共働き家計が見落としがちな「妻の死亡保障」注意点を解説
ファイナンシャルフィールド / 2019年8月18日 9時30分
お金の計画には、マイホーム資金や教育費といったライフイベントへの準備と、死亡や医療などのリスクに対して備えるものの2通りがあります。 つい前者の資金準備を優先しがちですが、リスクに備えることで家計は盤石になります。その上で、定期的に保障を見直せば、節約にもつながります。そこで今回は、リスクの中でも、家計を支えている人の死亡保障について考えてみます。
末子誕生が保障額のピーク
まず、必要な死亡保障額は「出ていくお金」から「入ってくるお金」を差し引いて計算します。出ていくお金としては、残された家族の生活費や子どもの教育費、配偶者の老後資金の補てんなどです。
一番下の子どもが誕生したときが、死亡保障のピークになります。子育て家庭であれば、総額1億円以上となることも珍しくありません。
これに対して、入ってくるお金は、国の遺族年金や会社の退職金、貯蓄などです。会社員のご主人に万一のことがあった場合、妻が受け取る国からの年金総額は6000万円にのぼることも。これらで不足するお金を「保障」と「貯蓄」で準備します。
子どもが小さいうちは必要な死亡保障額が大きい一方、貯蓄は少ない傾向がありますので、保険料の安い掛け捨ての死亡保障に加入することをおすすめします。ちなみに必要保障額は、会社員であれば「配偶者・子ども」の人数×1000万円を目安に考えてください。
貯蓄が増えるほど必要保障額は下げられる
子どもが成長するにつれ、保障で準備すべき生活費の総額が小さくなることから、必要保障額は年々下がっていきます。さらに、貯蓄が増えれば万一のときに充てられるため、保障額は下げられます。定期的に保障額を見直して、保障のムダが省けます。
特にマイホーム購入時は、保障を見直す好タイミング。団体信用生命保険など死亡保障付きの住宅ローンを組む場合、その分だけこれまで加入していた保障額を減らせます。支払っていた保険料を住宅ローンに回せば、住宅ローンの返済期間が短くなり、利息も浮いて一石二鳥です。
共働き家計の保障の注意点
従来は、夫が主で妻が補助的に収入を得る、という家計の形態が多かったため、夫の死亡保障のみに備える方が多数でした。
しかし、現在は夫婦同程度の収入で家計を支えることも珍しくありません。ここで見落としがちなのが、「妻の死亡保障」です。妻に万一のことがあった場合は、国の遺族年金が夫死亡時に比べ、少ない傾向にあります。
さらに、住宅ローンへの保険の被保険者が夫であれば、ローンの支払いは免除されません。こうしたケースでは、むしろ妻の方こそしっかり保障をかける必要があります。
共働きの家計は、当初は育児による収入の目減りや、保育料で厳しくなりがちですが、後半で貯蓄をぐっと伸ばせる強みがあります。子どもが小さいときは保障重視、成長するにつれ貯蓄重視といった、メリハリあるマネープランでのりきりましょう。
老後の死亡保障は最低限で
老後の死亡保障には2つの目的があります。1つ目は、世帯主自身のお葬式費用と、残された配偶者の生活資金の補てんです。ただ、それには基本的に年金を充てることができます。退職金等が支払われていれば、貯蓄を充てることも可能です。
そのため、高齢になって死亡保障が切れてしまっても、新たに入りなおす必要はありません。また、継続するには保険料が高額すぎた場合、解約をしても大丈夫です(上記が貯蓄等で賄える場合に限る)。
2つ目は、残された家族に相続税がかかる場合の対策です。相続人の納税資金に充てるためと、相続財産の評価を下げるため、法定相続人の人数×500万円の非課税枠分、終身の死亡保障で備えることも一考です。
執筆者:波多間純子
㈱bloom代表。ファイナンシャル・プランナー(CFP(R)),キャリアコンサルタント
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