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労災ってどこまでが対象なの?5つの補償内容を知っておこう

ファイナンシャルフィールド / 2019年8月27日 9時15分

労災ってどこまでが対象なの?5つの補償内容を知っておこう

前回は、働けなくなった場合の保障として、健康保険制度における「傷病手当金」と公的年金制度の「障害年金」を基礎に、民間の保険をどのように組み立てていけばいいか、というお話をしました。   今回は、それと関連しますが、労働者災害補償保険(労災)の補償内容を確認していきたいと思います。  

労災とは?

労働者災害補償保険は、いわゆる「労災」と呼ばれるものです。会社などでお勤めしている方が、業務上、病気やケガなどを被った場合に補償が受けられます。
 
ここでポイントになるのは「業務上」という言葉ですが、健康保険制度が「業務外」を保障の対象としているのに対し、労災では「業務上」の病気やケガなどが補償の対象になっています。簡単にいうと、業務上とは「仕事をしているとき」ということです。これには、通勤や帰宅の途中も含まれます。
 
労災保険は、正規・非正規にかかわらず、従業員を雇っている事業主に加入の義務があります。保険料は全額、事業主が払っているため、被雇用者である従業員は保険料を納めることはありません。
 

労災の補償内容は5つ

ここまで押さえたうえで、補償内容について簡単に確認していきます。労災からの給付は、大きく分けると5つに分類されます。
 
(1)療養(補償)給付…治療などを受ける
(2)遺族(補償)給付…亡くなった場合の遺族の生活補償
(3)休業(補償)給付…働けなくなった場合の収入補助
(4)障害(補償)給付…障害が残った場合の生活補助
(5)介護(補償)給付…介護状態になった場合の費用補助

 
そして、これらに加え、葬祭料・葬祭給付、二次健康診断等給付があります。
 
このように見ていくと、健康保険制度や公的年金制度と少し似ているように思います。健康保険制度では、治療などにかかる費用補助や働けなくなった場合の収入保障として、傷病手当金があります。
 
また、公的年金制度では、遺族年金や障害年金があり、さらに公的介護保険制度では介護給付があります。これらとの違いは、前述のとおり、労災保険が「業務上」の病気やケガなどが補償の対象とされ、かつ、保険料の納付が全額事業主負担となっている点です。
 

労災をどう位置づけるか、総合的に考える

このため、保障の面でも、家計の面でも、健康保険制度や介護保険制度、公的年金保険制度といった公的保障と比べると、日常生活に対する関連性が薄くなることから、民間の保険との兼ね合いで総合的な保障設計を組み立てる際は、補助的な公的保障という位置づけで考えていく必要があります。
 
例えば、会社員が日常生活の中で大腸がんを患い、長期間、働けなくなったとします。仕事をしているときに大腸がんになったわけではないため、公的保障としては、条件を満たせば、健康保険制度から傷病手当金が支給されることになります。
 
労災にも休業補償がありますが、この場合、給付の対象にはなりません。このような違いがあるため、民間の保険を含めた総合的なリスクマネジメントを行う場合は、基礎になる公的保障をどこに置くかを事前に想定しておく必要があります。
 
今回は、労災保険の特徴を見たうえで、他の公的保障と民間保険との関連性について確認してみました。次回は、公的年金制度と個人年金保険の関係性について見ていきたいと思います。
 
執筆者:重定賢治
ファイナンシャル・プランナー(CFP)

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