!なんでも鑑定団」は有名ですね。スタート以来25年以上も続いていますが、先般その番組に登場したのが大量の10円硬貨。その数、実に7300枚以上。
そして鑑定結果は約43万円。単純に枚数で割ると額面の何と5倍以上でした。もっとも、これはコイン店での販売価格から算出した評価で、これだけ大量処分となると、実際には額面通り1枚10円といわれる可能性もあるとの注釈が添えられていました。
プレミアムが付いた理由は、その希少価値。マニアなどから「ギザ10」と呼ばれる旧デザインの10円硬貨は、昭和26年から昭和33年にかけて製造され、側面にギザが付いているのが特徴です。お手元の10円硬貨を見ていただくと分かりますが、今やギザなしのものが大多数です。
造幣局の公表データ(末尾※参照)によれば、2018年末までの10円硬貨の累計製造数は[ギザ付き:約17億7300万枚]、[ギザ無:約323億9764万1000枚]です。
単純に合計しても、ギザ付きのシェアはわずか5%ちょっと。古い時期に延べ7年(昭和31年は製造なし)しか製造されず、特に昭和33年はわずか2500万枚。初製造の昭和26年や希少な昭和33年の未使用もので、1枚数万円くらいの販売事例も見当たりました。
プレミアムが付くといわれる硬貨とは
毎日のように手にする硬貨ですが、先ほどの造幣局の公表データでここ30年くらいの中に、その年の発行枚数が例年に比べてとても少ないことが実感できるものがあり、例示すると次のとおりです。
<硬貨種別> <発行年>
[旧500円硬貨] 昭和62年、昭和64年
[現100円硬貨] 平成13年~平成14年
[現 50円硬貨] 昭和62年、平成22年~平成25年
[現 10円硬貨] 昭和61年、昭和64年、平成25年
[現 5円硬貨] 平成12年、平成22年~平成25年
[現 1円硬貨] 平成12年~平成14年、平成22年~平成25年、
平成28年~平成30年
(※造幣局「貨幣に関するデータ」を元に著者が作成)
上記の中には、造幣局がその年に製造した未使用硬貨各1枚等を組み込んだ貨幣セットの形でしか発行されていないものがあり、セットをこわしてバラさない限り流通しないので、特に希少性があるといわれています。
こうした“レア度”によって、プレミアムが付くことがあるといわれるのです。もちろん、個別のコンディションによって評価は変わります。
まとめ
紙幣(2千円札を除く)は今後刷新される一方、硬貨は500円以外のリニューアルの話は聞かれません。しかし、社会のキャッシュレス化がこれからますます進展していくとしても、紙幣も硬貨もおカネがいきなり姿を消してしまうことはないでしょう。
貨幣の機能のひとつに「価値の尺度」がありますが、そうしたモノサシとなるべきおカネ自体でさえ、一種の希少性からプレミアムが付く場合があるのは、不思議な思いもいたします。
お財布の中をのぞいてみて、ご案内したような硬貨がもしも見つかったら、ちょっと得したような気分になれるかもしれませんね。
出典:
(※)造幣局「貨幣に関するデータ」
なお、添付されているPDFファイル「年銘別貨幣製造枚数[平成30年銘]を参照
執筆者:上野慎一
AFP認定者,宅地建物取引士
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