友達から「投資を始めるにはまとまったお金が必要」と言われた。これって本当ですか?
ファイナンシャルフィールド / 2019年8月11日 11時0分
![友達から「投資を始めるにはまとまったお金が必要」と言われた。これって本当ですか?](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_53335_0-small.jpg)
将来、年金だけでは2000万円不足するといわれて、そのままうのみにする方は少ないでしょう。居住する地域や生活スタイルによって、支出は異なります。 2000万円にこだわらなくとも、年金だけでは不足するかもしれない、という不安から、貯蓄や投資に関心を持ち始めた方も多いのではないかと思います。
投資は一生涯継続
投資を始めるにあたり、ある程度まとまった金額が必要と思うのは間違いです。
たしかに、株式投資であれば、そのとおりです。株式の購入単位を1単元といいます。1単元が100株の銘柄では、株価が2000円の場合、1単元は20万円になります。1単元の整数倍で購入しますので、20万円、40万円、60万円となります。このような取引をしようとすれば、ある程度まとまったお金が必要になります。
ところが投資信託では、1万円から(あるいはそれ以下の金額からでも)投資できます。さらにポートフォリオを考慮して、国内、海外、株式、債券、不動産と5種類のファンドにそれぞれ1万円ずつでも、月5万円で投資が可能になります。これを株式で行うとしたら、けっこうまとまったお金を必要とします。
まとまったお金をいちどきに投資して、投資時点より上がればプラス、下がればマイナスとなります。投資時点より運よく上がれば、自分の目利きぶりにうぬぼれるでしょう。一方、投資時点より下がれば、担当者のせいもしくは相場のせいにして、毎日ドキドキしながら相場を眺めます。
投資金額の7割くらいに減じようものなら、投資を勧めた担当者を恨み、なんともならないことが分かれば相場を見ることもなくなります。
自分の下心から投資したことを後悔し、投資は怖いもの、決して近づいてはいけない。投資は相当の大金を持っている者が行うもの……と、決めつけてしまいます。
とかく一括投資はギャンブル的要素が出てきてしまいます。もうかっているうちは楽しいですが、損失が発生し出すと落ち着きを失い、やがてパニックになるかもしれません。
積立投資では、相場が上がろうとも下がろうとも毎月一定金額を投じるので、相場が高ければわずかな口数、相場が低ければ多くの口数投資になります。この手法をドルコスト平均法といい、平均購入単価を下げることができます。
ドルコスト平均法の最大の特徴は、相場が変動しても精神的に安定していられることです。短期間で損得が現れず、生涯を通じて行う投資に適しているといえるでしょう。
投資はメンタルを鍛える
いくらドルコスト平均法が適用され、平均購入単価が下げられても、すでに投資した部分は相場に応じて変動します。変動が少なく、徐々に右肩上がりで推移することを投資家は望むでしょうが、リーマンショック、ブラックマンデー、バブル崩壊など大変動は必ずやってきます。
変動を受けずに右肩上がりはあり得ません。その変動をなるべく抑えようとする方法が、積立投資です。積立投資は「高値は少口買い、安値は大口買い」「拡大再生産により長期株式投資は10%以上の利回り」の二大原則により、変動を吸収しながら上昇していきます。
投資のプロでも5年先、まして10年先の相場は分からないのです。相場は自分の期待に沿ってくれるはずはありません。裏切られることを常に念頭に置く必要があります。
想定外のことが相場ではたびたび発生しますので、メンタルが強くなければ継続できません。他人のせいにしても仕方なく、結果は全て自分で受け止めなければならないのです。
一括投資の場合、9勝1敗でも1敗が致命的であれば、通算では負け越しになります。しかし、積立投資の場合、短期的大もうけはできませんが、世界の経済成長に乗れれば、変動しながらも成長します。
自分のメンタルを鍛えることは、日常生活にも役立ちます。多くのことを前向きにポジティブにとらえられるようになるでしょう。また、トラブルや失敗があっても立ち直りが早まるでしょう。
積立投資で資産を増やしつつ、メンタルも鍛えられるなら、願ったりかなったりではないでしょうか?
執筆者:手塚英雄
有限会社テヅカプラニング 代表
CFP(R)認定者 1級ファイナンシャルプランニング技能士 証券外務員
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