税金を抑えて資産作りができる「iDeCoとつみたてNISA」どう使い分ければいい?
ファイナンシャルフィールド / 2019年8月13日 9時0分
iDeCoとつみたてNISAは、どちらも税制優遇を受けながら資産形成をしていくための制度です。両制度は似ている部分もありますが異なる部分もあり、どのように使い分ければいいのか悩む人もいるかもしれません。使い分ける時には、目的や制度の特徴から考えるとわかりやすいでしょう。 ※税制等は2019年7月現在
iDeCoとつみたてNISAの共通点と異なる点
初めにiDeCoとつみたてNISAのポイントを整理しておきましょう。
共通しているのは、どちらも主に投資信託で積立する制度だということです。積立額にはそれぞれ上限があり、基本的には長期投資によって資産形成することを前提としています。その他には運用益に通常かかる約20%の税金が免除されており、効率的な運用ができることも共通点でしょう。
一方、大きく異なる点は以下の通りです。
ここでは詳細は割愛しますが、所得控除はiDeCo最大のメリットといえます。掛金や自分の税率に応じて所得税と住民税が軽減され、毎月数百円の口座管理手数料がかかったとしても、一般的にはそれを税金の軽減額が上回るからです。
こうした特徴を踏まえて、どのように使い分けすればいいのか見ていきましょう。
老後資金が目的ならiDeCoが適している
両制度とも資産形成のための制度ですが、老後資金を目的とするならiDeCoが向いています。
iDeCoには原則60歳未満では引出できない換金制限があり、これはデメリットともいわれています。解約して換金するには、国民年金の保険料免除者になるなど一定の要件をクリアしなければならず、ほぼ不可能といっていいでしょう。
しかし考え方によっては、解約制限がメリットにもなります。老後資金の貯蓄は数年程度ですぐに目標達成できるものではなく、10年や20年といった長い年月がかかります。簡単に引き出せてしまうとその間にお金を使ってしまうかもしれません。
大切な老後資金だからこそ、解約制限のあるiDeCoが適しているでしょう。
専業主婦(夫)はつみたてNISAが向いている
老後資金の貯蓄にはiDeCoが適しているとしても、専業主婦(以下、専業主夫も含む)には当てはまらない可能性があります。
iDeCoの解約制限以外のデメリットとして、毎月の口座管理手数料があります。金額は金融機関により、安くても月額167円(年間2004円)です。収入のある人なら所得控除によって手数料のデメリットは打ち消せますが、収入がないか税金のかからない程度でパートをする専業主婦は所得控除ができません。
そのため、口座管理手数料を払いながら積立することになり、もったいないのです。専業主婦の場合は、口座管理手数料のかからないつみたてNISAを検討してみてください。
さまざまな目的で利用しやすいのはつみたてNISA
上述した以外にもさまざまな使い分けがありますが、大別すると老後資金はiDeCo、それ以外の資金はつみたてNISAに分けられるでしょう。
もちろん使い道は自由ですので、iDeCoだからといって老後資金に使わなければいけないわけではありません。利用のしやすさを考えた場合、つみたてNISAは自由度が高いというだけです。つみたてNISAは貯めるのに長期間かかる資金なら何にでも利用しやすく、いくつか例を挙げてみましょう。
・教育資金
・住宅のリフォーム資金
・退職祝いの世界一周旅行の資金
他にもありますが、これらは準備に時間がかかるお金です。教育資金はお子様が生まれてから大学入学まで18年程度先の目標に対して長期間貯蓄しますし、リフォーム資金が必要になるのも住宅を購入してから10年以上先になるでしょう。
解約制限がないつみたてNISAはさまざまな目的に利用しやすいため、将来かかりそうな費用のために今から準備しておくのが良いのではないでしょうか。
目的に合わせてiDeCoとつみたてNISAを選ぶ
iDeCoとつみたてNISAは効果的に利用したいですが、資産形成という意味で考えれば両方の制度を活用するのがいいでしょう。長期の資産形成をするうえで、両制度ほどの税制優遇を受けられるものは他にないからです。
まずはどちらか片方から始めてみたいという人は、何のために利用するのかを考えて目的に合った制度を選んでみてください。
<出典>
iDeCo公式サイト
日本証券業協会/みんなにいいさ!NISAがいいさ!!
執筆者:國村功志
CFP(R)、証券外務員一種
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
パート先の時給が上がり「年収130万円」を超えてしまいそうです。ママ友に「iDeCoで年収を減らせる」と聞いたのですが、どういう仕組みですか? 扶養を抜けなくても良いのでしょうか…?
ファイナンシャルフィールド / 2024年9月11日 4時30分
-
iDeCoを50代で始めるのは遅くない! 見逃せない大きなメリットとは
MONEYPLUS / 2024年9月8日 7時30分
-
会社で「財形貯蓄制度」をすすめられました。自分で貯蓄するのと何が違うんですか?メリットはあるのでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年9月3日 2時10分
-
もう老後の心配はありません…。55歳会社員「年金の上乗せ対策は完了」と余裕の笑みを浮かべていたが…突然の胃がん発覚を機に「家計破綻の危機」に陥ったワケ
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年8月31日 7時45分
-
NISAとiDeCo、節税メリットが大きいのはどっち?
トウシル / 2024年8月24日 8時0分
ランキング
-
1ゆうちょ顧客情報を不正流用 日本郵便、かんぽの保険営業に
共同通信 / 2024年9月21日 18時30分
-
2「100円マック」も今は昔 値上げしたマクドナルドなぜ好調? コスパ重視の客には500円台のセットで対応
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月22日 6時15分
-
3NYタイムズ「2番目に行くべき」効果か、盛岡市の外国人宿泊客数が前年比9・5倍
読売新聞 / 2024年9月21日 22時45分
-
4フランフランが「若年女性」人気を総取りするワケ アインHDによる買収を経て、再成長できるのか
東洋経済オンライン / 2024年9月22日 8時0分
-
5渋谷・おしゃれ飲食街の「インフレ」が進む"裏事情" 立ち飲みのワイン1杯1200円も躊躇なく飲む若者たち
東洋経済オンライン / 2024年9月21日 9時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください