帰省前に知っておきたい認知症とお金の話。もし両親が発症したら、預金はどう引き出す?
ファイナンシャルフィールド / 2019年8月10日 0時0分
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現在は人生100年という時代ですので、認知症のリスクについて理解しておく必要があります。 認知症になってしまった場合にどうなるのか?認知症になる前に対応するべきことは何か? をしっかり理解しておきましょう。
帰省時、親に話す前に理解しておこう!
認知症への対策や、認知症になったときの対応について、帰省時に親に話したいと考える人は多いでしょう。親に話すためには、自分が理解していなければ、親にも理解してもらえないでしょう!
認知症になると、何もできなくなります。
具体的には、
・お金が下ろせなくなる。
・不動産を売却できなくなる。(当然、購入もできなくなる。)
という状況になります。
認知症になると、介護が必要となる状況であるにもかかわらず、介護費用を出せないという事態になることを意味します。
認知症になってしまった後は……
認知症になってしまった後は、本当に何もできないという状況です。本人の口座にお金がある場合や介護費用を不動産の売却したお金で賄おうと考えた場合には、後見制度を使わざるを得なくなります。
後見制度の中でも特に法定後見人をつけなければならないという状況です。つまり、法定後見人がどういう人であるか? を理解しなければなりません。
法定後見人は、裁判所が決める!
法定後見人は、家庭裁判所が決めます。そのため、見ず知らずの弁護士や司法書士などが選任される可能性があります。
よく誤解されることですが、国の制度であり、裁判所が法定後見人を選任するので、法定後見人に対して報酬を払う必要がない、と考えている人がいます。
大きな間違いです。管理財産額に応じて、法定後見人に対して毎月報酬を支払わなければなりません。
東京の場合、報酬額は、毎月最低でも2万円です。つまり、1年で24万円です。管理財産額が5000万円を超えると、毎月5万円から6万円になります。1年で60万円から72万円です。
しかも、一度、法定後見人を選任してしまうと、
・本人が亡くなる
・本人の認知機能が回復する
どちらかの場合でない限り、法定後見人を解除することはできません。
つまり、法定後見人がついている限り、毎月の報酬を払い続けなければなりません。
10年であれば、最低でも240万円です。管理財産額が多い場合では、720万円になることもあるでしょう。10年以上であれば、これ以上の報酬を支払うことになります。大きな負担といわざるを得ません。
東京の場合、管理財産額は、預貯金および有価証券等の流動資産の合計額という定義になっておりますが、自宅や一室でも賃貸不動産を所有していれば、管理財産額に計算されるかもしれません。注意が必要です。
最低でも、任意後見人は決めておこう!
法定後見人は、すでに認知症になってしまった人の場合に、選任されるものです。
実は、認知症になる前に、自分の財産を管理してほしい人を選任する方法があります。これを任意後見人といいます。
そして、任意後見人を選任するためには、ルールがあります。そのルールは、決められた書式にのっとり任意後見契約を行い、公正証書として、任意後見契約書という形で残すということです。
公証役場の先生が本人の意思を確認して、公正証書で任意後見契約書を作成し、公証役場で保存しますので、無くなることはありません。
任意後見人に家族を選任することは、本人の自由ですので、まったく問題ありません。任意後見人を選任しておけば、任意後見人が財産を管理することができます。家族を任意後見人にしておけば、報酬を支払う必要もありません。
ただし、財産を管理することができるとはいっても、好き勝手に財産を使うことはできませんので、ご注意ください。
まとめると。
・認知症になるとどうなるか? を理解する。
・法定後見人と任意後見人の違いを理解する。
・最低でも、任意後見人は選任しておく。
・任意後見人以外の方法があるということも理解しておく。
出典:東京家庭裁判所、東京家庭裁判所立川支部「成年後見人等の報酬額のめやす」
執筆者 : 岡田文徳
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